12/02/01 17:36:31.75 9Z3Mibto
「初春」
手折ればいい、もう胸が痛まないのなら、
岩肌の露出した地平線を、泣き崩れるように、
どろどろと押し出された熱が、わずかに歩んでは、冷えてゆく、
息の仕方を探さなくてはいけなくなったのは、いつからだろう、
ここは、戦場の記憶、否、柔らかな、花びらの、
風はない。舞うことも知らない灰が、白粉のように、肌を覆う、
傷が傷を呑み空いてゆく悲しみに、為す術があるのなら、泣くことなのだろうと、
胸に手を当て温めていたピエロが、笑い出したので、首を絞めた、
流したのは唾液、否、棘をくるむ、柔らかな、
コスモス、野ばら、沈丁花、、、
ここは未開の落とし穴、 真逆さまに落ちる空、沈んでゆくのは、あたたかな、
コスモス、野ばら、沈丁花、、、
手折らせはしない、ここは未開の荒野、 胸の中、散り花眠る、雪下の日、