12/07/20 03:06:21.05 jaK5s1vL
コスモロジー
誰もいないところへ椅子がある
貯水ダムに造られた休憩所である
外は深夜 トラックがちらほらいきかっている
パーカーを着た体が震えていた
山は寒いそんなあたりまえの事を吉本隆明程度に知ったのだった
待ち人はいなかったし風も吹かなかった
借りを返せよ、とだけ言った
携帯の画面のようにダムは暗く、うなっている
ボンネットに女が座っていた
さすがに望遠鏡で星を見るような人たちはいなかった
椅子に座った
みんながいると楽しくない
俺は一人でいたかったしまた咎める人もいない
じゃあいいじゃないかよ