10/12/04 18:25:18 BpL+DrtN
感想1
「ハードルを上げる」
スゲーカッコイイです。
タイトルで宣言したとおりハードルあげやがって、おかげさまで苦労しました。
作品は、コンニャクで婚約という駄洒落で口火を切る。
ガラスの絆ならぬコンニャクの絆だが、このコンニャク指輪はガラスの指輪や飴細工の指輪よりカッコイイかもしれない。
ちなみに私は収入ゼロ円のときに婚約したので、婚約指輪は、ボタンを二つ重ねてボンドでリングにくっつけた指輪を下北沢の露店で彼女の金で買ったのだった。
確か五百円だったが、職人のセンスだけは良かった。
このコンニャク指輪も、交換価値はともかく、おそらくセンス良い作品で、特別な夜を飾るに相応しいものであるのだろう。
みずみずしい指輪が目に浮かぶようだ。
さりげさく説明される月収、振られたというビターな結末、と、流れはまるで上質なハードボイルド小説のように淀みがない。
ラストのイロニーによって、この詩は「このスレの流れ」という小さな場所に固定されてしまうが、惜し気もなく遊びに消費されるリリシズムの在り方も、私は後味よく楽しめた。
いわゆる馬鹿ってやつ(笑)
男の子らしくて素敵なんじゃないの。
次は、コンニャク指輪のリリシズムを理解してくれる女と付き合うといい。
ボタンでもモテる相手にはモテる。