14/01/21 23:05:41.60 0E1AM+qn0
同753より転載、後編
女はこの時、本当に結婚するんだと気付きました。
女は王子に興味がありませんでしたが、王子の世界にとても興味が湧いて、よく行っていました。すると、だんだん霊と話ができるようになりました。
行くたびに王子に話し掛けられ、次第に女は惹かれていきました。
やがて王子と女は結婚しました。王子は女と結婚してから、女遊びを断ち、仕事に一生懸命になりました。
初めは二人とも幸せでした。
女は疑問に思いました。この世界に王子はいるのか。あちらで結婚して幸せだが、こっちで別に好きな人ができて結婚するかも知れない可能性があるとしたら……
女は王子に質問しました。『あなたは私のいる世界に存在するの?』
王子は『いる。必ず会える』
そう答えてくれたものの、確証がないため女はいつも心配でした。
結婚して三年がたちました。前は一週間に二回は女の世界に来ていましたが、最近は二週間に一回あるかないか。あちらの世界に行っても仕事が忙しいからとなかなか会えません。
女は心配です。私に飽きて他の女のところにいるのだろうかと。遊び人だった王子を疑うのは当然です。
しかし女は王子を待ち、会えたその日は泣いて喜びます。
そうして、女は大人になりました。大人になっても、彼氏を作らず王子を待ちました。
周りが結婚を勧めてくる中、すべて断りひたすら待ちました。
ある時女に男が話し掛けてきました。女は気付きました。
王子だと。
男は謝りました。『待たせて悪かった。でもやっと一緒になることができる。』
『王子を待っていて良かった。やっと安心できた。』女は、待っていて良かったと心から思いました。
こうして二人は本当の意味で出逢うことができ、幸せに暮らし、二人が死ぬと、王子の世界で幸せに暮らして行きました。