13/12/22 04:50:13.13 cncHvuiu0
少年の暴走と世界破壊衝動といえば、「コインロッカーベイビーズ」もだけど
今見ると、華麗な文章と裏腹の「中身のなさ」を指摘したレビューが印象的
(アマゾンより一部引用)
>5つ星のうち 2.0 何かありそうで何もない小説, 2013/10/14
>とにかく奇をてらった場面が次々に現れるが、
>ただ作者の才能がほとばしるイメージを次々に見せつけられているだけ。
>でも話の展開の辻褄の合わないところや無駄なところが
>暴力によって片付けられてしまうのは、妙に現実的である。
>暴力は小説作品の欠陥をも暴力的に片付けていってしまう。
>この小説に価値があるとすれば、そこだろう。
>作者は暴力的な描写によって、
>作者の限界や怠慢をも暴力的にうやむやにしてしまうことができるのだ。
>それを知った、この小説で。
北朝鮮の若輩の指導者の暴走みたいなのもこんな感じ?という「現実の予測」になってる?
少年が呪術的に暴走する、その渦に狂信的に巻き込まれていく人々は既視感がある。
それは、「蠅の王」である。
何も説教くさい教訓がなければ小説の意味がないとまで言わないが、
「意味よりノリ」を重視した作品に文学賞の権威を与えるのには疑問が残る。
同じような少年の呪術的暴走が描かれていても、「蠅の王」は人間に潜む狂気を問いかけるが
「コインロッカー」は登場人物の思い込みと狂信に読者が同調できなければ楽しめない。
バブル期には新興宗教の教祖みたいな作品が評価されていたと改めて思う。
バブル期に膨張したのは自意識、
失われたのは「公共意識」「普遍性への意識」みたいなのもあるのかな。