13/04/06 19:27:21.55 53VTkOOh0
その場にとどまっても仕方ないと
言われた通り窪地に移動して一夜を過ごしました。
夜が明けて、とりあえず移動しようとすると
山の中から「鷹のような異形の男(口伝のまんま)」が
イノシシを担いで現れました。
驚いていると「姉者のお恵みじゃ。喰え」と言いました。
その声は昨晩、窪地を教えてくれた人影の声でした。
警戒しながらも腹をすかしていた一族は
有難く頂きました。
ご飯を食べてる間、「鷹のような男」は
長老たちに、どうしてここにやってきたのか
これからどこにいくのか聞いてきました。
今迄住んでいたところを追われたこと
行くあてはない、と答えました。
「鷹の男」は話を聞くと
「このまま山を下ると川にあたる。そのまま川沿いに下ると
大きな岩がある。その辺りは弟の縄張りだ。
話は通してあるからそこに集落を作るといい」
そういうと、いつの間にか居なくなっていました。
あれは山の神の使いに違いないと思ったご先祖様は
言われた通り川沿いにあった大岩の近くに集落を立てて
以降、大岩周辺にいる神様を「山裾さま」
山中で出会った「鷹の男」の神様を「山中さま」
「鷹の男」が言っていた「姉者」を「山上さま」
と、呼んで奉りました。
以上が、小さいころに聞かされた集落創立の昔話です。