13/04/06 18:54:24.73 53VTkOOh0
それでは御言葉に甘えて・・・
うちの一族はもともと九州南部の山間の小さい集落に住んでいた一族で
集落の名前(地名)=一族の苗字、集落全体が親戚って感じです。
そんなうちの一族に伝わる不思議な話です。
もともと別の土地に住んでいたらしいのですが
戦に追われ、一族郎党でその山に逃げ込みました。
着の身着のままで上は老人、下は乳飲み子で
食べるものもなくなり、山中で精も根も尽き果てて
あたりも暗くなり、もはやこれまでか…とみんな
諦めかけたそうです。
すると闇の中から人影が現れ言いました。
「こんな夜中に幼子を連れて山に居る輩がいるといわれて
様子を見に来たら、本当にいるとは驚いた」
地元の人間が警戒して偵察に来たと思った長老が
明日になればすぐに立ちさる
申し訳ないが見逃してくれ、と頼みました。
人影は、疲労困憊の一族を見回し、しばらく考えると
「ここでは夜露をしのぐには辛かろう。
あっちに窪地がある。そこで火を焚き暖を取るといい。」
そういうと山の中に去っていきました。
続きます