12/08/21 23:58:02.53 deIihyHl0
『一度は夢を叶えて都会に出たのに、両親の他界とともに
私はこの山村にまた戻るはめになった。
私は一生キイちゃんの面倒を見て過ごさなければならない。
もしもキイちゃんが居なくなれば、また夢を追いかけられる。
もしもキイちゃんがここで死ねば…。』
「キイちゃん…。ごめんね」
A子は涙を流しながらキイちゃんをそのまま置き去りにした。
姉が去っていく姿を、わけがわからず見つめるだけのキイちゃん。
やがて雨に体力を奪われて衰弱したキイちゃんは
朦朧とした意識でスケッチブックに絵を描いた。
姉が最後に残した『ごめんね』の口元の絵を。
その4枚の絵がキイちゃんの最期の作品になった。
神戸は言った。
「これが本当なら、あなたは保護責任者遺棄罪に問われます」
杉下が間に入るように言った。
「この絵だけでは物的証拠とならず、あなたを罪に問うのは
難しいでしょう。ですがあなたはキイちゃんという存在を
(ここでグッとくる重たい台詞があったんだが忘れた…スマン)」
それを聞いてA子は地面に崩れ落ちる。
そして運ばれていくキイちゃんの死体にすがりつくように
何度も何度も泣き叫んだ。
「キイちゃん、ごめんね、ごめんね、許して」
ここで杉下が意味ありげに空を見上げて終わり。