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アウターゾーンの一編
謎の美女ミザリィがストーリーテラーのオムニバス漫画で
基本ハッピーエンド・勧善懲悪ものなんだが、たまに後味悪い話がある。
その話の主人公はタクシー会社に就職したばかりの青年。
昔から運が悪い主人公だったが、彼が就職した矢先タクシー運転手を狙った連続強盗殺人事件が起こる。
怯える主人公に指導係である中年運転手は危険な客の見分け方をアドバイスする。
曰く「目的地をはっきり言わない」「目的地も言わずあちこち走らせる」
「人気のない場所で止めさせる」そしてその瞬間襲ってくると。
ある日主人公が夜遅くまで働き、そろそろ社に戻ろうかという時に
目付きの悪い、胡散臭い風貌の男が乗り込んでくる。
いったん乗車拒否したのに図々しく乗り込んできた男を不気味に思う主人公。
男は目的地を言わず「このまま真っすぐ走ってくれや」とだけ伝える。
先輩のアドバイスを思い返しギクリとするも主人公は男の言うがままにタクシーを走らせる。
その後男は道を思い出せないなどと言いながらあちこち走らせ
だんだん人気のない山道へと入っていってしまう。
そしてついに男は不気味な笑みを浮かべ「車酔いしたからここで降ろしてくれ」と声をかけてきた。
主人公はやはりこいつが連続殺人事件の犯人か!?と思い
止まったら殺される!と男の静止を無視してスピードをアップさせ山道を駆け抜ける。
後部座席から身を乗り出し無理矢理車を止めさせようとした男ともみ合いになり
車はガードレールにぶつかってしまう。
主人公が浅い気絶から目を覚ますと男は嘔吐してぶっ倒れていて
本当に気持ち悪かったのだと気が付く。
男が単なる客である事は良かったのだが、誰もこないような山道で事故を起こしてしまったので
主人公はいったん外に出る。
すると少し離れたところに同じ会社のタクシーが見え、番号から
それが先輩の車である事が分かる。
主人公は助けを求めて駆け寄るが、中で先輩は首を掻き切られ絶命していた。
ラスト、ミザリィが「今回ばかりは主人公はうまく他人に不幸を押しつける事が出来たようですね」
と読者に語り掛ける。
主人公は無事だったけど犯人は結局捕まってないし、親切な先輩が巻き込まれただけで気の毒だった。