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「獄門島」 横溝正史
瀬戸内海に浮かぶ獄門島。
その獄門島を仕切る鬼頭家は、本家と分家に別れ対立していた。
本家の息子である鬼頭千万太は、戦争から帰る途中、戦友・金田一耕助に手紙を託し
「俺が帰れなければ3人の妹が死ぬ」という言葉を残し死ぬ。
金田一は手紙を届けるためにひとり獄門島へ向かう。
同じ頃、獄門島では戦争物資として没収されていた神社の釣鐘が奇跡的に戻り、
千万太の従兄弟である一(ひとし)が戦地で生存していることが知らされた。
また、前主人である鬼頭嘉右衛門が死に、跡継ぎ問題のために千万太や一の帰還を待っているところだった。
金田一は寺に宿泊させてもらうことにし、部屋においてある俳句の屏風を目にする。
「むざんやな甲の下のきりぎりす」「一つ家に遊女も寝たり萩と月」
そしてもう一つ句が書いてあったが読めない。
その後3人の娘は、千万太の予言通り殺される。
1人は大木に逆さまに吊るされ
1人は釣鐘の中に押し込められて
1人は月夜の晩に、萩の花を散りばめて
金田一耕助は3人の娘が屏風の俳句通りに殺されていることに気づく。
そして、3人の娘は千万太の父・丑松と旅役者の女の間にできた子であったことも突き止める。