12/08/01 14:32:53.02 wnNu59Gg0
状況はどんどん悪化していく。
食料は残り一ヶ月分。助けは来ない。
追い詰められたような日々に、幼なじみが主人公に告白する。
自分はずっと主人公のことが好きだった、と。(注:男同士です、BL小説なので)
主人公は幼なじみのことを気味悪く思い、安心感を失う。
働けない主人公は、食料係の男に目をつけられ、数々の嫌がらせをされる。
明らかに狂った思想の持ち主である男を、主人公は疑い恐怖する。
三日前の殺人の犯人はこの男ではないのか。
そんな中、食料係が別の避難所であるデパートを襲撃しようとしていると聞く。
食糧不足を暴力によって解決しようというのだ。
それを妨害しようと主人公を含む数人が作戦を起こすが、主人公は見つかってしまい、殺されそうになる。
幼なじみが助けに来、主人公の目の前で食料係を殺害する。
ショックを受ける主人公に、幼なじみが言う。
自分は主人公の異父兄弟であり、何も知らない主人公をずっと憐れんでいたと。
主人公はここでは何の役にも立たない厄介者で、幼なじみが居なければ生きられない弱い存在である、
だが自分は決して見捨てない、ずっと駄目な人間である主人公が好きだったのだ。
主人公のためなら何でもできる、何しろ主人公のための菓子パン、あれは人を殺して奪ってきたものだから。
主人公は初めて気づく。メンバーを殺したのは、食料係ではなく幼なじみだったのだ。
だから、行為ぐらいは許して欲しい、と無理矢理犯されながら、主人公は幼なじみが化け物に変わってしまったと思う。
新たな食料係に任命された主人公は、食料係の苦悩を知る。
ラジオが鳴らず、雑音ばかりが聞こえることに、ここはうまくすれば中国の放送も入る地域だったのに、
とつぶやく仲間の言葉を聞きながら
主人公は、ひょっとして世界中が同じ状況なのかもしれないと思う。