12/07/21 13:45:42.42 DcVcd7DJ0
霊能職者だけど、首吊り屋敷の続きを書きたい。
ゴチャゴチャとして玄関から首吊り屋敷に入り、そのまま相談者の姉が首を吊っていた
二階の部屋に入る。天井を見上げると太い梁が交差していて、そこからロープを垂らし
首を吊ったようだ。
首吊り屋敷は外から見ると、少し古いが普通の二階建ての一軒家に見えるので、
梁がむき出しになっている様子は少し変な気がした。
僕の家の近くにある一軒家だが、僕の住んでいる地域はどちからと言えば都心部だ。
昭和初期の建物は無い。
とにかくこの首吊り屋敷で二人の人間が自殺して、その後ここを調査した一人の人間が
別の場所で飛び降り自殺している「いわくつき」であることは確かである。
異なる時期に異なる人間が異なる原因で自殺している。
尚且つ二人目以降の自殺者は、自然発生的事故でなく負の霊圧に飲み込まれて死亡している。
負の霊圧を増幅させる二つの条件を満たしているのだ。
外を見ると雨が降っていた。梅雨が明けたと思ったらまた雨が降る。この繰り返しである。
お盆も近い。外部的要因も僕にとって不利な方向へ働いていた。
夏の夜に雨音を聞きながら、梁がむき出しになっている畳の部屋、それも人が三人も自殺した
首吊り屋敷に立っていると、奇妙な感覚に包まれる。
それは夜の海に一人で浮かんでいるような感覚である。
「あの・・・?」
その時、僕の様子が変だと思ったのか、相談者が僕に声を投げかけた。
(続く)