12/05/02 02:15:45.95 qYnmNolG0
>>557
「これは既に決めたことだが、俺は救出する」 堺は柔らかい物腰で口にしているが、その固い意志は瞳からも感じ取れた。
「(そういえば、この人の家族はどうなったんだろう。 やはりゾンビ災害で既に死んでしまったのだろうか)」
珍しく、佐藤が堺に食って掛からない。 普段なら、弾薬は全員の持ち物だから勝手には使わせないとでも言い出すところだ。
「キミのような筋肉頭でも、この救出の意味するところぐらいは分かってるようだね」 田中が嘲る。
踵を返す佐藤を中村が制止した。
「実は、私も彼女たちを救出しようと考えてました。 もちろん堺さんにも何も相談はしてません」 原が打ち明ける。
「原さん・・・」
「原さんも堺さんも抜けるの?」 毛利の表情が曇る。
「その必要はない。 俺の他に2名の攻撃担当。 1名の救出担当。 計3名の追加で実行可能だよ」 と再び田中。
「3名か・・・」
「但し、成功の暁には、僕に仮眠室を寝床として使わせることが条件。 それと救出作戦の指揮は僕が取る」
「手前ぇ・・・ 図に乗んなよ!!!」 佐藤が堪え切れずブチ切れた。
田中はナイフを抜いて通路に出る。
「どうした?来いよ。 死にたいんだろ?」 田中の握る両手のナイフが妖しく光を放つ。
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堺は田中の握りに息を呑んだ。