12/04/10 21:45:02.24 Th/nyWGz0
>>208
建物で男子が囮になっている間は、ゾンビの大群が戻ってくることはないだろう。
堺は一番先頭でペースを抑えながら走り、囚人、原、川上、生徒たちが続く。
ゾンビ3体は、まだ彼らに気付いてない。
建物の正面側に出る手前で、隊列を停め、堺が一人でゾンビに近づく。
振り向いたゾンビの視界にフォークが飛び込んで来た次の瞬間、景色が傾き、見下ろす人間が踏み付ける。
ゾンビの顔面からフォークを抜き、手招きして隊列を動かす。
足早に2体目のゾンビに駆け寄ると、後ろから生徒の叫びが上がった。
駐車場の放置車の間から、ゾンビが現れたのだ。
「いゃぁッ」 女生徒たちが逃げだし、隊列が一気に崩れる。
「くそぉッ」 男子がデッキブラシの柄で突き込むと、柄はゾンビの身体に深く突き刺さった。
というよりも、ズヴズヴと飲み込まれたと表現すべきかもしれない。
刺さった柄をものともせずゾンビは襲い掛かって来るので、男子生徒はデッキブラシを手放してしまった。
堺は、2体目のゾンビを仕留め損ない、フォークをゾンビに掴まれて振り回されそうになっている。
剣鉈を抜いて、フォークを掴んでいる指に振り下ろす。
ゾンビの指がバラバラっと足元に転がり、フォークを取り戻せた。