12/03/29 23:57:09.95 nSpdPGy40
>>96
さっきの少年が、施設を案内すると言う。
エントランスのガラス面から見えない区画を寝床に、銀色の断熱マットと毛布の寝具が敷いてある。
水道とガスが生きているので、トイレは比較的清潔な状態だ。
女子トイレで、生徒が一人具合悪そうにしている。 吐こうとするが、空腹で吐き出せる物すらない。
「あの子、感染したのか?」
「え? あぁ・・・ ちょっと待ってて下さい」
工藤と名乗った少年は、女子トイレの彼女の背をさすりながら話し掛けているが、堺には聞き取れなかった。
戻って来て説明する。
「感染じゃないんです。 彼女が教えても良いと言ってくれたので打ち明けますが、妊娠16週目です」
「・・・妊娠。 子供の父親は」
「ここに辿り着くまでにやられました・・・ 彼女を守って」
「そうか」