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本家の洒落怖を読むといろいろと奇妙な地方の風習が出てきますが、
わたしも子どもの頃に土地神への捧げものとなった体験があります。そのときのことを書いてみます。
わたしの住んでいた所は今は合併で市の一部になりましたが、
約三十年前の当時からすでに過疎の進んだ山村でした。
秋祭りにしては遅い十月の初めに「おさっしゃ」と呼ばれるお祭りがありました。これは漢字にすると
どの字を当てるのか未だにわかりません。これが正式な名前なのですが、村の大人達は里にいるときには
このお祭りのことを「おかえし」とも呼んでいました。
里からやや外れた山中まで四百段ほどの丸木を据えた山道が続き、古いお社があります。
そこは二間四方ばかりの小さな社殿一つだけで、ここ何十年も改築などされておらず、
柱などはそうとうに傷んでいました。ご神体は社内にはなく背後の深い山々がご神体そのものであるようでした。
当然、神職も常駐してはいません。社の前は草木が刈られて小さな広間となっておりましたが、
そこに神職はじめ村の主立った者が集まって土地神へ捧げるお祭りをとり行うのです。