12/02/12 01:17:21.11 XZV5R6Ag0
高校に入学した初日に、一人ずつわざわざ教壇に立って自己紹介させられた。
その時初めて会った人の中に寺田という女子がいたのだが、
自己紹介中に俺と目があってショックを受けたように固まり、
気を取り直して無難に話をまとめているようだった。
俺は「?」となったが気のせいだと思い直した。
俺が自己紹介する番になって教室を見渡すと寺田と再び目が合い、食い入るように睨まれている。
気味が悪くなって早々に自己紹介を切り上げた。
初日を無事に終え帰宅の準備をしていると寺田が俺の前にやってきた。
「あたしのこと覚えてる?」
「??? 寺田さんだっけ?」
「違うよ。」
「あっ、ごめん。名前を間違えたかな?」
「名前のことじゃないよ。本当に覚えてないの?」
「えっ? でもキミとは今日初めてあったんじゃない?」
「そうか、あたしのこと覚えてないんだ。あの時の約束も…。」
「あの時の約束?」
「そう、生まれ変わっても、きっとまたお前を見つけだしてやるって言ってたのに…。」
「生まれ変わっても…??? ごめん意味が分からないや。」
正直これほどほんのり怖かったことはない。
だけどなんとなく見覚えがあるような気がしなくもなかった。
今から数十年前の話だ。