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週刊女性増刊『礼宮さま紀子さま青春華燭』
<川嶋家の家庭教育 紀子さまを育てたテレビのない家庭>
■テレビが好きだった父・辰彦さんが自戒を込めて一大決心
川嶋家にはテレビがないー。
これはあまりにも有名な話。かつて、テレビの有無が家庭の裕福さを示すバロメーター
になっていたが、今日では、あえてテレビを置かないところに、主体性とともに優雅ささえも感じられる。
「うちは教育面を考えて、テレビは置いてないのよ」
紀子さまは学習院の同級生や友人によくそう話されていたが、弟の舟さんにいわせると、
多少ニュアンスが違ってくる。
「うちのテレビは押入れの中に置いてあるんだ」
と、友人にもらしていたという。
母・和代さんは、その理由を、やはり「教育的配慮から」と熱弁されていたが、本当の
“テレビ追放”の理由は、意外にも父・辰彦さんにあったようだ。
「私はテレビが大好きなんです。だから、テレビを見始めたら途中ではやめられない。
時間がとってももったいない。短い人生なのだから、テレビに大事な時間をとられず、
また、テレビに自分を縛られることなく、主体性を持って行動したい。本をたくさん読んだり、
音楽を聴く時間を失いたくない。もちろん、子供たちにもたくさんの本を読ませたい…」
辰彦さんの一大決心だったが、紀子さまも舟さんも、その“テレビのない生活”に、
不満をもらされることはなかった。
その紀子さまが、新聞が<ご婚約固まる>という報道をした昨年8月26日以降、報道陣に囲まれ、
自宅を容易に出られなくなったことから、初めて、
「テレビが見たいわ」
と口にされた。友人に電話で話した言葉で、自分がどのように取り沙汰されているのか
お知りになりたかったようである。
ともあれ、辰彦さんの一大決心はしっかりとした教育方針を形づくっていった。
「私どもは精神の自由、主体性、創造性を重きを置く教育をしてまいりました。しかし、
帰結に対しては自らの責任で甘受できる器となるような教育をしてまいりました」