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朝日新聞血風録
本書は、ソ連、中国、北朝鮮への迎合報道が社内にはびこる中、本当の言論の自由を守るために
孤立無援で闘った元朝日新聞記者による痛憤の手記である。
本書は全四部からなる。全編、朝日新聞がいかに偏向しているか、そして、その偏向
を是正しようとする社内の声がいかに弾圧されてきたか、という点が強調されてい
る。後者に関しては、稲垣武自身、中国の文革報道では言論弾圧に等しい仕打ちを受
け、朝日の旧ソ連報道を事実上批判する内容を掲載したために、週刊朝日のデスクを
更迭された、などという体験が告白されている。
◇第三部 塗りつぶされた「戦争協力研究」
なぜ朝日は自らの過ちを認めたがらないのか。一種のエリート主義があるからではな
いかと稲垣武は分析する。大衆から自分たちを一段高みに置いてそれを領導する立場
を標榜しているため、過ちを認めればたちまち権威を失墜するという恐怖に駆られて
いるのである。
◇第四部 「風にそよぐ葦」たちの迎合病
北朝鮮偏向報道、サンゴ落書捏造事件、声欄など、これまで触れてこなかった問題が
扱われる。共産圏や不特定多数の弱者に迎合するという朝日の傾向が明らかになる。
稲垣武は結論として、戦中、右のファシズムの奈落に落ちたから左にハンドルを切
り、左翼全体主義に陥ったのが朝日新聞ではないか、と指摘し、バランスのとれた報
道を求める。
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