10/10/17 18:21:27 wMhptkcf
当日の朝、自動車学校までは谷嶋さんはいつものようにタクシーを自宅に呼んで向かっているが、帰りは利用していない。
また学校近くの停留場からも、帰路としてバスには乗っていないことが警察の調べでわかっている。
Kさんは学校から帰る途中に何者かの車に乗せられ、自宅以外の場所で殺され、再び車に乗せられて山林に捨てられた、という線が濃厚になった。
遺体が遺棄されていた現場からは、あらためて靴跡やタイヤ痕などが発見され、それも捜査の対象となった。
遺体が放置されていた斜面の3ヵ所に、25から28センチぐらいの靴の跡があり、底面は平らな靴跡である。3ヵ所のうち1ヵ所は、斜面を滑った跡であった。
また、近くに乗用車と軽トラックのタイヤ痕も見つかったが、最後まで捜査の決め手とはならなかった。
警察も血眼で捜査を行った。
死体遺棄現場近くで850戸、谷嶋さんのアパート近くで560戸、谷嶋さんの交友関係からは約250人、勤務先の関係者からはおよそ650人もの人々から聞き込み調査を行い、被害者の足取り調査を行ったが、最後まで難航した。
当初は交友関係のもつれによる犯行と踏んで、早い解決が予想されたのだが、暴走族、変質者の犯行の可能性も浮上、結局、今現在、容疑者に結びつく有力な情報、手がかりは得られていないようだ。
痛恨の極みとはこのことか。やはり未解決事件は後々まで答える。法医学の現場を離れてからも、忘れることはないだろう。
罪のない若い女性が殺され、犯人は今もなお、のうのうと市民生活を過ごしながら捕まってはいないのだ。
無念な事件であった。
おわり。