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よっちゃんがツイッターに書いてる話、社長もやっぱ印象深かったようで
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男女３人組グループ「いきものがかり」のベストアルバム「いきものばかり」が、出荷１５０万枚に迫るヒットとなっている。
グループを発掘し約８年間、育て上げてきたのが所属事務所「キューブ」の北牧裕幸社長（５１）だ。
「いきもの」との出会いは、デビュー３年前の０３年６月。神奈川・厚木のライブハウスからマネジャーが持ち帰った一枚の自主制作版だ。
「ＣＤに入っていた『ノスタルジア』を車内で聴くたび、自然と涙が出た。いい歌を歌うな、この子たちと絶対やりたい、と思った」
女性ボーカル・吉岡聖恵の歌唱力と、水野良樹、山下穂尊の曲作りの才能に引かれた。当時、水野と山下は大学生。
徐々に関係を築き、０４年４月に契約を結ぶ。
「『自分たちの何が良くて契約してもらえるんですか？』と聞いてきた。『力が足りない』と客観視できる賢さがあり、
それはトップに立つ人が共通に持つ能力」と指摘する。
レコード会社は、ＤＲＥＡＭＳ ＣＯＭＥ ＴＲＵＥら女性ボーカルの売り出しに実績があった「エピックレコード」に照準を定めた。
「いきもの」が出演するパーティーに同社重役を招き、お墨付きをもらった。
０６年３月にデビュー。契約から費やした２年弱の期間が、今の「いきもの」を形作る礎だ。
「演奏力や楽曲はプロのレベルになく、デビューできるか危ぶんだ」。水野と山下は、ノイローゼになるほど何十もの曲を書き、吉岡は深夜まで歌の特訓を積んだ。
デビュー曲の「ＳＡＫＵＲＡ」がＮＴＴ東日本のＣＭソングとして、
日本が優勝した第１回ワールド・ベースボール・クラシックの放送で流れ、多くの人が耳にする幸運もあった。
「常々言っているのは『売れてる音楽がいい音楽とは限らない。いい音楽なら必ず売れる。だからいい音楽をつくろうよ』と。
感動は年齢性別に関係なく伝わり広がるもの」。その通りに老若男女のファンを獲得し、ミリオンセールスにつなげた。
デビュー前の公演後、思い描く将来像をメンバーに話した。
「『月とあたしと冷蔵庫』で（日本）武道館の天井から風船が落ちてくる絵が見える、と。武道館まではいけると思い描いた」。
昨年の武道館公演。メンバーは風船を降らせ、社長の当時の思いを実現させた。
現在、メンバーは７月の横浜スタジアム公演と新作の制作活動中。２０年、３０年先までトップに座り続けることが目標だ。
「彼らの歌を東アジアの国々の方に聴いてもらえる環境を作れれば」。北牧社長は新たな夢を抱いている。
◆北牧 裕幸（きたまき・ひろゆき）１９５９年７月８日、新潟県長岡市生まれ。５１歳。
８４年、早大大学院国語国文学専攻科修了。同年、キャニオンレコード（現ポニーキャニオン）入社。
制作部ディレクターとして、いとうせいこう、子供ばんどらを手がける。
９７年（株）キューブを設立し、代表取締役社長に就任。藤木直人、古田新太、生瀬勝久、中越典子らが所属。
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