■■アイドルマスター いじめ・虐待専用 12■■ at MOTENAI
■■アイドルマスター いじめ・虐待専用 12■■ - 暇つぶし2ch459:('A`)
12/08/17 14:25:35.87 0
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不意に春香の携帯電話が鳴ったのは、食材の買い出しのためにスーパーの店内を歩いている時だった。
千早からのメール。
千早はめったにメールを打たない。機械が苦手な彼女には、メールを作成するのも一苦労なのだ。
そんな千早が電話ではなくあえてメールで連絡してきたのは、電話では居留守を使われることを分かっているから。
居留守を使うような相手に、それでも連絡してきたのは、何かどうしても伝えたい用件があるから。
しばし「千早ちゃん」の文字が流れる背面ディスプレイと向き合い、目を閉じて小さく息を吐いてから、春香はメールを開いた。

―3日前から美希の様子がおかしい。上手く言えないけれど、心がどこかへ行ってしまったようにぼーっとしていて、それでいて情緒がすごく不安定。
歌にもダンスにも実が入らず、今日は事務所にも来ないで美希の仕事は全部キャンセルか延期。
もし美希のことで何か知っていたら、なんでもいいから教えてほしい。そして、春香にももう一度事務所へ出てきてほしい。
プロデューサーのことは私も悲しいけれど、せいいっぱい春香の力になりたいと思ってる。

「千早ちゃん……」
嬉しかった。力になりたいと言ってもらえて。
気づけば右手の親指はメールの返信画面を開いて、事の顛末を2,3行書き始めていた。
でも。
もし……理解してもらえなかったら?
春香、苦しかったのね……って、やさしい言葉をかけてもらえなかったら?
もし、美希みたいに―
息が詰まり、胸が締め上げられるのを感じて、その場にうずくまる。
「春香が死んじゃえ」 あの時美希は本気でそう言った。かけがえのない友達だと信じていた人から、そんなふうに拒絶されたことなど、今までになかった。

もし、千早ちゃんにまで、美希みたいな目で拒絶されたら、わたしはどうしていいかわからない。
「……千早ちゃん、オカルトとか苦手そうだもんね……」
そう、千早ちゃんは一番の友達。わたしの大切な友達。
ただ、こういう問題を相談するにはもっと向いてる人がいるはずだから。それだけ。
「千早ちゃん、怖がらせちゃいけないもんね……。そうだよね……」
書きかけのメールを破棄し、千早からのメールも削除した。
スーパーの暖房は控えめだったが、春香の額にはほのかに汗が浮かんでいた。


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