13/08/27 07:42:30.24 Yy/o3BaT
俺のおふくろは俺が中2の時自殺した。
焼身自殺だった。
その様は無残なんてもんじゃなかった。消防の人から「子供は見るな!」と言われたが、病死のように仰向けで亡くなってるわけではない。
むしろ一枚被せられただけの状態で、見るなも何もあったもんじゃない、嫌でも目に入った。
完全にそれは元母親でなく、炭化してる部分、生焼けの部分、真っ黒でのっぺらぼうな、ポカーンと口だけが開いた顔・・・。
もはや物体だった。ショックを通り越して涙も出なかった。
それから3年ほどして親父がアル依になった。
来る日も来る日も一升瓶を空け、やがて肝硬変・食道静脈瘤破裂・糖尿病と患いながらも、頑なに医者に行くのを拒んで酒を飲み続けた。
やがてしょっちょう血ヘドを吐くようになり、それが当分続いた。
俺が23歳のある日の朝、親父がビールを買ってきてくれと言った。
それを飲み終えて
「人生で一番美味いビールだった」と言い、救急車を呼んでくれと自分から言った。
もう悟っていたんだろう。その夜亡くなった。
親父は元々酒乱で、おふくろをしょっちゅう殴る蹴るしてた。食器の割れる音なんて日常茶飯事だった。
その度、おふくろは朝まで裏山に隠れていたり、親父が自営してた工場に逃げた。
朝には何事も無かったかのように朝食の支度をしていた。
それが俺の中学時代の日常だった。
だからその日も工場にいる事は知っていた。しかしいつものように朝には帰ってるだろうと、探しにも呼びにも行かなかった。
結局おふくろが帰ってくる事は永遠に無かった。
親父も自責の念に駆られ、酒を浴びるように飲み、病気になるのを待ち望んでいたのではないかと今では思える。
生きる事を放棄し、おふくろの元に詫びる為早く旅立ちたかったんだろう。
事実がわからない部分等多々ある。でもそう思う事にしている。
おふくろも親父も救う事も、心情を理解してやる事もできなかった俺。
写経の真似事のような事をし、一筆々々に後悔と懺悔を刻み込んでいる。