12/08/28 12:08:07.50 VADenk2x
>>91
その著書は読んだことはありません。
ですが、その読者の感想および、
DSM診断そのものについて知識を得てきたところであります。
その著書の「まえがき」は次のようなものだそうです。
「アメリカ精神医学会(APA)の権威あるマニュアルとして、
DSMは精神科の病気を定義し、分類し、記述してきた。
それは、ありふれた精神医学書などとは比較にならない存在なのである。
DSMは、社会的価値観と、政治的妥協と、科学的証拠と、
そして保険請求用の病名のごった煮が入った大鍋である。
本書では、この影響力の強いマニュアルがどのように開発され発展してきたか、
診断というものがどのように創られ、また捨てられてきたか、
そしてそれがどのように利用され、あるいは誤用されてきたか、を述べてゆくつもりである。」
DSMの問題点として、「あくまでも症状、あるいは患者との問診で診断が行われているため、
例えば手引きを読んで症状を偽られる詐病との区別がつかないと言う意味では科学的な根拠は無い」
ということが挙げられているそうです。確かに、
「日米などで精神科医による精神鑑定結果や診断名が異なることは往々にしてあり、
誤診や患者の詐病もある」ことは事実です。しかしながら、
「脳解析学や脳神経科学等はいまだに初期の段階であり、脳内の物理現象がどのように
心理的現象として具現化するかは因果関係はいまだはっきりしていないことが多い。」
ことも事実であり、DSMにある程度は頼らざるを得ないというところが現状でしょう。
脳解析学や脳神経科学等の進展についても、医療関係者の方々が最大限の努力をもって
取り組んでおられることと存じます。今後は、そういった研究者の方々と、現場の医療関係者の方々の
緊密なる連携が欠かすことが出来ない、というのが僭越ながら個人的な見解であります。
2013年、新たなDSMが発表されるようです。次回の改定では、
政治的要素を極力排除し、真に患者様の利益にかなうものとなりますよう、願う次第です。