12/11/04 17:42:34.65 cyjJjpax
>>546 文献から引用です。
12.3.1 凍死のリスク・ファクター
低気温:気温が低いほど凍死しやすい。最低気温が10℃以下であれば他の条件によっては危険である。沖縄県においても凍死例が報告されているし,北東北・北海道では夏期を除いては凍死が起こりうると考えるのが無難である。
大気の流れ:風速が速い場合や風通しがいい場所では熱の放散が促進される。
着衣等:薄着であれば凍死しやすい。コンクリートなど熱を奪う物質に接触している場合もリスクは増大する。
湿潤環境:身体・着衣・周囲の構造物が濡れている場合は熱の放散が促進される。
年齢:高齢者・小児,また病人は凍死しやすい。寒冷に対する不慣れもリスクファクターとして無視できない。
空腹・低栄養:熱産生が減少するため。
疲労:体温調節機能の障害を生じやすい。
飲酒:偶発的に生ずる凍死においては,飲酒による酩酊がもっとも重大な原因といってよい。これは血管拡張による熱放散の促進,体温調節機能の障害というだけでなく,酩酊に伴う行動(屋外で寝込む,水たまりで転倒して濡れる等)が凍死のリスクを増大させるからである。
頭部外傷:意識障害等が誘因となる。
虐待:小児・高齢者等において,放置され遺棄された場合。ネグレクトの死因として無視できない。
12.3.2 凍冱の過程
体温が35℃以下になると,戦慄や代謝亢進により熱産生を高め,皮膚血管収縮により熱放散を抑制することにより,体温低下を阻止しようとする。
失調期(33℃前後):感覚障害や運動機能の障害が起こる。
麻痺期:32~33℃から自律神経系の麻痺が始まり機能が低下し, 32℃以下になると戦慄は止まり,意識障害,感覚鈍麻,幻覚等の中枢神経障害が見られるようになる。
虚脱期(30℃前後):意識は失われ,心房細動などの不整脈が出現する。
生命臨界点は26~30℃。