ストーリーを教えてもらうスレ part66at GSALOON
ストーリーを教えてもらうスレ part66 - 暇つぶし2ch2:ゲーム好き名無しさん
13/08/18 10:33:14.97 NVH91tIK0
ストーリーを読む・リクエストする方へのお願い。

・リクエストの際は、正確なタイトルとハード名を付記して下さい。
・まとめWikiで既に書かれていないか、既にリクエストされていないか調べてからリクしましょう。
・リク主は依頼したストーリーが書かれたら、書き手に感謝の意を伝えましょう。
・過度のクレクレはスルーや批判の対象になります。気をつけましょう。
・手の空いた方はwiki編集などでスレに貢献しましょう。

ストーリーを書いてくれる方へのお願い。

・外部サイトからの無断転載は禁止です。もし外部サイトの管理人の方から許可を得て転載する場合でも、
 許可を得たという事を証明し、さらにそのサイトからの転載であると言うことを明記してください。
・要望に出ているゲームのストーリーはどんどん書いて下さい。 
 要望に出ていないゲームでも書きたいと思ったら遠慮せずに書いて頂けると読み手が喜びます。
・すでにwikiに載っているストーリーの補足も書いて頂いて結構です。
・この板は一般板なので18禁のゲームのストーリーの要望、紹介はご遠慮下さい。
・名前欄に作品名を入れてもらえると、まとめやすくありがたいです。
・時間を置いて数回に分けて投稿する際には、最後に「続く」と御書き下さい。
 そうする事でストーリーの投稿の混交を防げます。
・発売して半年以内の新作について語る際は名前欄に
 タイトルと新作ネタバレ用の共有トリップの #新作ネタ をつけて下さい。
・これを書こう、と思われた際は「○○○○を書きたい」と意志表明し、予約していただけると、
 投稿の重複が防げて大変ありがたいです。
 また、書くのはよそう、と思われた時には面倒でも予約の取り消しを御願いします。
・勝手ながら、予約から1ヶ月以上経ったものは予約無効とさせて頂きます。
 同じく、最終投稿から3ヶ月経ったものも権利失効とさせて頂きます。
 都合により取り消しが出来ない場合の長期間にわたる放置を防ぐ為です。

3:ゲーム好き名無しさん
13/08/18 10:33:49.65 NVH91tIK0
関連スレ
(漫画サロン板)
ストーリーを教えてもらうスレ まとめ Wiki*
URLリンク(wikiwiki.jp)

(ライトノベル板)
ライトノベル@2ch掲示板 ストーリーを教えてもらうスレ まとめWiki
URLリンク(www44.atwiki.jp)

(女向ゲーム一般板)
ストーリーを教えてもらうスレin女向ゲ一般板
スレリンク(ggirl板)l50

(エロゲネタ板)18才以上の方のみ!
エロゲのストーリーを教えてもらうスレまとめwiki Ver.2.0
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

(女向けゲーム大人板) 18才以上の方のみ!
BL@【やるのが】ストーリーを教えてもらうスレ 3【面倒】
スレリンク(gboy板)l50
乙女@【一つ】ストーリーを教えてもらうスレ【よろしく】
スレリンク(gboy板)l50

[以下本スレdat落ち]
(ギャルゲー板)
ギャルゲーのストーリーを教えてもらうスレ まとめWiki
URLリンク(ponkotsu.r.ribbon.to)
(アニメサロン板)
ストーリーを教えてもらうスレ まとめ
URLリンク(cabin.jp)

4:ゲーム好き名無しさん
13/08/18 10:34:31.39 NVH91tIK0
ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wiki - 未解決一覧
URLリンク(www8.atwiki.jp)

(これまで、ここには未解決リストの内容すべてを転載することになっていましたが、
未解決リストの容量が大きくなってきたためかなりの連続投稿を要してしまいます。
2chの書き込みシステムに「忍法帖」が導入された関係もあり、連続投稿が難しいため
代わりに、上記のようにWikiの未解決リストページへのリンクを貼ることで
代用させていただきます。)


前スレの容量が一杯になって書き込めなくなるまでは、なるべく前スレを優先して使用してください。

テンプレ以上

5:ゲーム好き名無しさん
13/08/18 17:06:34.25 lMxsguSO0
>>1 スレ立て乙です。
CALLING~黒き着信~の続きを書きます。

6:CALLING~黒き着信~
13/08/18 17:08:23.56 lMxsguSO0
 ほら、ここから入れそうだ。
 待てよ。マジで入るの? これって不法侵入にならない?
 なんだよ。怖いのか?
 バカ。怪我してもしらねぇゾ。
 ちょっと写真撮るだけだって。こんな身近に雰囲気のイイ廃墟があるんだし。取り壊される前に記録しておかないと。
 ここってアレだよな。5年前の……。
 そう。入院患者や病院関係者が連続して死んだあの事件の。
 結局、あの事件で死んだ人の死因ってナゾのままで終ったんじゃ?
 院内感染とか言われてたけど……『呪い』って話もある。
 ウソっ。マジで……?
 
●哭ノ章 コクノショウ  神楽凛

神楽「日比野鏡子……この名前、どこかで……」
 神楽は日比野鏡子のハガキに書いてあった電話番号で、転移する。
 
 病院。手に持っていた蝋燭の火が消える。テレビの下からコール。携帯電話を入手。通話する。
日比野『あの子を……あの子を助けたかった……』
 振り向くと、看護婦の幽霊(日比野鏡子)が部屋から出ていっていた。出ると看護婦が廊下を歩いて行くので追いかける。
 ナースステーションで看護婦が両手で目を覆っている、看護婦が消えた所で日比野の日記を入手。
「4月1日
 担当の患者さんに挨拶してきました。名前は、朝霧麗子ちゃん。
 受け答えはきちんとしてくれたけど、なんだかとても静かで内向的な印象。
 入院してるほかの子供ともうまく馴染めていないみたい。緊張してるのかな。
 麗子ちゃんが毎日楽しく笑って過ごせるようにがんばろう」
 看護婦と麗子が並んで笑顔の写真。今まであった幽霊の少女が、朝霧麗子である事を神楽は知る。
 部屋を出ようとすると自転車に乗ったピエロの人形が走ってきて止まる。
 廊下を歩いていると朝霧麗子が現れる。
朝霧「みんな私をおいて、どこかに言ってしまうの……、暗い闇の中で独りぼっちなの……、寂しいよ……」
 朝霧麗子と戦闘。ただひたすら回避して逃げる。画面が真っ赤な時は一撃死。一定時間逃げると消える。
 204号室で録音再生。岸辺道人と朝霧麗子の会話。
道人「おや、れいこちゃん。今日は顔色がいいねぇ?」
朝霧「さっきね、チャットの友達がここまで来てくれるって約束したの、……まだ先の事なんだけど、待ち遠しいな」
道人「ほう。それは楽しみだ。でも、会う時にはもっと元気にならんとな」
朝霧「うん。じゃあね、おじいちゃん」
 廊下に置いてあった車椅子の上のラジオカセットから、電池を抜き取る。背後に日比野さんが登場。
日比野「あの子を……あの子を助けたかった……」
 その後、202号室で日比野の日記2を入手。
「6月19日
 お見舞いに来ていたお母さんが麗子ちゃんに携帯電話を渡していました。
 この病院では談話室での携帯電話の使用を許可しています。
 このご時世、病院とはいえ携帯くらいは使えないといけないみたいです。
 これから更に仕事が忙しくなるそうで、これまでの様にお見舞いに来れない分、
 せめて声だけでもいつでも届くようにとおっしゃっていました。
 ためしにと電話をかけてお母さんとお話しする麗子ちゃんは、
 びっくりするくらい生き生きとしていて、素敵な笑顔だったな」

7:CALLING~黒き着信~
13/08/18 17:09:45.73 lMxsguSO0
 手術室で日比野の日記3を入手。
「9月12日
 麗子ちゃんが楽しそうにしているのを見ました。
 何かあったのかなと思って聞いてみたら携帯でチャットしているみたい。
 なんでも待合室においてある雑誌にそういった記事があったとか。
 解放された談話室から鼻歌が聞こえてくるくらい。
 ふと気付くと、私の携帯にメールが届いていました。麗子ちゃんからでした。
 近くにいるのにわざわざメールしてくるなんて。よっぽど携帯が気に入ったのかな。
 今の麗子ちゃんにとっては、唯一、外の世界と繋がる事のできる手段なのかもしれない」
 204号室で日比野の日記4を入手。
「11月17日
 今日、病室に行くとひびの入った携帯電話が床に転がっていました。
 このところ、お母さんに電話をしても留守番電話が多く、たまに繋がっても結局その事で言い争いになって、
 つい頭にきて携帯電話を床に投げつけちゃったみたい。
 でも、きっと麗子ちゃんは後悔してる。お母さんは仕事で忙しいんだって、ちゃんとわかってるから。
 麗子ちゃんに病院の固定電話を使わせてあげられないか師長に相談してみると、快く了承してくれました。
 さすがにいつでも、というわけにはいかないので、消灯時間前の20分という条件付き。
 チャットは談話室のパソコンでも出来るから、明日にでも使い方を教えてあげよう」
神楽「この子……一体どのくらい入院していたのだろう。長い入院の末に……やっぱり……」
 食堂で日比野の日記5を入手。
「12月19日
 相変わらず、麗子ちゃんのお母さんから電話はほとんどありません。
 こちらからかけても、めったに出る事はないみたい。いつも留守番電話ばかり。
 倒れたりしていなければいいけれど。
 お母さんからの電話が来ているときは麗子ちゃんの体調も安定して、
 外科手術に取り掛かれるほどになるかもしれないと期待されていたのに。
 最近はずっと沈みっぱなしでまるで初めて会った時のよう。
 時間があくたびに麗子ちゃんの所へ行くけれど、やっぱり寂しそう。
 なんとか元気にしてあげたいのにな。」
神楽「あの看護師さん、ずっとあの子を見守ってきたんだ……霊になってもまだ、その気持ちを持ち続けているんだ……」
 食堂でノイズを録音、再生する。
道人「あぁれいこちゃん。こっちにおいで。」
朝霧「……岸辺のおじいちゃん。」
道人「紹介しようか……私の奥さんだ。」
朝霧「こんにちは。朝霧麗子です。」
千代「こんにちは。岸部千代です。いろいろ話はきいてるわよ……」
道人「れいこちゃんはスゴイんだ。私のパソコンの先生だぞ。」
千代「あら、そうなの……? 私も教えてもらおうかな。」
道人「何を図々しく……お前はタケシに教えてもらえばいいじゃないか。」
朝霧「隣の談話室にパソコンあるの。メールとかチャットができるから遠くの友達ともお話ができて楽しいの。」

8:CALLING~黒き着信~
13/08/18 17:10:50.16 lMxsguSO0
 301号室で日比野の日記6を入手。
「3月14日
 麗子ちゃんの手術から1週間。経過が思わしくない。
 手術自体には問題はなかったはず。なのに症状の改善は全く見られない。
 むしろ、手術で体力を消耗してしまい術前より悪い状態だ。
 情緒不安定になりがちで食事も受け付けないようになってしまっている。
 ついさっきまで私に顔を押し付けて1時間も泣きじゃくっていた。
 いまは静かに寝ているけれど少し腫れているまぶたが痛ましい。なだめる事しかできないなんて歯がゆくて仕方ない。
 最近はチャットを見に行く回数も減っているみたい。
 どうしたんだろう。今度、時間がある時に私ものぞいてみようかな。」
神楽「日記を読むと、あの看護師さんの想いが流れ込んでくる。私に、何かを伝えようとしてる……」
 黒猫がいたので着いて行くと302号室に入って行ったので、開けると境界の狭間に落ちそうになる。
 ナースステーションの黒電話が鳴る。
「救急隊からの受け容れ要請あり。受け入れる事になりました。1階で受け容れ準備お願いします。」
神楽「1階? 1階に行く必要性が……? でもどうやって……」1階への道は閉じられていて、行く事が出来ない。
 すると日比野鏡子の幽霊が後ろに立っていて、消える。足元に名刺が落ちていた。
 黒宮病院院長 黒宮芳夫 997-447-619。
 電話して院長室に飛ぶ。机の引き出しを引いて携帯電話を取ると、院長の霊が襲い掛かってきて退ける。
 廊下への扉が開いたので廊下に出る。処置室の前でノイズがあり録音して聞く。
「左下肢、骨折の可能性大です。左脇腹に打撲痕。痛みがある様です。頭も強打している様ですが意識はあります。」
「しっかりしてください! 私の声、聞こえますか!」
 そして神楽凛は子供のころを思い出す。トラックにはねられて、運ばれた病院。
神楽「この病院……そうか、あの交通事故の時、運び込まれたのはここだったんだ……」

 過去の看護師の日比野と、病床で横になる神楽。
日比野「今日は、顔色良いね。元気になってきた?」
神楽「……うん。あ、あの……ちょっと聞いてもいいですか?」
日比野「なあに?」
神楽「事故にあった日……私……、この病院で人と会う約束してたの……。でも、ハンドルネームしか知らなくて……」
神楽「ここに入院している人だと思うんですけど……。『黒猫』ってハンドルネームの人なんですけど、知りませんか?」
日比野「……知ってるわ。……つい先日、元気に退院していったの。」
神楽「ホントですか!?」
日比野「でも、ごめんなさい……、病院の規則でこれ以上患者さんの情報は教えられないの。」
神楽「そう……ですか。」

9:CALLING~黒き着信~
13/08/18 17:11:54.97 lMxsguSO0
神楽「そうだ、日比野さんだ。私を担当してくれた看護師さん……。でも、どうして日比野さんが霊に……?」
 持っていた電話が鳴る。相手は白江だった。
神楽「あれ? も、もしもし?」
白江「その声は……? まさか君が出るとはな……。そこは黒宮病院だな?」
神楽「ええ、どうして白江さんが……?」
白江「病院へ『転移』しようと思ったんだが……、ま、それはいい。それより、よく聞くんだ。」
白江「『境界』にはいろんな場所が点在するが、これらが発生した事の発端は、その黒宮病院にはるはずだ……」
神楽「それって、どういう事……?」
白江「平たく言えば、『黒のページ』を使って我々を『境界』に引きずり込んだ犯人がいる……!! う、うわっ!!」
神楽「!? 白江さん!? もしもし!! 白江さん!!」
 電話が切れる。
神楽「私達を『境界』に引きずり込んだ犯人って……?」
 そして霊の気配、辺りを見回すと朝霧麗子が出てくる。
朝霧「独りぼっちはつらい……寂しい……だから、みんなを呼んだの……。あなたも……あなたも、ここの一部になるの」
 朝霧麗子、以前と同じで一撃死を注意して回避を何度もする。時間が経つと消える。
 院長室に行き、また日比野の幽霊が立っていた棚を調べると、日比野の日記8を入手。
「7月14日
 午後3時50分、岸部さんがこの世を去りました。
 新しく孫ができたみたいだよ、と笑っていた顔が頭に焼きついて離れない。
 看護師になってから、幾人かの患者さんを見届けて、そのたびに泣いてしまっていたけれど、
 こんなに大泣きしてしまったのは初めてだ。先輩に背中をさすられてしまうなんて看護師としては恥ずかしい事。
 でも我慢できなかった。岸部さんのベッドにしがみついて泣き叫ぶ麗子ちゃんを見たら、とても耐えられなかった。」
神楽「!! 岸部さんって! 看護師さんも岸部さんもみんな、あの子に繋がっている……?」
 待合室のカウンターに行くと日比野の幽霊。調べると日比野の日記9を入手。
「7月26日
 麗子ちゃんの状態は深刻だ。
 身体は日に日に痩せていて、食事はほとんど食べなくなってしまった。何度促してみても食欲が無いという。
 最近、まったくお母さんと連絡が取れなくなってしまった事も原因の一つになっていると思う。
 実は先月分の入院費の払い込みがなく経理では困っているらしい。お母さんも、ずっと苦労をしているので心配だ。
 さっき麗子ちゃんの様子を見に行ったら、放っておいてと言われた。
 でも黙って頭を撫でてあげたら少しだけ甘えてくれた。
 やっぱり意地を張ってるだけなんだ。本当は寂しくて辛いんだよね。
 来週ネットの友達が会いに来てくれるという事になったみたい。
 麗子ちゃんにとって、ここしばらくで唯一のうれしい出来事のようだ。
 これをきっかけに少しでも前向きになって欲しいと思う。」
神楽「!! ネットの友達が会いに……?」
 玄関でノイズを録音し、再生する。
朝霧「もう1時間か……。こないのかな……今日の約束は、ウソだったのかな……。他の人と同じだったのかな……。」
朝霧「うわべだけで、私の事なんか何とも思ってなかったのかな……。……信じていたのに……」

10:CALLING~黒き着信~
13/08/18 17:15:47.66 lMxsguSO0
 処置室に行くと日比野の幽霊がいて消える。日比野の日記10を入手。
「8月1日
 困った事になった……。
 今日、同僚の日高さんの愚痴を聞いていた。最近の麗子ちゃんについてだ。
 病状も良くないのだけど、精神的にもかなりネガティブになってきている。
 それで身近な私たち看護師にあたる事も多くなっている。私たちにとっても、とても辛い状況だ。
 日高さんもストレスを溜めていた様なので少し口を聞いていたのだ。
 その話の内容を麗子ちゃんに聞かれてしまったのだ……。うっかりしてた……本当に……。
 それから口を一切聞いてくれない。食事も投げ散らかすようになってしまった。
 あんなになついてくれていたのに……。もう一度、元の関係に戻れるか自信が無い……。」
 日比野の声が聞こえた。
「私は……あの時……、麗子ちゃんを独りにしてしまった……。一番支えが必要な時に孤独にしてしまったの……」
神楽「日比野さん……『黒猫』さんは元気に退院したって……、もしかして、あれはウソだったの……?」
 廊下を歩いていると、日比野の幽霊がエレベーターに入って行った。エレベーターの前に、鍵が落ちていて入手。
 日比野の携帯電話にかけて転移。落ちていた携帯電話を入手。
 2階ナースステーションの扉の鍵を開けて、日比野の日記7を入手。
「4月10日
 インターネットの掲示板やチャットが荒れているという話は聞いた事があったけど、実際に目の当たりにするとかなりショックだ。
 ましてや身近な人がその標的になっているなら、なおさらだ。
 なんであんなにひどい事を書き込めるんだろう。
 入院生活の長い麗子ちゃんにとって病院も病気も日常だ。
 だから、そんな話題が多くなるのは当然の事なのに……。
 それを、うるさがったり面白半分に茶々を入れたり……、彼らは麗子ちゃんの送ってきた生活も家族の疎遠も知らない。
 知らなければ何を言ってもいいの? そんなの悲しすぎる。」
神楽「あ、荒れているチャットって……も、もしかして……」
 目の前のパソコンが起動する。
 チャットで病院の話をする黒猫を煙たがっている三人と、酷い事を書かないでと書くリン。
 三人が退室した後に入室してリンに礼を言う黒猫。
神楽「!! これは私が参加してたチャットサイトだ……。どうして、これが……。『黒猫』さんって…………」
 背後に朝霧麗子の幽霊が出るが、振り向くと消える。
 部屋を出ると日比野の幽霊が歩いているので、ついて行く。パソコン談話室の前で消えるので、続いて入る。

 過去の映像が流れる。日比野と朝霧麗子。
日比野「……麗子ちゃん、今日はここにいたの? そう……少し顔色もいいみたいね」
日比野「……さ、そろそろ検査の時間よ。1階で先生が待ってるわ。」
 立ち去る朝霧。日比野がチャットルームを見ると、落ち込んでいる黒猫にリンが会う約束をしていた。

神楽「やっぱり……。あの時、会う約束をした『黒猫』さんがここに入院していた朝霧麗子……。そして、私は……」
神楽「会う約束をしていたのに……事故にあって。」
 神楽は入院していたころの記憶を思い出す。

11:CALLING~黒き着信~
13/08/18 17:18:45.35 lMxsguSO0
 朦朧とした意識で、窓を見る病床の神楽。
 窓際に立つ少女。
 扉を開けて驚いた顔で、止めようと走り出す日比野。
 
神楽「うそっ……!! 夢だと思っていたのは入院の時の記憶……。……『黒猫』さん。……あれは『黒猫』さん!?」
 頭を押さえて首を振る神楽。振り向くと日比野の幽霊が居て、目があう。
日比野「麗子ちゃんは、心のどこかでまだ待っているはず……。あの子をいま救えるのは……、きっとあなただけ……。」
神楽「待ってる……? 黒猫さんが……いまでも?」
 消える日比野。黒宮の携帯電話にかけて転移。携帯電話を入手した後、1階の玄関で座って待つ朝霧に歩み寄る神楽。
神楽「あなたが……『黒猫』さんだったのね。」
神楽「聞いてくれる。……私、約束をやぶったわけじゃないの。あの日、ここへ向かっていたのよ。本当に……。」
神楽「でも、途中で交通事故にあって。そしてここに運びこまれて……。」
神楽「偶然だけど、隣のベッドにいたんだよ。もし、私が目を覚ますのが、もう少し早ければ……」
神楽「これは言い訳だよね……約束守れなかったのは事実だから。」
神楽「ごめんなさい……ごめんなさいって、今更だよね。もう、取り返しつかないよね……」
神楽「もう、私がここの住人になるのも、時間の問題だと思うの……。そうなったら『黒猫』さんと一緒にいるよ、私。」
神楽「なら、もう寂しくないよね……? 辛かった事も、それで忘れられる……?」

 歩きだして神楽の横を通り過ぎる朝霧麗子。そのままどこかに歩いて行くので、追いかける。
 画像が全体的に暗い。時間でどんどん恐怖メーターが上がっていくので、早く追いかけないとゲームオーバー。
 302号室、朝霧麗子の病室に入る。すると窓際に少女の幽霊が立っている。
神楽「ダメェエエ!!!!!!」
 走り出し、朝霧麗子を抱き止めようとする神楽凛。 
 しかし幽霊には触れられず、その勢いのまま窓の外へ。朝霧麗子を通り過ぎて、神楽は境界の狭間へと落ちていった。
 その後、朝霧麗子は生きていたときのように窓から飛び降り自殺をした。
 


 岸部千代が病室のベッドで目を覚ます。横に座っていた男が岸部千代に気付いて立ちあがり、話しかけてくる。
「あ、ばあちゃん!? 分かる!? オレ、タケシだよ!」
「良かった……! ま、待ってて。みんなを呼んでくるから……!」
「とうさん! かあさん! ばあちゃんが! ばあちゃんの意識が戻ったよ!!」
 立ちさるタケシ。岸部千代は体を起こし、側にあった携帯電話を手に取る。
 そこには岸部道人からの着信履歴があった。




「隠された章を受信しました」


1週目は必ずバッドエンドで終わり。

12:ゲーム好き名無しさん
13/08/18 17:19:58.95 lMxsguSO0
2週目はまた最初から、一旦かきこみ止めます。

13:CALLING~黒き着信~
13/08/18 22:12:41.45 lMxsguSO0
 隣への扉を開き、鏡の並んだ美容室の部屋へと移動する。放浪者のメモ10がすぐに落ちていた。
「スタッフルームと繋がるドアに鍵がかかっていなかった。夜に人が出払った後だとすれば無用心過ぎるわね。
 やっぱり何か変。それにさっきから妙な視線を感じる……、長居はしたくないわね。」
 外へつながる扉を開く。天野のメモの通り、何も無い空間があった。
白江「!! 何だこれは……! 一体どうなっている!?」
 美容室を探すと、一番奥の物置にロッカーの鍵があり入手。「この鍵を使えばロッカーを開けられそうだ。」
 突然、気配に後ろを振り向くと美容師と思われる女性の幽霊が、誰も座って無い椅子に向かって髪を切っていた。
 消えると同時に部屋全体が暗くなる、電灯も点かない。ロッカーに行き鍵を開けると懐中電灯を手に入れる。
 懐中電灯で照らし美容室の方に行くと、客が待つためのソファーに天野貞夫の幽霊が俯いて座っていたが、消える。
白江「! ……今のは、まさか?」天野が座っていた場所に、天野の取材ノート2が落ちていた入手する。
「まず、美容室hの女性美容師死亡事件。
 死亡した美容師は加藤美野里、20歳。その年の春から働き始めた新人美容師だった。
 店長の話によると、その日は片付けを彼女に任せて先に帰宅した。翌日、出勤してみると、
 彼女は床に倒れており既に冷たくなっていたという。前日の彼女は普段どおりで特別変わった様子は無かったそうだ。
 店内には荒らされた様子も無く、また彼女の財布などもそのままバッグの中にあり、
 携帯電話は彼女自身が握り締めていたという。いちおう確認をとってみたが、店内にパソコンは無いという。
 『黒のページ』の手がかりは無いか。しかし不可解な点が多いので関係ないとは言い切れないな。」
 白江が音に振り向くと天野の幽霊がスタッフルームに入って行った。「……間違いない! 天野!」
 追いかけてスタッフルームに入るとマネキンの頭が全部おちている。部屋の奥まで行くと女性の幽霊が一瞬、出てくる。
 振り向くと倒れていたマネキンの頭達が全て起き上がって、ロッカーとは逆の隅の冷蔵庫を見ている。
 冷蔵庫を調べると、下に天野の走り書き2が落ちていて入手する。
「しばらく店内を探索したがたいしたものはなかった。使えそうなのは女性のものと思われる携帯電話くらいだ。
 この電話……繋がるんだろうか。物の試しに、取材で使った電話帳から適当にかけてみる事にする。
 997-118-029 997-494-582」
 とりあえず携帯電話に入力する。すると見知らぬ部屋にいた。ホテルの一室のようだ。
白江「どうやら本当に移動できるようだな……」
 バスルームを開けるとカーテンの向こう側で女性がシャワーを浴びている影が映る。カーテンを開くと誰もいない。
 浴槽に天野の取材ノート3が落ちているので入手。
「次はあるホテルで起きた死亡事件。思慕したのは出張中だった会社員の女性、名前は東海林恵子。32歳。
 チェックアウトの時間を過ぎてもフロントに現れない事を不審に思った従業員が鍵を開けると、
 彼女はイスに座った死んでいたそうだ。テーブルには一台のノートパソコン。右手には携帯電話が握られていた。
 彼女の上司が前日の午後10時頃に彼女とメールのやり取りをしている事から、死亡したのはそれ以降という事になる。
 しかし電話はしていないという。室内に荒らされた形跡は無く、
 完全な密室であった事から警察は事件性は無いと判断したようだ。しかし死因は公開されていない。」
 風呂を出ようとすると扉が開かない、何度も前後させて開けると東海林恵子の幽霊がいて襲ってくる、振り払う。
 部屋の棚を調べると天野の走り書き3を入手。
「こいつは驚いた。まさか携帯電話で移動できるとは。
 どういう原理なのかはさっぱりわからないがコールした向こう側の携帯電話の場所まで移動できるらしい。
 しかしどういうわけか自分の携帯電話にかけても通じない。真っ先に思い浮かんだ番号なのだが……。
 事はそう上手くはいかないようだ。」
 ベッドの上にホテルのメモ「369」。スーツケースに369と数字を入れ開ける。中には携帯電話が入っていた。

14:CALLING~黒き着信~
13/08/18 22:13:41.31 lMxsguSO0
 突然、ノイズが聞こえるので録音して再生する。
東海林『来月から社内の配置転換で担当が変わるの……そう。月イチで出張して来れなくなるわ。』
東海林『しょうがないじゃない……、自腹でここまで来れるほど、いい給料は貰ってないの。』
東海林『これからはあなたが来てくれる? ……ほぉら、やっぱりダメじゃない……。』
東海林『だったら、もうこれっきりの方が良いと思うの……』
 白江はもう一つ天野の走り書きにあった電話番号にかける。転移する。
白江「……移動はできても、携帯電話は置いてきてしまうようだな……」
 そこはネットカフェの個室。扉は開かないので外には出れない。携帯電話を拾い入手。
 天井の棚に、天野の取材ノート4を見つけて入手。
「次はキャラバンというネットカフェで起きたフリーターの死亡事件。利用者の男性が突然意識を失ったというもので、
 死亡した男性は根岸克也。29歳。当時、店内には客が複数入っていたがこれといって不審な人物は見当たらず、
 男性の知人などもいなかったため過労による心臓麻痺と処理された。残っていたチャットのログを調べたところ、
 『黒猫』というハンドルネームの人物の書き込みで終わっていた。『黒猫』とはいったい……?」
 携帯電話にメールが入る。そこに最初の部屋(涼谷の部屋)の写メが写っていた。ノイズが入るので録音再生。
根岸『あ、電話……、一体誰からだぁ……? あー……もしもしぃ? ……あ! あぁ、藤村さんですか……。』 
根岸『……。でですねぇ……代金のほう、もうすこし待ってくれませんか……、実はバイト、リストラされちゃって……、』
根岸『あてにした給料が入らなくなっちゃったんで……、ホント、スミマセン……、ちゃんと払いますから……』
 パソコンの電源が入り、根岸の幽霊が座ってキーボードを打っている。立ち上がると襲ってくるので振り払う。
 さっきの写メールの部屋に行くために、携帯電話で番号を打つ。涼谷の部屋に転移する。
 携帯電話を入手。パソコンを調べると黒のページの一番下に新たな番号が増えている。997-657-281。
白江「新たな番号が……これもアイツなのか?」天野がいれたとおもわれる電話番号をいれて転移する。
 転移した場所は学校の4回女子トイレ。女子高生の幽霊(小倉舞)が白江を見て驚き、手にメモ帳を去って行く。
白江「!? ……あれはオレのメモ帳! いままでの転移先の番号が書かれているのに……! 取り返さなければ……!」
 懐中電灯を付けて、脇に置いてあった携帯電話を入手。トイレから出ると美術室と思われる写メールが届く。
 305の教室に入り、放浪者のメモ1を入手。
「暗くて怖い。なんだよここ。気がついたら知らない場所にいるなんておかしい。そうだよ、これは夢だ!
 そうに決まってる! で、でもなんだか妙な音が聞こえる。なんだか不気味だ。背筋がぞっとする。
 それにこんなに暗くちゃなにもできない。何か明かりになるものはないかな……」
 ロッカーから天野の走り書き4を入手。
「一通り手元にある番号にかけてみたがそのうちのいくつかの番号は受話されてしまい『転移』はできなかった。
 内容は無言電話がほとんどだったが、妙な声が聞こえてくるものもあった。
 聞くだけで不安を掻きたてられるような不気味な声だった。死んだ人たちだろうか。」
 3階を歩くと男(涼谷しんいち)が悲鳴をあげながら走り、三人の女子高生の幽霊に追いかけられているのを目撃する。
白江「! まだ霊になってない人間がいるのか!? 見込まれてしまっているな……、うまく逃げ切れれば良いが……」
 2階の美術室へと入り探索。天野の取材ノート5を入手する。写メールを送ったのは天野の様だ。
「そして、一ヶ月前に私立昭成高等学校で起こった女子生徒死亡事件。同じ学校の人間が3人も立て続けに死亡した事で、
 話題になっていた。死亡した3人は学校では有名な問題時で評判は良くなかったらしい。意識を失った3人が、
 発見されたのは放課後のパソコン室。その後、病院へと運ばれるが、それぞれ数時間後に心肺停止。
 第一発見者は同校2年の男子生徒で、歴史の課題の資料を探すためにパソコン室へと立ち寄ったらしい。」
 白江がノートを呼んでいると、神楽凛が美術室に入ってくる。
白江「幽霊かと思いきや、生きているお嬢さんの登場とは……」
神楽「だ、誰っ!?」
白江「おどかしてすまない。オレは白江真。弱小出版社で編集者をしている者だ。」

 界ノ章 了
 この後、醒ノ章。憑ノ章を挟む。

15:ゲーム好き名無しさん
13/08/18 22:14:49.48 lMxsguSO0
ここで一旦、止める。順番がグダグダになってすいません

16:ゲーム好き名無しさん
13/08/22 12:18:55.12 wsJpsQft0
Fallout:newvegasのDLCLonesome road、ストーリーはひと通り書き終わって
あとは各勢力ごとの会話文の変化やバッドエンド後のエピローグだけなので進捗率90%といったところです

17:シャイニング・ハーツ
13/08/22 19:48:11.96 tUTk4IZEO
シャイニング・ハーツ書きます

・ストーリー前半
海に浮かぶ孤島「ウィンダリア島」に、ある日一人の青年リックが漂着します
リックはとある少女(パートナー)に介抱されますが、目を覚ました彼は過去の記憶を失っていました
ただ、彼は初対面のパートナーの名前だけはなぜか知っていたのでした
(パートナーはアミル、ネリス、エアリィのいずれかを選択します。選ばなかったキャラは登場しません。まあ台詞は全員同じなんですが)
とりあえず、身寄りの無いリックはパートナーの住む難破船に居候することになります
しかもパートナーは働き口まで探してくれます。なんか手際いいな~と思ったら、この島では記憶喪失の人間が漂着するのは「よくある事」なんだそうです
そんなこんなで、リックはパートナーの勤める「マデラのパン屋」で働くことになりました
魔女マデラが経営するマデラのパン屋は、人間が嬉しかったり悲しかったりした時に出す「ココロ」というエネルギーでパンを作る魔法のパン屋でした
リックは島民に美味しいパンを届けてココロを分けてもらい、集めたココロでまた美味しいパンを作って絆を深めていきます

島の生活にも慣れてきたリックは、ある日嵐の後の浜辺で倒れている少女を見つけます
彼女が漂着してから、穏やかだったウィンダリア島に少しずつ異変が起こり始めるのでした

18:シャイニング・ハーツ
13/08/22 19:50:56.58 tUTk4IZEO
漂着した少女は例によって記憶喪失だったのですが、症状は今までの人より深刻なようで、ほとんど廃人同様でした
そんな少女を心配したリックとパートナーは自分たちの作った魔法のパンを差し入れに行きます
すると、無気力だった少女に生気が戻ると同時に、少女のペンダントから大きな鍵が現れ、どこからか「鍵を泉に捧げなさい」という女性の声が聞こえてきました
リックたちが鍵を泉に沈めると、その晩大きな嵐が島を襲います
夜が明けると、なんとリックたちの住む難破船が立派な船に早変わりしていました。そして水平線の向こうには昨日までは存在しなかったはずの新しい島が…

少女の名前は「…クヤ」らしいのですが、パートナーが「カグヤ」と聞き間違えてしまい、本人もはっきり思い出せていないので、カグヤと呼ぶことになりました
カグヤは魔法のパンが大変気に入ったらしいので、彼女を元気にするためにリックとパートナーは毎日パンを届けることにしたのでした
ココロのこもったパンを食べる毎にカグヤは快方に向かっていきます。意外と腹ペコヤンチャ少女だったことが判明したりします
感情の乏しかったカグヤが様々な感情を取り戻す度にペンダントから鍵が現れ、その鍵を泉に沈めると嵐が起こります
そして次の日になるとまた世界に新しい変化が起きるのです
もちろん、良い感情ばかり取り戻すわけではなく、中には怒りや悲しみを思い出すこともあります
そして度々リックの前に現れるカグヤに似た女性「サクヤ」は、全てを取り戻す事が必ずしも幸福ではないという趣旨の発言を繰り返します
リックとパートナーは悩みながらもカグヤの心を解放していきます。一方その頃、カグヤを狙う何者かがウィンダリア島に近づいていたのでした…

これで実質ストーリーの7割ぐらい進みました
発売前に大プッシュされていたミストラル(ミスティ)とクイーンはまだ出ません…

19:シャイニング・ハーツ
13/08/22 19:53:25.52 tUTk4IZEO
後半に進む前に、本編で全く明かされない超重要設定を書いておきます

・3つの世界
このシリーズではエルデ、エンディアス、ウィンダリアの3つの世界が存在します
エルデは現代の地球、エンディアスは剣と魔法のファンタジー世界です。前作ティアーズとウィンドはエンディアスの話です
エンディアスはEND-THE-EARTHなので未来の地球とかいう裏設定があるらしいですがこれはハーツにはたぶん関係ないと思います
ウィンダリアは少々特殊で、異世界で死んだ者や絶望した者の魂が導かれる箱庭世界です
島民はほぼ全員が「記憶を失って漂着した異世界人」なので、純正ウィンダリア人はいないと思われます
云百年前の人間が王子を名乗ってたりするので時の流れがあるのかも怪しいところです
リックは元の世界でパートナーと知り合いだったので名前を知っていたんですが、その辺りは後述

20:シャイニング・ハーツ
13/08/22 19:56:21.90 tUTk4IZEO
・ストーリー後半
ウィンダリア島に海賊団アークバッカニアがやってきます
船長のディランは豪快な男で、カタギには手を出さない良い海賊?らしいのですが、時を同じくしてリックとパートナーは「ペンダントを探す海賊」の噂を聞きます
カグヤの持つペンダントがディランに狙われていると考えた二人は、自ら囮になって海賊を誘き出します
ですが多勢に無勢でピンチになってしまい、駆けつけたディランに助けられます。どうやら誰かがディランに罪を着せようとしていたようです
本当の敵はどこにいるのだろうと二人が考えていると、今度は謎の海賊にカグヤが襲われます
彼らの正体はミストラル率いる海賊団セイレーンでした
キャラグラ付きの幹部が何人か出てきますが、いかんせん出番が少ないので参謀ポジのバルダー卿だけ覚えていればいいと思います
バルダー卿はリックとパートナーを人質にカグヤを連れていこうとしますが、謎の力に覚醒したカグヤに撃退されます
しかし次の日、リックたちが目を離した隙にセイレーンがカグヤをさらってしまいました
カグヤを助けるためディランに協力を求めに行くと、ディランの仇敵であるアイザックという男が現れ、なぜかセイレーンのアジトを教えてくれます
セイレーンのアジトで幹部をボコりながらカグヤの元に行くと、首領であるミストラルが現れます
精霊使いである彼女は、カグヤのペンダントが強い精霊力を持つことを知り、我が物にしようと企んでいました
追い詰められたミストラルはペンダントの力を解放しようとしますが、ペンダントはウンともスンともいいません。ペンダントはカグヤ以外には使えないようです
その時バルダー卿が現れ、リックたちもろともミストラルを攻撃しようとします
なんと最初からバルダー卿は偽物にすり変わっていたのでした
ポッと出のキャラが実は偽物だった!とか言われてもプレイヤー的には困りますが…

21:シャイニング・ハーツ
13/08/22 19:59:49.44 tUTk4IZEO
バルダー卿の正体はアイザック率いる海賊団ガイルバンカーの機械兵士でした
アイザックはカグヤとペンダントを手に入れるためにリックたちとセイレーンを共倒れさせようとしていたのです
偽バルダー卿とアイザックに襲われて絶対絶命のリックたちでしたが、卑劣な手段にキレたカグヤによって撃退され、ペンダントから憎悪の感情である黒の鍵が現れます
憎しみの感情を取り戻したとはいえ、基本良い子なカグヤはミストラルを許し、リックたちとウィンダリア島に帰ります

一方、正体を隠す必要がなくなったガイルバンカーは大船団を率いてウィンダリア島を包囲します
こっちは帆船なのに向こうはネオアトランティス並みの近未来戦艦で乗員は自律機械兵士です
なんとか撃退したリックたちですが、その頃カグヤは過去の記憶が戻り、これ以上島の人々に迷惑を掛けられないと思った彼女はクイーンという名の機械兵士に連れられてアイザックの元に向かいます
リックとパートナーはカグヤを連れ戻しに向かいますが、カグヤに拒絶されます
アイザックはカグヤの力を平和利用するとかなんとか言ってますがまあ明らかに嘘っぱちです
それでも、カグヤが帰ることを拒んでいる以上どうすることもできず、二人は肩を落としながら帰っていきます
自分たちの言葉ではカグヤに届かない…と失意のままに島に戻ったリックたちですが、マデラや島の仲間たちに諭されて本来の役目を思い出します
パン屋の役目はパンを焼く事。そして魔法のパンはココロを込めて作るもの。
基本に立ち返った二人は、カグヤのためにありったけの想いを込めたパンを作ります
カグヤにパンを届けるためガイルバンカーを追うリック。今までの仲間も着いてきて、みんなでカグヤを迎えに行きます。この辺りのストーリーは修学旅行っぽくていい感じです。
アイザックに借りを返すという名目でセイレーンも力を貸してくれます。彼らの援護を受けながらリックたちはガイルバンカーの旗艦に乗り込みます

22:シャイニング・ハーツ
13/08/22 20:04:07.26 tUTk4IZEO
立ちはだかるクイーンを倒してリックとパートナーはカグヤと対面します
ココロのこもったパンを食べて二人との絆を実感したカグヤはこちらに戻ってきます
そしてここに来てようやくアイザックの目的が判明します
アイザックはこの世界の海底に眠る「匣」とかいう古代の遺物をカグヤに起動させて世界を滅ぼすつもりらしいです
クイーンなどの機械兵士も実は古代兵器で、プログラムを弄られてアイザックに従わされているとのこと
彼をこのまま放置すると危険なのでアイザックを倒しに行きます
リックたちは加勢に来たサクヤと共に、匣の力を得てパワーアップしたアイザックと戦います
キューブの形のキューブアイザック、そしてポリゴンを拡大しただけの巨大アイザックなどの手抜きボスを倒すと、アイザックはなぜか憑き物が落ちたように穏やかになって昇天します。
これで一件落着と安堵するリックたちでしたが、別れの日はすぐそこまで近づいていたのでした…

ウィンダリアに帰ってきたカグヤは、穏やかな日常を過ごしながら、これまでお世話になった(パン的な意味で)お礼に、マデラに手編みの靴下をプレゼントします
その帰り道でペンダントから黄金の鍵(明言されてませんが愛の感情?)が現れ、カグヤはリックとパートナーに別れの時が来たことを告げます

その夜、いつもの泉で待っていたのはカグヤとサクヤでした
カグヤの本当の名前は「サクヤ」…つまり二人は同一人物だったのです
カグヤ/サクヤは元の世界(エルデ、エンディアス)で重要な使命があったのですが、それに疲れ、ウィンダリアに逃げてきたのがカグヤだったらしいです
リックたちとの交流でもう一度使命に向き合おうと決心したカグヤは、サクヤと共に元の世界に帰っていきます。
「最後の鍵はあなたの大切な人と一緒に沈めて」と言い残して…

リックは今まで通りこの島で暮らし続けるのでしょうか。それとも大切な誰かと一歩踏み出すのでしょうか…

23:シャイニング・ハーツ
13/08/22 20:09:09.35 tUTk4IZEO
これでメインストーリーは終わりです
誰かと鍵を沈めるまでゲームは永遠に続きます
執筆者は「俺はカグヤが好きなんだよー!」と一人で鍵をぶちこんだら上からカグヤが落ちてきました。他のエンドはまだ見てません
ここからはパーティメンバーの紹介と個別イベントです
なんで後ろに書くのかというと、ほとんどの仲間は最後のカグヤ救出以外滅多にメインストーリーに絡まないからです

・シャオメイ
よろず屋店主の猫娘です。その正体は島を騒がせる怪盗ブラックテール
実はアークバッカニアの一員だとか元の世界ではサクヤのペットだとかよくわからない裏設定があるらしいです
個別イベント:怪盗稼業の手伝いをさせられます。といっても遺跡探索とか子供のぬいぐるみ奪還のような微笑ましいものばかり
・ローナ
お城のメイドをしている狼の獣人です。なぜか刃物の達人
個別イベント:元の世界での記憶を失っていたローナですが、面識があるらしいハヤネという剣士や、里の頭領と出会うことで記憶を思い出していきます。
ローナとハヤネは隠れ里の出身で「霊刀・雪姫」の継承候補でしたが、雪姫を狙うアイザックが里を滅ぼしてしまい、ローナだけが生き残ったようです
アイザックを倒して仇を討った後、ローナはハヤネの姿を借りた雪姫の化身「裏雪姫」を倒して雪姫を継承します
裏雪姫がなぜハヤネの姿をしていたのかは不明です
シャイニングブレイドでも雪姫は登場するみたいですが、性格外見記憶がまるで違うらしいです
・ディラン
海賊団アークバッカニアの船長。ウィンドの獣人王ロウエンと同一人物という設定らしいですが本編で気づいた人は天才だと思います。画像検索すれば意味がわかります
裏設定ではタイムマシンで過去未来を行き来しながらアイザックと戦っているらしいです。タイムマシン…?
個別イベント:〇〇海賊団が暴れてるからとっちめに行こうぜ!→倒す→やるじゃねえか!
これだけです。本当にこれだけです

24:シャイニング・ハーツ
13/08/22 20:12:59.86 tUTk4IZEO
・メルティ
吸血鬼の魔女っ子です。アイス研究が趣味
元の世界で友達がいなかったのでウィンダリアに引きこもっています。使い魔のソルベエを連れています
実は魔王の娘でソルベエの正体は父親だそうですが、本編に全く反映されていないので…
個別イベント:アイスの材料探しを口実にメルティの引きこもり解消+婿探しにソルベエが奮闘します。最後に婚約指輪まで渡されます
・アルヴィン
気難しいエルフの青年です。ティアーズに登場するエルウィンの兄です。ハーツにはエルウィンも登場しますが、彼女も何かに絶望してしまったんでしょうか…
彼はこの世界の精霊を守護する役目を負っているらしいので、ウィンダリアの真相は知っているようです
個別イベント:アルヴィンと一緒に各地を巡って傷ついた精霊を助けます
・ラグナス
ウィンダリアの王子です。ゲームだけだとホモっぽいただの王子なんですが、ウィンダリアの真相を知ってから彼の発言を聞くと、彼がこの世界の守護者的存在であることに気付きます
何百年王子様名乗ってるんでしょうか…
個別イベント:幽霊船の夢を見たラグナスはこれを何かの啓示だと考え、ウィンダリア近海で幽霊船を探します
幽霊船の船長ゲルドはこの世界に来た人の例に漏れず、記憶を失いながら何かを探していました
ゲルドの探していたのは妻と娘だったのですが、二人が既に死んでしまっていることを思いだし彼は絶望します
ラグナスは世界の守護者としてゲルドを放っておくわけにはいかないと考え、リックたちに協力を求めます
リックの焼いたゲルド家族の思い出のパンによってゲルドの魂は解放されたのでした
・ルフィーナ
ラグナスの妹です。ウィンドのクララクランの遠い先祖だそうです。大人っぽいお姫様という感じですが設定通りだととんでもない実年齢に
個別イベント:パン屋稼業と海賊退治に疲れたリックたちをお茶会でもてなしてくれます。ただしお茶請けの材料は現地調達です

25:シャイニング・ハーツ
13/08/22 20:17:54.07 tUTk4IZEO
最後にストーリーの補足です。あまり補足になっていませんが
・アイザックの正体
正直よくわかりません。次作のブレイドでも登場したんですが執筆者はブレイド未プレイなので詳しく知ってる方がいればお願いします
・リックとパートナーの過去
ノベル版設定ではエンディアスの戦争でパートナーが死に、絶望したリックはウィンダリアに流れ着いた…ということらしいです
ただ、時系列的に過去となるブレイドでは、パートナーは精霊的な存在になってピンピンしているそうです
・サクヤ/カグヤの使命
ハーツでは明かされないまま終わってしまったのですが、シリーズ関連商品から類推すると
1、神器(シャイニング世界の超兵器または生物兵器)の化身で管理者
2、ウィンド主人公たちの通うエルデ(地球)の高校教師
3、闇の勢力に対抗する光の軍勢「シャイニングフォース」のリーダー
4、光と闇の勢力を拮抗させ、戦いを絶えず続けさせる調停者。灰色の魔女
の4つを兼任していると思われます
これだけ掛け持ちしていればカグヤがサボタージュするのも納得できます
3と4は完全に矛盾していますが、このシリーズはガンパレ並みに設定が錯綜しているので気にしたら負けです
・ウィンダリアとカグヤの関係
これもゲーム中で語られませんが、ウィンダリアはサクヤ/カグヤの作り出した世界だと考えるのが妥当です

あと、ミストラルとクイーンは仲間になりません
説明書にクイーンフィギュアの広告まで入ってたので、いつ登場するのかと執筆者はワクワクしていましたが、二人とも終盤でちょっと登場するだけでしたorz

26:ゲーム好き名無しさん
13/08/22 20:37:06.15 wqnEgFSa0
乙でした

未プレイだが、読んだかぎりではすごい地雷臭がする

27:ゲーム好き名無しさん
13/08/22 20:48:37.68 bwnKRgJjP
シャイニング・乙

28:ゲーム好き名無しさん
13/08/22 23:08:04.98 3GxB8Qer0

シャイニングソウルシリーズしかやってない俺は勝ち組だったんだな…

29:ゲーム好き名無しさん
13/08/30 12:20:45.24 Mi9h7Qzi0
シャイニングのひと、いろいろと乙でした

30:ゲーム好き名無しさん
13/09/01 00:07:41.48 Ejp7XfaZ0
System Shock 2が直接投下されてるが、あれで終わりとして扱っていいのか?
未解決一覧から消していいのか、それとも書き込み途中?

31:ゲーム好き名無しさん
13/09/01 01:27:40.60 Ejp7XfaZ0
●このスレの>>30までをWikiに収録
・以下を追加
黄昏のオード
剣と魔法と学園モノ。3
CALLING~黒き着信~
シャイニング・ハーツ

・以下を追記
真・女神転生Ⅳ

●差し替え・追加スレッドの>>599までをWikiに収録
・以下を追加
らんま1/2~白蘭愛歌~
CALLING~黒き着信~
東方靈異伝 ~ Highly Responsive to Prayers
東方封魔録 ~ the Story of Eastern Wonderland.
THE 廃屋病棟 ~呪われた病院からの脱出~
ジャングルウォーズ

●未解決一覧
・以下を消去
Dead Space 2を消し忘れ
剣と魔法と学園モノ。3
黄昏のオード
CALLING ~黒き着信~
シャイニング・ハーツ
らんま1/2~白蘭愛歌~
東方靈異伝 ~ Highly Responsive to Prayers
東方封魔録 ~ the Story of Eastern Wonderland.
THE 廃屋病棟 ~呪われた病院からの脱出~
ジャングルウォーズ

●書き込み途中
・以下を追加
Call of Duty BlackOps2[6月]を追加忘れ

・以下を消去
・Fallout: New Vegas(詳細版)[5月]
機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122[5月]

●執筆予告
・以下を消去
アリスマッドネスリターンズ(PS3)[7月]

32:ゲーム好き名無しさん
13/09/01 22:39:24.67 EEuebQZM0
未解決一覧から「逆転検事」投下します。
事件解決までのおおまかなストーリーとそこに至るまでの伏線については
できるだけ書くようにしましたが
序盤の細かい論証などは一部省略しています。ご了承ください。

33:逆転検事 第1話「逆転の来訪者」1/2
13/09/01 22:40:45.20 EEuebQZM0
3月14日午前2時。主人公・御剣怜侍(みつるぎれいじ)検事は1ヶ月間の海外出張から帰国した。
一度、検事局に顔を出しておこうと自分の執務室を訪れた御剣は
部屋の中に転がっていた男の死体に驚く。
唖然とする御剣の背中に、何者かが銃を押し付けた。この男を殺した犯人なのか?
「私の執務室で事件を起こしておいて、逃げきれるなどとは思わないことだ」
御剣の宣戦布告に侵入者は答えず、一発の威嚇射撃を残して去っていった。

すぐに顔なじみの刑事・糸鋸圭介(いとのこぎりけいすけ)が駆けつけて捜査が始まる。
落ちていた警察手帳から、被害者は刑事の仲間戸真治(なかまどしんじ)と判明。
そこへ、突然ひとりの騒々しい男が割り込んできた。
彼の名は優木誠人(ゆうきまこと)。仲間戸のパートナーだった検事である。
仲間戸との別れを惜しむ優木をよそに御剣は捜査を進めるが、奇妙な点が見つかる。
凶器は部屋の床に落ちていた仲間戸の拳銃だが、その銃から撃たれた弾丸は一発きり。
しかし、室内には被害者とは別に、あの威嚇射撃の弾痕が残っている。
その上、仲間戸の背後にあった本棚は殺人事件の前に何者かがファイルを動かし
被害者の死後、またファイルを本棚から引っ張りだした形跡がある。
この矛盾や犯人の不自然な挙動は何を意味するのか?
そんな御剣の捜査とは別に、本棚に「イトノコギリ」という血文字が残っているのを見た優木は
御剣の留守中、部屋の管理を任されていた糸鋸が犯人だと言い出した。
だが御剣はその推理を一蹴。血文字が書かれていた本棚のファイルのひとつが
明らかに血文字が書かれた後、一冊盗まれていたのだ。
本当に糸鋸が犯人なら、その時点で血文字を放っておいたはずはない。
推理を否定された優木はあっさりと主張を撤回。「本命の容疑者が別にいる」と
警備員の須々木マコ(すずきまこ)を連れてくる。彼女は糸鋸の後輩だった元婦警で
逆転裁判2、3にも登場していた女性。転職の果てに検事局の警備員に就職していた。
マスターキーを預かる彼女なら執務室にも出入りできたと優木は語る。
マコは反論するが、その主張は「事件の起きた頃、マスターキーは盗まれていた」
という頼りないもの。しかも、いつの間にかマスターキーが戻っていたというからかえって怪しい。
優木は「容疑者と親しい君たちには任せられない。この事件は僕が担当する」と
御剣たちを現場から追い出してしまった。

廊下へ追い出されてしまった御剣たち。しかし、もちろん捜査を止める気はない。
「どうやって犯人は鍵のかかった部屋に入れたのか?」そのヒントは廊下にもあるはずだ。
調査をしながら、マコにマスターキーの件を詳しく問いただすと
事件の少し前、自分の執務室(御剣の隣の部屋)の鍵を忘れた優木検事のために
マスターキーを使って扉の鍵を開けたという話が出てきた。
マスターキーは貸出禁止なので、用事が済んで部屋を閉めるときも改めてマコが閉めに行ったのだが
その時点ではマスターキーを盗まれていたため、鍵を掛けたふりでごまかしたという。
だが奇妙なことに、優木の執務室のドアにはしっかり鍵がかかっている上に
仲間戸刑事が生前に残した連絡メモが挟まったままになっていた。
さらに、優木のドアの前にこれみよがしに置かれていたバスケットのゴールポストが
最近動かされた痕跡を見つけた御剣は、推理によって優木が犯人であることを確信する。

34:逆転検事 第1話「逆転の来訪者」2/2
13/09/01 22:41:30.91 EEuebQZM0
現場へ戻った御剣は、捜査中の優木を「おまえが犯人だ」と告発する。
御剣の部屋のナンバープレートを自分の部屋のそれとすり替え、さらにゴールポストを隣に動かすことで
マコに部屋の違いを意識させないまま鍵を開けさせ、御剣の部屋に忍び込んだ。
だが御剣の部屋を探っている時に、優木に会いに来た仲間戸がそれを見つけてしまい
優木は口封じに仲間戸を殺したのだ……という御剣の推理に反論できない優木。
ところが、話が死体発見直後、御剣と「犯人」が出会った話になると、優木の表情が明るくなった。
「その時間、僕は仕事で少し離れた警察署にいたよ。アリバイ成立だね!」
問い合わせてみると確かにその通り。これでは優木は犯人でないことになる。
自分の推理に穴があったか?嬉々としてマコを連行しようとする優木の前で
急いで事件を再吟味した御剣はあることに気づいた。
「2発の弾丸、部屋を2度荒らした痕跡……侵入者は二人いたのだ!
 被害者を殺した最初の侵入者と、私が会った二人目の侵入者は別人だ!」
こうなると、優木のアリバイは無意味になる。話をはぐらかそうとする優木の言葉を聞いているうちに
御剣は彼が「仲間戸から預かった2つの証拠品」と口にしたのを確かに聞いた。
仲間戸が優木の執務室のドアに挟んだメモによれば、証拠品の数は3つのはずだ!
指摘されて青くなった優木を無理やり身体検査すると、血がべっとり付いたビデオテープが出てきた。
コレが決定的な証拠となり、優木は仲間戸刑事の殺人容疑で緊急逮捕されたのであった。

こうして殺人犯は逮捕された。しかし謎はまだいくつも残っている。
御剣の執務室から古い事件ファイルを盗んでいった「二人目」の侵入者の正体、
頑なに黙秘している優木検事の背後に見え隠れする巨大な犯罪組織の影。
そして、御剣の執務室を捜査中に発見された「三本足のカラス」の紋章が入った謎のカード。
それはかつて、義賊と呼ばれた怪盗「ヤタガラス」が使っていた印だった。
「事件はあの時すでに始まっていたのだ……」
御剣が思い出したのは2日前、海外出張から帰国する飛行機内での出来事……

35:逆転検事 第2話「逆転エアライン」1/3
13/09/01 22:42:48.90 EEuebQZM0
3月12日午前6時。ヨーロッパから帰国する御剣は大型旅客機の機内ラウンジでくつろいでいた。
その時エアポケットにより機体が大きく揺れ、地震にトラウマのある御剣は気絶してしまう。
10分ほどしてから目を覚ました御剣はエレベータで客席に戻ろうとするが
開いたエレベータの中には、乗客の一人が死体になって転がっていた。
そこへちょうど現れたCAの木之路いちる(このみちいちる)によって、御剣は犯人として拘束されてしまう。
だが、犯罪目撃者の尋問であれば御剣の専門分野。
御剣は難なく木之路の主張を論破し、彼が犯人でないことを納得させる。
これで問題なし……と思いきや、次に立ち上がったのは乗客のひとりでボルジニア国の大富豪ジンク・ホワイト氏。
神経質でいつも時計を気にしている彼の証言によると、被害者のアクビー・ヒックスは
午前6時にエレベータでラウンジに向かった。その時ラウンジにいたのは御剣だけなのだ。
確かに状況を見れば御剣が怪しい。彼は濡れ衣を晴らすべく、自ら現場捜査することを申し出る。

木之路が機長から許可を取り、彼女の監視下で捜査が始まった。
彼女の報告によれば、エコノミーやビジネスクラスからはラウンジに入れない。
つまり御剣含むファーストクラスの乗客のみが容疑者となる。
現場を捜査するうちに御剣が見つけたのは、エアポケットの揺れでエレベータ前にこぼれたジュースの染みと
その上を通って機内ショップの方へ歩み去る一組の足跡。
つまり、誰かがエレベータに死体を残してそこを離れたことを意味するものだ。
「エレベータに乗っていたのはアクビー一人だけだ」と主張するジンクをより詳しく尋問するうちに
気の早い彼が、飛行機に乗った時点で時計を到着地日本の時刻に合わせていたことが判明する。
しかし、機内の時刻は中継地である西鳳民国(せいほうみんこく)の時間に合わせてあり
日本の時刻とは3時間の開きがあるのだ。つまり、ジンクの被害者目撃は午前3時の話になる。
犯行時刻に3時間もの幅があるなら御剣の容疑は晴れる……と思ったところで
もう一人のCA、白音若菜(しらおとわかな)が新たな証言をした。
飛行機は午前4時から5時の間、西鳳民国で給油と荷物の積み下ろしを行った。
5時の時点で一度乗客の点呼を取ったが、そのときアクビーはまだ生きていたというのだ。
そして御剣は、5時から6時までひとりでラウンジにいた。つまり、結局犯行が可能なのは御剣だけだ!
御剣は捜査で集まった証拠品を使って反論する。先ほどの足跡、そして
現場にあった凶器の貯金箱が、機内ショップに置かれていた商品である事実。
事件が機内ショップとも関係するなら、「ラウンジにいた」だけでは犯人であることの証明にはならない。
機内ショップも捜査……しようとしたところで白音のツッコミが入る。
機長は捜査の許可など出していない、これまでの捜査許可は全て木之路の独断だというのだ。
木之路は無言でその場を去り、改めて(正規の許可を取って来た)白音の監視下で捜査が再開される。

「ボルジニア語の読み書きができる」以外、全てが適当な白音に調子を狂わされつつ捜査を進める御剣。
機内ショップに入ると、陳列棚のガラス戸が割れてガラスが床に散らばっていた。
棚の外へガラスが散っているので、エアポケットの揺れで棚の中の貯金箱が飛び出したと推理できる。
だがそれでは、被害者が殺された時点で貯金箱はまだ棚の中にあったことになる。
犯行と凶器の食い違いに、白音は「ショップ担当の木之路さんなら戸を割らずに鍵を開けられた」と指摘。
棚の鍵を持つ彼女なら、そのような工作をすることができた、と言うのだが……。
もう一つ見つかった証拠品は、やはりショップに置かれていたキャスター付きスーツケース。
2つ並んだスーツケースのうちひとつは、車輪止めもなく置かれていて非常に危なっかしい。
鍵がかかっていなかったので中を改めると、そこには血まみれの布と血痕が残されていた。
このケースで死体を運んだのだとすると、やはりラウンジは事件現場では無さそうだ。
ひととおり捜査が済んだところで、まもなく目的地に着陸との機内放送が入る。

36:逆転検事 第2話「逆転エアライン」2/3
13/09/01 22:43:45.27 EEuebQZM0
日本の空港に到着し、一度機を降りた御剣。
そこに、逆転裁判2・3にも登場している顔なじみの狩魔冥(かるまめい)検事が現れた。
無線で伝えられていた情報を元に御剣を逮捕しようとする冥をなだめ、まずは現場を見ろとうながす。
機内に戻り、現場検証を終えた冥と御剣が対峙する。冥は御剣の犯行を立証しようとするが
すでに手広く現場捜査をしている御剣の方が証拠も多く有利だ。御剣は自らの推理を披露する。
「犯行後のエアポケットで棚から飛び出した貯金箱と、ショップに置かれた血痕付きのスーツケース。
 犯人は別の場所からスーツケースで死体をエレベータに運び、ケースをショップの商品に紛れさせる。
 そして落ちていた貯金箱を凶器のように見せて現場を工作し、さらに気絶していた私に被害者のサイフを押し付け
 濡れ衣を着せたのだ」
犯人がスーツケースや血染めの布を残していた点から、あまり工作の時間がなかったことがうかがえる。
どこかに真の凶器が残っている可能性が高い。それを見つければ捜査は一気に進むはず。
だが御剣の推理に対して冥は「貯金箱はやはり真の凶器かもしれない。棚の鍵を自由に開けられれば」と返す。
そう、ショップの鍵を持っていて、しかも事件直後に現場に現れた木之路こそ真犯人かもしれないのだ。

CA控え室で木之路の尋問が始まる。まずは事件直前、木之路がショップを訪れていた件について。
ショップ担当として自分の担当区域を見まわっただけだと語る木之路に、御剣は残酷な現実を突きつける。
件のスーツケースは社内公募で木之路のデザインが採用されたものだが、売れ行きは良くないらしい。
彼女はそれが気にかかって、頻繁にショップを見回っていたのではないか。
御剣の指摘に木之路はうなだれる。彼女はケースの売行き不審に責任を感じ、自腹で度々購入していた。
貨物室にはまだ結構な在庫があるが、それは間もなく処分されてしまう予定だという。
犯人が使ったケースは貨物室から持ちだされたらしい……だがそこで冥が鋭い指摘を入れる。
貨物室に入るには専用カードキーが必要。そしてそのキーは木之路の管理下にあるはずだ、と。
木之路がチェックすると、キーが紛失しているのが分かる。しかし冥は、それが偽装工作だと言って譲らない。
結局、木之路は最有力容疑者として連行されてしまう。
確かに現状では彼女が疑わしい。しかし御剣はどうしても彼女が犯人だとは思えない。
最初に御剣を疑ってしまった償いとして、越権を承知で捜査を手伝ってくれた彼女には誠意を感じたからだ。
彼女を助けられるとしたら、それは真犯人を捕らえること。真実を求めて御剣たちは貨物室へ踏み込む。

長い階段を降りて、大きな貨物室に入った御剣たち。
その床にアクビーの割れた眼鏡のレンズが落ちている。やはり彼はここに来ていたのだ。
冥の言葉によれば、彼の正体は国際警察の捜査官。冥と組んで、世界的な密輸組織の摘発に当たるはずだった。
彼は密輸の証拠をつかもうとして貨物室に入り、組織の人間に殺されたのではないか……。
だが冥は、貨物室に入るキーを持っていたのも、凶器の貯金箱を用意できたのも木之路だけだと主張する。
彼女の推理を覆すなら、凶器が偽物だと証明しなければならない。
丁度そのとき、貨物室にある自分の荷物を返せと詰め寄るジンクが警察官と押し合いになり
階段の手すりを越えて大きな荷物の上に転げ落ちたのを見た御剣ははっと閃いた。
「凶器は見つからなかったのではない……大きすぎて気付かなかったのだ!」

37:逆転検事 第2話「逆転エアライン」3/3
13/09/01 22:44:20.83 EEuebQZM0
御剣の推理は、アクビーの死因である打撲傷は鈍器によるものではなく
倉庫の階段から突き落とされた「墜落死」だというものだ。
それを立証するには、まず階段の真下にある巨大な荷物が事件当時「なかった」ことを証明せねばならない。
ジンクが言うには、この荷物は出発地のヨーロッパから買い付けてきた石像。
その通りならこの像はずっとここにあり、アクビーが墜落死する空間的余裕は無かったことになるが……。
国際警察が追っている密輸組織の件がある。この像にも組織の手が及んでいるかもしれない。
アクビーの遺した資料と照らし合わせると、この像が贋作だと分かる。
本物はヨーロッパから運び出されること無く、中継地の西鳳民国で偽物が積み込まれたのだ。
像をどかして床を調べると、大きなルミノール反応が。やはりここが殺害現場で間違いない。
……とすると、ひとつおかしな点がある。
アクビーの死亡時刻は、西鳳民国で荷物が運び込まれる4時より前。
だが、白音は「5時の点呼の時にアクビーは生きていた」と証言していた。
事実に反する証言で捜査を混乱させた彼女こそ真犯人なのでは?

白音が呼び出され、木之路も立ち会いの上で彼女の尋問が始まる。
証言の嘘、そして偽の美術品に関するボルジニア語の預かり証を発行していた件が突き付けられるが
白音は寝ぼけ顔でそれらをサラリとかわす。
いずれもミスやささいなすれ違いであり、殺人犯である証拠にはならないと言うのだ。
まだ見落としている証拠はないか……考えをめぐらした御剣はひとつの品に思い至る。
アクビーの携帯電話。彼が持ち歩いていて、しかし死体からは発見されなかった物だ。
真犯人は何か意図があって携帯を持ち去ったのではないか?
アクビーの電話番号を知る冥が試しに電話をかけてみると、CA控え室から着信音が響く。
なんと、木之路のロッカーから携帯が出てきた!
おそらくは真犯人の工作だろうが、木之路にまた不利な証拠がひとつ出てしまった。
しかし御剣はうろたえない。真犯人が一度この携帯を持ち去ったからには、これ自体に何か意味があるはず。
携帯の液晶画面は割れていたが、冥によれば中身は無事であり、データが取り出せた。
それは飛行機が西鳳民国に到着する前、石像が貨物室に無かったことを示す証拠写真。
殺人事件を示すものではなさそうだが……御剣は、そこに写った段ボール箱の山に目を留める。
ボルジニア語の書かれたその箱は、ジンクによると「衣装」と読める。
そう、殺害現場の血痕を拭き、スーツケースに押し込まれていた布はここから取られたのだ。
ボルジニア語の表書きを読んで中身を知ること、そしてこの荷物が西鳳民国で運び出され
証拠が残らなくなるのをあらかじめ知っていたこと。それができたのは白音以外にありえない!
今から西鳳民国の空港に問い合わせて荷物を押さえれば、決定的な証拠になる。
そう告げられて、ついに白音も自白せざるを得なくなった。
国際捜査官を名乗り、倉庫に入って写真を撮り始めたアクビーの口を封じるため
白音はアクビーを突き落とし、偽装工作を行ったのである。

事件は解決した。白音が逮捕され、木之路は濡れ衣を着せられずに済んだことを喜ぶ。
だが、白音は密輸組織の実態については怯えるばかりで話さないという。よほど根の深い問題らしい。
そして、新たな現場を求めてまた旅立つ冥は最後に御剣へ情報を語る。
冥とアクビー以外に、もう一人密輸組織を追っている国際警察の捜査官が居るという。
そのうち、御剣もその人物と会うことになる。謎めいた予告を残して冥は去っていった。
いぶかる御剣に応えるように、彼の携帯が鳴る。それは新たな事件の発生を告げる電話だった……。

38:逆転検事 第3話「さらわれる逆転」1/4
13/09/01 22:46:14.24 EEuebQZM0
3月13日午前10時。御剣はある任務を帯びて、遊園地「バンドーランド」を訪れた。
第2話最後の電話は御剣の後援者である富豪、天野川丈一郎(あまのがわじょういちろう)からのもの。
丈一郎の息子、天野川光(あまのがわひかる)が誘拐され、身代金一億円を求める脅迫状が届いた。
身代金の受け渡し役に、信頼できて目端が利く人物が必要ということで
帰国したばかりの御剣に白羽の矢が立ったのである。
2話でもらったスーツケースに一億円を詰めて遊園地に入った御剣に、携帯で誘拐犯から連絡が入る。
園内のあちこちを回ったあげく、たどり着いたのは不気味な「ホラーハウス」。
指示されるまま奥の部屋に入り、身代金を置いて部屋を出た御剣は
突然、何者かに後ろから殴られて気を失ってしまった……。

気がつくと、御剣は倉庫らしき部屋の中にいた。
柱に体を縛られており身動きが取れない。なんとか抜け出せないかともがいていると
上の方にある窓から、笑いながら謎の女の子が現れた。
女の子は、「2代目怪盗ヤタガラス」を自称する一条美雲(いちじょうみくも)。
検事の前で大泥棒を名乗る彼女とかみ合わない会話が続く。
幸い、携帯電話が手元に残されていたので糸鋸刑事に救援を求めるが
電話に出た「国際警察の捜査官」を名乗る人物は「救援に割く人手はない」と要請を一蹴。
仕方なく、御剣と美雲は倉庫内の品々を使ってなんとか部屋を脱出した。

倉庫を脱出し、遊園地の「ウエスタンランド」に出た御剣の前に
先ほどの捜査官、狼士龍(ろう しりゅう)が現れた。
なぜか御剣に敵意をむき出しにする狼によって警察の捜査権は掌握されてしまい
御剣は捜査から外され、糸鋸も狼の下に組み込まれる。
代わって御剣の助手に名乗りを上げたのは、「“真実”を盗む」と息巻く美雲だった。
御剣の記憶によれば「怪盗ヤタガラス」が狙うのは金品ではなく
企業の不正に関する情報を盗んで暴露すること。ある意味「“真実”を盗む」とも言える。
家に帰れという御剣の説得を美雲が聞く様子もなく、仕方なく彼女を連れての捜査が始まった。
最初に話を聞いたのは、現場に駆けつけた丈一郎。
被害者の光に関する情報を訪ねてみると、光だけでなく執事の小倉真澄(おぐらますみ)とも
先日から連絡が取れなくなっているという。事件と関係あるのだろうか。
続いて御剣が話しかけたのは、近くで踊っていた着ぐるみの「タイホくん」。
美雲が茶目っ気を出して着ぐるみの頭を取ると、そこから顔を出したのは
「逆転裁判 蘇る逆転」にも登場した無能警官、原灰ススム(はらばいすすむ)だった。
園内の客に配慮して、着ぐるみで変装しながら捜査をしていると言うのだが
奇妙なことに、彼自身がタイホくんに扮しているにもかかわらず
「園内に1体しか居ない」はずのタイホくんとすれ違ったらしい。
どうやら誘拐犯は、倉庫から予備の着ぐるみを着込んで逃走したようだ。
にわか雨の後なので、地面はぬかるみ足跡をたどることができる。
着ぐるみの足跡を追って、近くにあった車庫のシャッターを開けた御剣たちが見たものは
車庫の中に転がった、小倉執事の死体だった。駆けつけた狼は
「銃刀法の関係上、この周辺で銃を持っているのは警官だけだ」と言って原灰を容疑者として逮捕する。
御剣は現場の不自然さを指摘するも、捜査権を握っている狼は聞く耳を持たず
原灰を連行し、御剣たちを現場から追い出してしまった。

39:逆転検事 第3話「さらわれる逆転」2/4
13/09/01 22:46:48.61 EEuebQZM0
死体発見現場を追い出された御剣たち。だが、捜査の合間を縫って顔を出した糸鋸の情報によって
「目撃者」がいるというステージエリアへ向かうことになった。
そこで待っていたのは、かつて「蘇る逆転」で対面し
今はアメリカ留学から休暇で帰国中だという宝月茜(ほうづきあかね)
そして、マスコットキャラ「タイホちゃん」の着ぐるみで登場した“オバチャン”大場カオル(おおばかおる)。
どうやらオバチャンが、殺人の瞬間を目撃したらしいのだが
興味のないことにはトコトン適当なオバチャンの証言はどうも要領を得ない。
そこに美雲が取り出したのは、大ドロボウの秘密兵器「ぬすみちゃん」。
彼女が小さな機械を操作すると、周囲の風景が丸ごと立体映像に切り替わってしまった。
本来は盗みのシミュレーション用なのだが、これを使えば過去の出来事でも目の前で検証ができる。
さっそく、オバチャンの証言に添って殺人事件を再現してみると
どうやら、殺された被害者は着ぐるみを着ていたらしいことが判明。
茜の科学捜査による足跡検出もその推理を裏付ける。
オバチャンは2階席で昼寝をしていて事件を目撃したため、現場が良く見えていなかったのだ。
そこにまたしても割って入ってきた狼捜査官は、被害者が射殺されたこの目撃証言こそ
原灰が犯人である証拠だと主張する。
だが、御剣はこの推理には未完成の部分が残っていることを指摘する。
現時点での推理は「ステージ上の犯人が、下にいた着ぐるみの被害者を撃った」。
だが死体の傷は、弾丸が腹から肩へ突き抜けたことを示していた。
ならば状況は「下にいた犯人が、ステージ上の被害者を撃った」でなければならない。
これを以って、殺人は着ぐるみを着て逃走中の誘拐犯同士による仲間割れであると主張し
原灰は犯人ではあり得ない、と御剣は主張する。
そこへ、手錠をかけられた青年がふらふらと現れて倒れこんだ。
その青年こそ、誘拐されたはずの天野川光その人である。
自力で監禁場所から抜け出してきたという彼の証言から、誘拐犯の中に女性がいたことが明らかになるが
狼捜査官は光も、オバチャンたち目撃者もすべて自分で囲い込み、またしても御剣を追い払ってしまう。

御剣はウエスタンランドへ戻り、丈一郎、そして天野川家の使用人で光のガールフレンドだという
織戸姫子(おりとひめこ)に光が発見されたことを伝える。
もちろん、殺人事件の謎が残っている以上は御剣もここで終わるつもりはない。
ダメ元で、犯人一味が隠れていた倉庫を捜査できないかと警官に訪ねてみると
警官は「糸鋸刑事に頼まれているから」と通してくれただけでなく、捜査資料まで渡してくれる。
被害者の小倉は、実は脱獄したまま行方不明だった犯罪者「鞍馬純夫(くらますみお)」だったという情報だ。
倉庫に入って捜査を行った御剣は、そこに残されていた痕跡から、誘拐犯が3人いたという推理を導く。
殺された執事、光が見たという「女」の他に、もうひとりの誘拐犯がいるということになる。
ちょうどそこへ、倉庫内の着ぐるみを出そうとしたスタッフが現れたのだが
倉庫内を見たスタッフは、悪役キャラ「ワルホくん」の着ぐるみがないと騒ぎ出す。
ワルホくんは普段園内におらず、定時のショーにだけ出演するキャラクター。
つまり本来なら、倉庫には2体のワルホくん着ぐるみがあるはずなのに2体ともなくなっている。
倉庫内にあった8体の着ぐるみのうち、本来の用途で出払っているものが3体
誘拐犯が着て逃げたであろうものが3体。それとは別にワルホくん着ぐるみが1体持ちだされているのだ。
行方不明のワルホくん着ぐるみは、倉庫内のごみ処理コンテナに押し込まれていたのがすぐ発見される。
だがその手からは、据付の銃が剥ぎ取られていた。空砲しか撃てないモデルガンだとスタッフは言うが……。

40:逆転検事 第3話「さらわれる逆転」3/4
13/09/01 22:47:27.65 EEuebQZM0
倉庫を出た御剣の元へ、糸鋸が駆けつけた。正門前でタイホくん着ぐるみが発見されたのだという。
着ぐるみの中から発見されたのは「HIMEKO・K」の名前が入った翼のペンダント。。
狼捜査官はこれを見て、誘拐と殺人の犯人は姫子であると告発。姫子があっさりと自供したことで
全ての元凶は彼女だったという方向に傾きはじめた。
しかし、御剣は納得しない。彼女の自白は御剣の推理する真犯人と符合しないからだ。
御剣は反証として、死んだ小倉が身に着けていた馬のペンダントを取り出す。
それは姫子の翼型ペンダントと組み合わされて、ペガサスのペンダントになるよう作られていた。
脱獄囚だった小倉と幼くして生き別れた一人娘、それが姫子なのだ。娘を犯罪に引きこんで裏切る父親がいるだろうか。
「親子だからこそ強く結託して犯罪を企む可能性もある」と反論する狼。だが、それも御剣の想定内。
なぜなら、誘拐犯は3人だからだ。疑われもせずに逃げおおせている3人目が存在する。
御剣が告発した「3人目」の名は「天野川光」。そう、これは元々、光を中心とした狂言誘拐だったのだ!
放蕩息子の光は個人的な借金を抱えており、その返済のために金を必要としていたのである。
では、殺人事件の犯人は?姫子は、ステージエリアで確かに自分が小倉を撃ったと主張。
だが御剣は、小さな矛盾からその証言を突き崩す。ステージエリアで姫子が出会ったのは
頭だけをワルホくんに取り替えることで小倉になりすました光だった。
光はあらかじめ、ワルホくん着ぐるみから取ったモデルガンを姫子に「本物の銃」と言って渡しており
トリックによって「姫子が小倉を撃った」と姫子自身が思い込むよう仕向けたのだ。
なぜか?それは、光が小倉を殺した犯人であり、他人に濡れ衣を着せる必要があったからだ。
姫子は反論する。倉庫を出る少し前に、裏切ろうとした小倉が倉庫の奥に閉じ込められているのを見た。
その時点で小倉が生きていたなら、時間的に光が小倉を殺せたはずはない……。
しかし、その主張はむしろ御剣の抱えていた疑問の一つを解決した。
どうして誘拐犯は、身代金と共に御剣までさらって倉庫へ運び込んだのか?おそらく、その時点で小倉は死んでいた。
気絶させた御剣に着ぐるみの頭をかぶせ、小倉に見せかけることで姫子を騙したのである。
滔々と推理を述べる御剣に「どれも推測にすぎない」と一歩も譲らぬ狼捜査官。
決め手となる証拠はないのか?あるとしたら……小倉が殺された「真の殺害現場」。
御剣の誘拐が、小倉の死後に企まれた隠蔽計画のためであるなら、殺害はそれ以前。
おそらく、御剣がさらわれた「ホラーハウス」が鍵だ!
御剣は狼に、ホラーハウスの現場検証を要請。狼もこの提案に乗って捜査を開始しようとするが
それを遮ったのは、光をかばっていた丈一郎だった。彼はつい先程、遊園地の経営会社に金を積んで
ホラーハウスの権利を買い取ったと主張、権利者として現場検証を許可しないと宣言する。
どうやら彼は、すでに光から事件の真相を聞き出しており、光のために真相をもみ消すつもりらしい。
光が狂言誘拐を企んだことまでは、ごまかしきれなくなった光自身が認めたが
このままでは、殺人の容疑は金の力でごまかされ、姫子が犯人として裁かれてしまう!

41:逆転検事 第3話「さらわれる逆転」4/4
13/09/01 22:47:59.51 EEuebQZM0
捜査が手詰まりになったかと思われたその時、美雲が得意げに「ぬすみちゃん」を取り出した。
捜査資料の中にあったデータを打ち込むと、周囲はホログラフィに覆われてホラーハウスの情景が再現された。
もちろん、ホログラフィから物的証拠は出てこない。だが精密なシミュレーションとロジックを組み合わせれば
真実に近づくことは可能なはずだ……!
御剣が注目したのは、自分を背後から襲った犯人が誰で、どこに隠れていたのか。
廊下は一本道で、隠れるような場所はない。だが廊下の奥に「倒れたタイホくん」の人形があった。
これがただのオブジェではなく、着ぐるみでオブジェになりすました犯人だったなら
背後から御剣を襲うことは可能といえる。
だが、狼がその推理に反証を突きつける。遊園地のパンフレットにホラーハウスの紹介もあり
そこには「消えるタイホくん」として、廊下に倒れているタイホくんが出たり消えたりする仕掛けが記されていた。
つまり、最初からホラーハウスの仕掛けとして人形が置かれており、犯人の隠れ場所には成り得ない。
推理の矛盾を突かれて状況を調べ直す御剣は、「消えるタイホくん」の胸に掛かったベルトが
なぜか左右逆になっていることに気づく。そう言えば、ホラーハウス内にはやけに鏡が多い……。
御剣は「消えるタイホくん」が、鏡を使った大仕掛であると看破する。
真っ直ぐな廊下は実は丁字路になっており、普段は壁に見せかけた大扉で塞がれている。
大扉の裏は鏡になっていて、扉が開くと分岐が鏡に映り、見た目は真っ直ぐな廊下に見える。
そうやって2つの廊下を切り替えることで、人形が出たり消えたりを演出しているのだ。
……とすれば、犯人は扉の裏側に隠れることができたということになる。
御剣は思い出す。一度ホラーハウスで奥の部屋に入り、身代金をおいた直後、ガラスの割れる音がしたことを。
それこそが小倉が射殺され、鏡の大扉が割れた時の音だ。
御剣が部屋から出た時見た「タイホくん」は、アトラクション用の人形ではなく
着ぐるみを着たままそこに投げ出された小倉の死体だったのだ。
そしてその工作ができたのは、小倉とともにホラーハウス内にいた光しか居ないということになる。
元々メンタルの弱い光は、殺人の瞬間を正確に言い当てられたことで屈服し、泣きながら容疑を認めた。

事件は解決した。光は狂言誘拐と殺人、そして丈一郎も証拠の隠蔽を罪に問われ逮捕される。
だが、狼はそれ以外にも、密輸事件について丈一郎を問い詰めるつもりらしい。
そこへ、第一話の優木検事と仲間戸刑事が現れ、捜査への協力を申し出るが
(時系列上、第2話→第3話→第1話なので、まだ仲間戸は生きているし、優木も逮捕されていない)
狼はその申し出を無視し、丈一郎を連行していく。
どうやら「天野川コンツェルンの周囲に、密輸組織に協力する悪徳検事がいる」という情報をすでに得ており
それが御剣に対する攻撃的な態度の元にもなっていたようだ。
だが、それ以外にも狼の言動には、検事そのものに対する不信感がにじみ出ている。
御剣に事情を問われた狼の助手、シーナ捜査官はその理由を「法廷のせいで狼家が失墜したから」と語る。
狼家は西鳳民国の犯罪捜査を長く手がけてきた名家。だが、近年は検察による証拠の捏造が横行し
現場捜査を行う狼家は軽んじられるようになった。だから彼は検事を信用しないのだ、と。
一方で、美雲は今回の事件について糸鋸とひとしきり話した後
「私たち、『はじめまして』じゃないんだよ」と言い出す。
以前に出会ったことがあったのか?思い出せずに首を傾げる御剣に、美雲が見せたのは一枚の白布。
それを見た時、御剣は思い出した。7年前のある事件のことを……。

42:ゲーム好き名無しさん
13/09/02 09:11:15.77 s2gDqW2S0
PSゲーム「serial_experiments_lain」の詳細なあらすじをご存知の方はおりませんか?
よろしくお願いします。

43:逆転検事 第4話過ぎ去りし逆転」1/4
13/09/02 22:09:04.80 Y3koqLB10
7年前のあの日……御剣検事の法廷デビューに“なるはずだった”事件。
それはとんでもない騒動から始まった。
コードピア国大使館前で起こった、大使館職員の銃殺事件。
殺人の瞬間を捉えた警備カメラ画像があることから、有罪判決は秒読みと思われていた。
しかし、容疑者の真刈透(まかりとおる)は、法廷でそれまでの否認から一転
「自分は怪盗ヤタガラスから依頼された実行犯だ。そしてヤタガラスはそこにいる検事だ」
と、この事件の担当検事だった一条九郎(いちじょうくろう)を告発したのである。
容疑者にされてしまった一条検事に代わる担当検事として
師匠の狩魔豪(かるまごう)と共に、後学のため傍聴していた御剣に白羽の矢が立ったのだ。
資料に目を通す御剣に、狩魔検事は今回の事件と「KG-8号事件」の関連性をほのめかす。
KG-8号事件、それは3年前、天野川コンツェルンの密輸疑惑に絡んだ殺人事件。
コンツェルンの社員が証言台に立つ直前に殺され、コードピア大使館の職員が容疑者となったが
結局、容疑者は無罪となった。その裁判の担当検事も一条だったという。
2つの事件の相違点は、今回の事件の影に見え隠れする「怪盗ヤタガラス」のみ。

御剣が法廷に立つが、引き継ぎを行うはずの一条検事が現れない。
そこへ飛び込んできたのは、新人刑事の糸鋸圭介(これが御剣と糸鋸の初対面である)。
彼は、控え室で一条検事と真刈が死んでいると報告する。
現場に急行した御剣が出会ったのは、真刈の担当弁護士だった葛氷見子(かずらひみこ)と
証人として出廷する予定だったという刑事、馬堂一徹(ばどういってつ)。
さらに、アメリカ留学から一時帰国中の冥(当時13歳)が、御剣への対抗心むき出しで割り込んでくる。
馬堂刑事は、御剣や冥を子供扱いして現場に入れてくれないが
狩魔検事の鶴の一声で、御剣たちが事件の捜査を担当することになった。
控え室には、折り重なって倒れた真刈と一条検事の死体。
ナイフを持った真刈の死体の上に、拳銃を持った一条検事の死体が重なっている。
拳銃は証拠品として一条検事が持ち込んだものだが、ナイフは出所不明。
被告人である真刈が持ち込めるはずはないから、一条検事の持ち物だろうと推測される。
現場を一瞥した冥は、対立した二人が争い、相打ちになったものと断定するが
御剣は、丁寧に集めた証拠品から、冥の推理が含む矛盾を突く。
検死によれば一撃で即死したはずの一条検事の死体が、真刈の死体の上にあること
さらに左利きの一条検事が右手に拳銃を握っていることなど。
細かい点で、二人が争っての相打ちという推理には矛盾がいくつも上がってくる。
殺人現場には三人目の「真犯人」がいて、現場を偽装した。御剣はそう推理する。
だが、控え室の外では糸鋸刑事がずっと見張りをしており、誰も通らなかったと証言しているのだが……。
そこへ、葛弁護士が、裁判長(逆転裁判シリーズおなじみのあの爺さんである)を連れて登場。
裁判長によれば、糸鋸刑事が持ち場であるはずの控え室前にいない時間があったとのこと。
糸鋸刑事は、被害者の他に控え室に入ったものはいないと証言していたが
彼自身が殺人犯だとすれば、その主張も無意味になるのではないか?

44:逆転検事 第4話「過ぎ去りし逆転」2/4
13/09/02 22:11:11.68 Y3koqLB10
御剣と冥は、狩魔検事の元へ戻り捜査状況を説明する。
被告人と担当検事が死んだ今、公訴棄却で捜査も無用となるはずなのだが
状況に違和感を抱く御剣は、無理を言って捜査続行の許可を得る。
聞き込みによって得られる新たな情報。
葛弁護士は、KG-8号事件で殺された被害者の姉で、関連事件の弁護を通じて情報を集めているらしい。
そして、馬堂刑事もKG-8号事件で被害者の警備を担当していたという繋がりがあった。
一方、容疑者となってしまった糸鋸刑事だが、その振る舞いはどうにも不自然だ。
自分が不利な立場になるのは分かっているのに「控え室前にいたのは自分だけ」と言い張っている。
真相を知るべく、御剣は控え室前の廊下を調べることにした。

廊下を調べた御剣は、ソファに付けられた糸鋸刑事の手形と、床に落ちた餡この欠片を発見する。
そしてソファの上には、窓辺に飾られたサボテンと、割れた風船の切れ端。
これらの証拠から推理を進めた御剣は、裁判長の元を訪れて彼を尋問する。
裁判長は廊下から中庭を挟んだトイレの窓から、廊下に誰も居ないのを見たと証言していたが
実のところ、糸鋸刑事は窓辺のソファに腰掛けてどら焼きを食べていただけ。
窓の位置関係から、ソファに座った糸鋸が見えなかったにすぎない、というわけだ。
裁判長が聞いたという「銃声」も、他者の証言と時間が合わないことから
窓辺のサボテンに引っかかった風船が割れた音だ、と御剣は看破する。
糸鋸が現場を離れていた、という疑いは晴れた。が、もう一つの疑惑が上がってくる。
廊下には糸鋸以外に誰かいた。そして、糸鋸はその人物をかばっているのではないか……?
と、そこへ現れた少女を御剣が取り押さえる。糸鋸を糾弾する御剣に怒りの視線を向けるその少女は
法廷を見学していた一条検事の娘、美雲(10歳)であった。
すでに一条検事の死についても聞いているようで、話すうちに美雲は泣きだしてしまう。
涙を吹こうと差し出されたハンカチの代わりに、美雲が御剣の胸元のクラバットで鼻をかんでしまう一幕もあったが
落ち着いた美雲の証言によって真相が明らかになる。
「知らない人から物をもらってはいけない」という、父親との約束を重んじる美雲に対し
美雲と二人で自販機のどら焼きを買った糸鋸は、美雲のために彼女のことを隠し続けていたのだ。
愚直極まりない行動だが、これで糸鋸の嫌疑は晴れた……と思いきや
葛弁護士は「糸鋸が事件現場の前を離れていないなら、犯行のチャンスが有ったのは彼だけだ」
と、むしろ糸鋸が犯人なのは確実だという主張を展開、再び糸鋸は連行されてしまう。

事件現場の隣にある別の控え室で、御剣は馬堂刑事と相対する。
銃声がしたとき、馬堂はこの部屋に葛弁護士とともに待機していたという。
馬堂と葛、そして一条検事の関係を問うことで、御剣は事件の裏にある闇に踏み込んでいく。
KG-8号事件で妹を失った葛、そして捜査を担当していた一条と馬堂。
彼らは、事件の背後で暗躍していた巨大な密輸組織を各々の職務を通じて追っていたが
組織の闇は恐ろしいほど深く、組織の全貌は一向につかめなかったという。
一方、今回の事件で名前が出た怪盗ヤタガラスだが、真刈がヤタガラスでないのは確実だと馬堂は請け合う。
標的に関する正確な情報収集、警備を突破する高度な窃盗術、そして現場に証拠を残さない狡猾さ。
ヤタガラスの特徴とされるこの3点に、真刈の犯行は全く合っていない。
なにより、ヤタガラスが今回警察に送りつけてきたという「証拠品」が何だったのか
真刈は答えることができなかったのだ。
しかし、ヤタガラスを騙った真刈と、ヤタガラスだと告発された一条が同時に殺された今回の殺人。
ヤタガラスが何らかの形で関係していることは間違いないと御剣は考える。
そこへ、法廷係官が「証拠品受け渡しの用意が整った」との知らせを持ってきた……。

45:逆転検事 第4話「過ぎ去りし逆転」3/4
13/09/02 22:13:20.11 Y3koqLB10
法廷に入り、裁判長立ち会いの元で証拠品を受け取る御剣。
一条検事が持っていた今回の裁判の証拠品と、彼の遺品となった捜査手帳がそこに含まれている。
だが、手帳の内容に目を通した御剣はある疑問を抱く。
一条を刺したナイフ。容疑者の真刈が凶器を持ち込めない以上、これは一条が証拠品として持ち込んだ物のはず。
だが、手帳にはナイフに関する記述がない。その一方で、ヤタガラスが送ってきたという奇妙な形の「鍵」が
並べられた証拠品の中に入っていないのだ。
御剣は、存在しないはずの「ナイフ」と、あるべきなのに無い「鍵」の関連に目をつける。
ナイフの柄の部分をいじると、柄はナイフの刃を包むように開き、中から「鍵」が飛び出した。
このナイフこそ「ヤタガラスの鍵」だったのだ。
どうやら一条も、この鍵がナイフにもなることを知らなかったらしい。とすると、この鍵を凶器に使えるのは
鍵の元の持ち主……すなわち、怪盗ヤタガラスその人ではないのか?
そしてもう一つ、あるべき証拠品がここにない。裁判の中で一度公開された、犯行時の映像。
銃声まではっきり記録されていた警備カメラの映像ビデオがなぜか紛失しているのだ。

御剣は事件現場に戻り、そこにいた馬堂に「ヤタガラスの鍵」の仕掛けについて伝える。
思った通り、馬堂もこの鍵の仕掛けを知らないまま、消えた鍵の行方を探していたのだ。
馬堂から話を聞くうちに、御剣は今まで気づかなかったある矛盾に気づく。
法廷の控え室は機密保持の観点から、防音にも力が入っている。なのに、なぜ馬堂は事件の瞬間
隣の部屋からの銃声をはっきりと聞くことができたのか?
事件現場の窓は何故か開いていた。そして、馬堂と葛がいた隣の控え室の窓も開いていた。
それは、葛が香水をこぼしてしまい、部屋に匂いがこもってしまったからだ。
おかげで、馬堂たちは銃声を聞いてすぐ現場に殺到した。だが、それが真犯人の思惑通りだとしたら?
御剣はある推理を元に、現場にあったテレビとビデオデッキを改める。……御剣が予想したとおり
そこに紛失していた証拠品のビデオがあった。犯行の瞬間の「銃声」が入っているビデオが。

法廷に戻った御剣は、糸鋸が犯人だと主張する葛に対し、実際の裁判のように向い合って、反論を展開する。
「真犯人」は、30分前に二人を殺した後、控え室の窓を開け、証拠品のビデオを掛けっぱなしにした。
そして30分後、ビデオが犯行の瞬間を映したときに響いた銃声を、皆は「犯行の瞬間」と思い込んだのだ。
だが、隣の部屋まで銃声が聞こえるには、もう一手「隣の部屋の窓を開けさせる」ことが必要だ。
香水をこぼすという「事故」で、窓を開けさせた葛弁護士こそ、一連のトリックを用意した「真犯人」である!
御剣の真剣な表情を茶化すようにたびたび爆笑する葛を、御剣は冷静にロジックで追い詰める。
一条も馬堂も知らなかった「ナイフに変形する鍵」を使って一条を殺害できたのは
鍵の送り主であるヤタガラスのみ。つまり、葛こそがヤタガラスなのだ。
御剣の追求に抗しきれなくなった葛は、ひときわ大きな笑いの後にその指摘を認める。
自分こそがヤタガラスであること。だが同時に、密輸組織の人間でもある。
だから真刈に口封じの殺人を依頼し、その真相に気付きかけた一条を真刈ともども始末したのだ、と。
御剣は葛を逮捕しようとする。が、葛は素早く拳銃を取り出し、それを御剣に向けた。
とっさのことで体がすくみ、動けない御剣。そのとき、法廷の隅で様子をうかがっていた美雲が叫んだ。
「お兄さん、右によけて!」具体的な指示に反射的に従うことで、御剣は銃撃を交わす。
だがその隙を突いて、葛は「ヤタガラスの鍵」を奪ったまま逃げ出してしまった……。

46:逆転検事 第4話「過ぎ去りし逆転」4/4
13/09/02 22:15:04.32 Y3koqLB10
葛の自白と逃走により、糸鋸の容疑は晴れ、事件は一応の収束を迎えた。
結局、葛は捕まらず、彼女の動機など具体的な真相は暴かれぬままになってしまったのだが
御剣によって無実が証明され首もつながった糸鋸刑事は御剣に心酔するようになり
以後、彼の部下として大いに奮闘することになったのである。
そして、結果的に御剣の命の恩人となった美雲とは、その後会う機会はなかった……

ここで、時系列は第3話終了時点まで戻る。
美雲が取り出した白布……あとで洗って返してくれと、彼女に預けたままだった御剣のクラバットを見たことで
御剣は、あの事件で会ったのが2人の最初の出会いだったと改めて認識したのである。
だが、不可解なことがひとつある。あの事件では、ヤタガラスの正体は葛だったということで決着した。
なのに、なぜ美雲は「2代目ヤタガラス」を名乗って現れたのか?
疑問をぶつけられた美雲は答える。最近になって父の遺品を整理した際に
父、一条九郎こそが本物のヤタガラスだったという記録を発見したのだと。
信じがたい話だが、美雲が持つ「ぬすみちゃん」は、子供が用意できる代物ではないのも事実だ。
そして美雲は、先日「ヤタガラスの予告状」が届けられたという新聞記事を見せた。
父がこの世にない以上、このヤタガラスは偽物。おそらくは葛につながっているはず。
偽ヤタガラスを捕まえて真実を明らかにするのに、御剣の協力がほしいと美雲は訴える。
御剣としては、真実を明らかにするためとはいえ「盗み」という手段は認められない。
だが、7年前の事件、そしてたった今の事件でも美雲は自分を助けてくれた。
それにあの事件のことが未だ引っかかっているのも事実。
「盗みはしない」という条件で、御剣は美雲への協力を誓った。

47:逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」1/6
13/09/02 22:17:37.59 Y3koqLB10
ここで、ようやく時間軸は第1話の時点に戻る。
御剣は一連の事件を回想しながら、昨夜の事件(第1話)のことを思い返す。
殺人犯とは別に、事件ファイルを盗み出したもう一人の侵入者は「ヤタガラス」の関係者だったのだろうか?
静かに考えを巡らす御剣に対し、美雲は一刻も早く偽ヤタガラスを捕まえようと息巻いている。

事件を追って御剣たちが訪れたのは、「アレバスト王国」と「ババル共和国」の大使館。
それは、あの「コードピア」が、その後の内乱で東西に割れた国の名前である。
両国の大使館も、コードピアのそれを二分割して使っているという奇妙な状況だ。
一方で両国再統合の動きもあり、今日は両大使館の間に設けられた「永世中立劇場」において
両国合同のイベントが企画されている。そして、そのイベントがヤタガラスの標的とされているのだ。
劇場に入ってみると、そこで行われていたのは「大江戸戦士トノサマン」と「忍者ナンジャ」の
日本特撮ヒーローショー。トノサマンの隠れファンである御剣は密かに喜ぶが
ヤタガラスが現れる気配はない。やはり空振りか……そう思っていたところへ
「アレバスト大使館にヤタガラスが現れた」との叫び声が上がる。
美雲はアレバスト大使館に駆け込もうとするが、そちらへの入口は封鎖されていたため
警備の薄いババル大使館側から回りこもうとする。御剣も慌ててそれを追った。
ババル大使館の中庭で美雲を見失った御剣が目撃したのは、突然の火事で炎に包まれる
大使館の建物であった。これもヤタガラスの仕業なのだろうか?

消火が済んだところで大使館の執務室に駆け込んだ御剣が見たのは
狼捜査官の助手シーナと糸鋸刑事が、美雲の身柄を巡って争っている姿だった。
さらにそこにはもう一人、大使秘書のマニィ・コーチンが死体になって転がっていたのである。
怪しい人物を追って大使館内に入った美雲は、執務室で死体に出くわし
そこをシーナに発見され、地元警察から警備のため派遣されていた糸鋸との間で
彼女を殺人容疑者として逮捕すべきか押し問答になったらしい。
御剣はシーナの行動に異を唱えようとするが、大使館という場所柄、地方検事の御剣に捜査権限はなく
シーナは御剣を無視したまま美雲を逮捕しようとする。
そこへ、国際捜査官として活動中の冥が、駐日ババル大使のダミアン・ヒンジ氏と共に現れた。
御剣はとっさに「自分は冥の助手である」と名乗り、ダミアン大使に捜査の許可を求める。
唐突な発言に眉をしかめる冥だが、御剣を自分の下に置くという状況に思うところがあったらしく
彼が助手として捜査に加わることを認める。こうして、御剣は現場の捜査権を得た。
被害者のマニィを調べた御剣は、彼がKG-8号事件の容疑者であったことを思い出す。
さらに驚いたことに、彼のポケットには7年前の事件で葛に持ち去られた「ヤタガラスの鍵」があった。
いくつかの証拠、そして密輸事件を追っていた冥がこの場にいることから推測して
どうやら密輸組織の黒幕は、旧コードピア大使館であるこの場に潜んでいるらしい。
執務室に、固く閉ざされた金庫があるのに気づいた御剣は、もしやと思い鍵を金庫の鍵穴に差し入れる。
すると、金庫が開いた。やはりこの鍵はここで使われていたものだったのだ。
さらに金庫は二重になっており、その奥には密輸された美術品と密輸の書類が入っていた。
……ひと通り捜査が済んだところで、御剣はシーナと相対する。
現場で美雲が凶器のナイフを握っているのを見たというシーナ。落ちていたナイフを拾っただけと主張する美雲。
ナイフを改めた御剣は、刀身が血まみれなのに柄には血が付いていない不自然さに気づく。
どうやらこのナイフは柄と刀身が簡単に外せるらしい。ババルの国章である「蝶」の紋が入った柄を外してみると
刀身には「花」の紋が。これはアレバスト王国のものではないか!
凶器は執務室に飾られていたババルのナイフだと思っていたが、どうやらババルのそれと対になる
アレバストのナイフらしい。アレバスト大使館に入ってもいない美雲がこのナイフを用意できるわけはないので
彼女の殺人容疑は退けられるが…果たして、このナイフはどうやって大使館の境を越えてここに来たのか?

48:逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」2/6
13/09/02 22:20:39.40 Y3koqLB10
いったん劇場まで引き返した御剣たちそこで出会ったのは、アレバスト大使館を捜査中の狼と
駐日アレバスト大使のカーネイジ・オンレッド翁。
彼らの話によると、アレバストでも大きな事件が起きたようだ。
自分の部下であるシーナとの諍いをすでに聞いている狼は、御剣のアレバスト大使館入りを阻もうとするが
そこに現れたダミアン大使が口を利いてくれたおかげで、御剣と冥はアレバスト大使館に入れることになる。
移動中に、冥から密輸に関する詳細な情報を聞く御剣。
今回の狙いは、ババルの特産品とされる「ババルインク」。ババルでしか作られないこのインクは
偽札を作るのに最適とされ輸出が制限されている。密輸組織はこのインクを大きく扱っているらしい。

アレバストの大使執務室に入った御剣を出迎えたのは、なんと着ぐるみのトノサマン。
着ぐるみの頭を外すと出てきたのは、逆転裁判シリーズでもおなじみ御剣の悪友、矢張政志(やはりまさし)だった。
天性のトラブルメーカーなこの男、アレバスト大使館で起きた殺人事件の容疑者にされてしまったらしい。
狼捜査官、そしてヤタガラス事件と聞いて駆けつけた馬堂刑事も交えて捜査が始まる。
こちらの被害者は、怪人☆仮面マスク2世。逆転裁判3に登場した怪盗の模倣犯である。
死因は撲殺。現場には、血まみれになったトノサマンの刀が残されていた。さらに悪いことに
事件直後、矢張は執務室の真上にある暖炉の煙突に入ろうとしていたところを拘束されたという。
友人として彼の人となりを知る御剣は彼が殺人犯ではないと確信しているが、状況は極めて不利だ。
隣の部屋で休憩中だったヒメサマンの役者が、前任者急病のためピンチヒッターで入れ替わっていた
オバチャンだったという衝撃の事実により、状況はますます混迷を極めていく。
ひと通り捜査を終えたところで、御剣はまず矢張の尋問から取り掛かる。
屋根の上にいた理由を、サンタクロースの真似だと主張して譲らない矢張であったが
御剣はあっさりとそれを論破する。矢張はヒメサマン役の交代を知らず、元の役者(もちろん若い女性)を追いかけて
煙突からヒメサマンが休憩中の部屋へ忍びこむつもりだったのだ。
執務室の暖炉は、抜け穴で隣の部屋とつながる仕掛けがあったが、構造上煙突も共有されており
そのため煙突に入ろうとしていた矢張は、執務室へ忍びこむように見えてしまったというわけだ。
現場周辺での不審な行動にはこれで説明がついた。では、現場にトノサマンの刀があった点についてはどうか?
御剣は、この刀が演劇用の模造刀で、人を撲殺するほどの強度はないと主張するが、狼は反論する。
大使館内で血液反応が出た品はこの刀だけ。これ以外に凶器たりえるものは無いのだ。
……だが、御剣は狼の緻密な捜査にひとつ抜けがあることを指摘した。
執務室に安置されていたアレバストの国宝「ダイカイ像」。
元々コードピアの国宝だったが、2国分裂以後、なぜか両国ともそっくりの像を所有しており
自分たちが持っている像こそ本物で、正統政府の証だと主張している両国紛争の火種だ。
本来なら大使とその秘書クラスしか触れないこの像にうかつに手をかければ国際問題になってしまう。
だが、御剣の指摘を受けた狼は、カーネイジ大使を無視して像の科学捜査を強行する。
像から出たのは血液反応と、何者かの手形。さっそく指紋の照合が行われるが
その結果、なんとこの手形はババルで死んでいたマニィのものだと判明する。
つまり、この像はいつの間にかババル側のそれとすり替えられていた、ということだ!
アレバストのナイフがババルにあった謎を解くどころか、さらなる「密輸品」が増えてしまったではないか。

49:逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」3/6
13/09/02 22:22:11.97 Y3koqLB10
ババル大使館に戻ってきた御剣。報告を受けたダミアン大使は、すでにババル側の像を鑑定していた。
予想通り、こちらにあったのはアレバストの像。なぜ分かるかといえば、像が「本物」になっていたから。
そう、ババルの像は偽物だと大使は知っていた。その上で、国のメンツ上ごまかし続けていたのだ。
2国の大使館を凶器が行き来する不可思議な殺人事件。鍵になるのは、両方で目撃情報がある「ヤタガラス」。
そのヤタガラスが最初に現れたという、アレバストの中庭へと御剣は向かう。
真ん中に大きな池のある中庭、そこで今夜、カーネイジ大使の演説が行われる予定だった。
だが、その直前、スポットライトにヤタガラスの影が浮かび上がったという。
パニックに陥った観客によってライトが倒され、混乱のうちに影は消え去ったが
たしかにマントを翻したような大きな影が映った……と、警護を担当していた狼が語る。
だが、現場を見渡した御剣は、そこに仕掛けられたトリックに気づいた。
庭に飾られた複数の彫像、それに予め計算された角度から光を当てることによって異形の影を映す仕掛けである。
ライトの点灯で自動的に影が映し出されるこの仕掛けがあったということは、逆に言うと
仕掛けが発動した時点でヤタガラスはここに居なかった。
ヤタガラスはババル側におり、こちらには仕掛けを用意した「共犯者」がいた、と御剣は判断する。
そのとき、馬堂刑事が新たな証拠品を持ってきた。現場付近にいた女性ジャーナリスト
(実は、逆転裁判シリーズに登場していた『大沢木ナツミ』である)が撮ったという写真。
なぜか言葉を濁す馬堂にその写真を見せてもらった御剣と冥は絶句する。
その写真は、中庭の上を真っ直ぐ飛ぶ、大きな影を映し出していた。
ババルからアレバストの方向へ飛んでいったという影。これが怪盗ヤタガラスなのだろうか?
その正体に迫るべく、御剣は影の起点となるババル大使館へと戻る。

御剣はババル大使館、マニィが殺されていた執務室へと戻ってきた。
そして美雲の「ぬすみちゃん」で、事件直後の現場を再現する。
大きな疑問点は、美雲が目撃した謎の人影。執務室へ入ったその人影を美雲は追っていたのだが
部屋の中にそれらしき人物はおらず、隣の部屋から駆けつけたシーナに美雲自身が疑われてしまった。
ふと御剣は、左右対称の大使館を2つの国が分けて使っている点に着目し
暖炉の中を調べると、アレバストと同じように隣の部屋への抜け穴が開いた。
だが、犯人がここを通って逃げたなら、隣の部屋にいたシーナが気付かないはずはないのだが……。

永世中立劇場で御剣はシーナを詰問。自分の部下が疑われて苛立つ狼を退け、シーナは直接御剣と向き合った。
殺人現場から暖炉の抜け穴を通り、隣の部屋へ抜けた「ヤタガラス」。それをシーナが目撃していないのは
彼女こそが殺人犯ヤタガラスだからだと告発する御剣に、シーナはそれまでの寡黙さが嘘のように
甲高い笑い声を上げ、饒舌になる。その振る舞いは、御剣たちにある人物を思い出させた。
そう、彼女こそ、7年前の事件で逃走していた葛弁護士その人だったのだ。
彼女は密輸組織のスパイとして、素性を隠して国際警察に潜り込んでいたのである。
父の仇を前に思わず身を乗り出した美雲を人質に取り、この場を逃げ出そうとしたシーナ=葛の背後に
こつ然と現れた馬堂が銃を突きつけていた。そして、ついに御剣はヤタガラスの正体を知る。
葛が企業の内情を、一条が犯罪の手口を含む情報を提供し、馬堂が捜査の現場で証拠をもみ消す。
ヤタガラスとは、法の限界を知る者たちが創りだしたチーム名だったのだ。
だが、葛はヤタガラスの一員であると同時に、実在しないKG-8号事件被害者の姉を装って
一条と馬堂に近付き、スパイとしてヤタガラスの行動を牽制していた。
その関係が破綻したのが、第4話の事件の真相だったのである。
強引に突破しようと動く葛。だが次の瞬間、狼が馬堂と葛の間に割って入り、足に銃弾を受けながらも葛を取り押さえた。
狼によって連行される直前、葛は御剣にあることを語る。「今夜、私は誰も殺していない。真犯人は別にいる」
全てが嘘だった女の証言だが、その言葉は奇妙な真実味を持って響く。密輸組織の首領がまだ隠れているのだ。

50:逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」4/6
13/09/02 22:23:36.47 Y3koqLB10
葛が連行され、馬堂もヤタガラス最後の一人として自供し、糸鋸に自らを逮捕させる。
その直前に馬堂が御剣に託したのは、第1話で御剣の部屋から盗まれた事件ファイル。
(そう、第1話の「侵入者」の正体は馬堂だったのだ)
そのファイルには、かつて一条が手に入れた「マニィがKG-8号事件で受け取った組織の指令書」が隠されていた。
そしてもう一つ、KG-8号事件の裁判で一条が盗まれた、証拠品のビデオテープが出てくる。
天野川丈一郎が隠匿していたものだが、彼が第3話で逮捕されたためガードが崩れ、流出したのだ。
第1話の優木検事は、これらの証拠品を組織側に取り戻そうとして暗躍していたのである。

すでに時刻は午前0時過ぎ。カーネイジ大使は、式典再開の準備のために捜査の終了を要求してくる。
まだ「密輸された凶器」の謎が解けていない御剣としては、ここで終わらせたくはないのだが……。
そこへ戻ってきた狼捜査官は「事件の真犯人がわかった」と宣言する。
狼が告発したのは、なんと冥である。両国大使館の入国許可を持っていた彼女なら犯行が可能だというのだ。
冥は怒り狂うが、狼も一歩も引かず、事件解決のためもう一度アバレスト大使館の捜査を申し入れる。
カーネイジも仕方ないという様子で許可を出し、一同はアバレストの執務室へと移った。

アバレスト大使館の執務室で、御剣と狼が対峙する。狼の主張は
「演説の直前、冥はカーネイジ大使を呼ぶため執務室に入っている。犯行はその時行われた」というもの。
これに対し御剣は、冥から直接証言を求め、そこに見えた小さな違和感から推理を組み立てていく。
窓辺のプランターから引きぬかれたトケイソウの支柱、壁に飾られたボウガン、そして天井のファン……
まず、ボウガンで「長いワイヤーの両端を結んだ支柱」を打ち出し、ババル側にいた共犯者のシーナに受け取らせる。
ババル側でワイヤーの端を結んで円を作り、それを天井のファンに引っ掛けてベルトコンベアのように
両国のダイカイ像を運んで交換した。これが「空をとぶ影」の正体だったのだ。
そして御剣は告発する。この仕掛けは大使館の内部に精通した人物でなければ思いつけない。
犯人はアレバストの執務室にいた、大使館のベテラン。つまりカーネイジ大使しかありえない!
疑問点があるとすれば、なぜ彼はアレバストの「本物のダイカイ像」を放出して、ババルの偽ダイカイ像を求めたのか。
それは偽ダイカイ像を調べればすぐ明らかになった。中空になった像の中に、偽札の原盤が隠されていたのだ。
カーネイジ大使こそ、この大使館に潜んでいた密輸組織の首領だったのだ。
だが、カーネイジは大胆にもしらを切り通す。自分が密輸組織の人間だという証拠はない、と。
ここで御剣は決断を迫られる。馬堂が残した証拠品を使うべきだろうか?
これが密輸組織の首領を脅かす品なのは間違いない。だが、これは違法なやり方で確保された証拠品なのだ。
法の番人として、違法な証拠品を使うべきなのか。それとも、違法な証拠品でも真相に迫れるなら活用すべきか。
悩んだ結果、法の限界も人の信念によって超えられると信じ、御剣は馬堂の遺した証拠品を取り出す。
ビデオテープは、KG-8号事件の現場となったマンション入口の防犯カメラの映像。
そこには、組織の指令書を持ってマンションに入るマニィと、彼が乗って来たコードピアの公用車が映っていた。
その映像を拡大すると、公用車に載っていたのがカーネイジであることも明らかになったのである。
この証拠によって、KG-8号事件、そして密輸組織との関連を決定的に突き付けられたカーネイジは
それまでの腰が曲がった弱々しい姿から一転、反り返った尊大な姿勢に変わる。
だがその直後、彼はあっさりと自首を宣言。逮捕して締め上げようとして、御剣たちははたと気づく。
事件現場は大使館の敷地内。そして彼は現役の大使。二重の「治外法権」により、彼は日本の法では裁かれない。
故郷アレバストの法廷に送られ……そして、組織と癒着した法廷によって無罪判決を得るだろう。
これがかつて一条や馬堂を絶望させた「法廷で裁けぬ犯罪者」の正体だったのだ。
愕然とする御剣たちに、カーネイジは大使館からの退去を命じた。

51:逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」5/6
13/09/02 22:25:34.14 Y3koqLB10
カーネイジを取り逃し、大使館からも去らねばならぬ御剣たち。しかし美雲はまだ諦めない。
なぜカーネイジは即時退去を命じてきたのか?それは、知られてはまずいことがまだあるからだ。
美雲のこの指摘によって、御剣はふたたび立ち上がる。
まず劇場内を調べたところ、正門前に飾られたトノサマンと大使たちの集合写真の中で
カーネイジの持っていた花束の中に、マニィ殺害の凶器である花の紋入りアレバストナイフが紛れていることに気づく。
密輸組織の仲間だったマニィとカーネイジが仲たがいし、カーネイジがマニィを殺害。
密輸に関する証拠をすべて死んだマニィに押し付けて逃げる計画を立てた……
両国の大使館に分かれて働いていた2人が会い、殺人事件が起きたのは、実はこの中立劇場ではないか?
だとすれば、カーネイジを守る二重の治外法権のひとつが消える!
御剣は冥から、劇場と大使館を繋ぐ通路の監視カメラ映像を受け取り、人の出入りをチェックする。
不自然なことに、マニィがババル大使館に入った映像がない。やはりこの事件にはまだ裏がある。
そのとき、カーネイジが劇場に現れた。故国の警察に出頭するため帰国するというのだ。
だがそれこそは彼が逃げ延びるための手段。なんとしても引き止めねばならない。
駆けつけたダミアン大使が、同じ大使としての立場から証言を要求し
美雲は、父の形見である捜査メモをちらつかせて彼に証言を強要する。
だが、それだけの手札を動員しても、大使として治外法権に守られているカーネイジには届かない。
万事休すかと思われたその時、席を外していた狼捜査官が再び乗り込んできた。
彼が突きつけたのは、カーネイジを大使の職から解任するというアレバスト本国からの緊急人事。
狼は、名門としての狼家のコネクションをフル動員してアレバストに圧力をかけ、この決定を引き出したのだ。
盾を失ったカーネイジとの対決が始まる。御剣は、トノサマンの小道具である手押し車を示して
劇場でマニィを殺したカーネイジが死体を舞台用の手押し車に詰め、何も知らない矢張に運ばせることで
マニィの死体をアレバスト大使館へ隠したことを暴く。……だが、そこから死体をババル大使館へ運ぶ方法が分からない。
ここで手詰まりなのか?そのとき飛び込んできたのは、トノサマンとヒメサマン、すなわち
矢張とオバチャンのお騒がせコンビであった。あきらかに状況を分かっていない2人だったが
アレバストでなくしたぬいぐるみが、なぜかババルでびしょぬれになって発見されたという矢張の話を聞いて
御剣はついに、死体をアレバストからババルへ運ぶトリックの正体を見抜く。
建物の他の部分同様、中庭の池も両大使館で左右対称になっており、2つの池が地下でつながっていた。
まずババルにいた共犯者の葛が火事を起こす。消火のため、貯水槽でもある池から水が抜かれる。
その際カーネイジはアレバストの池に死体入りの手押し車を浮かべ、ババルの葛は自ら池に入る。
貯水槽の水が抜かれることで自然と水位は下がり、両者は池の底に到達する。
そこで葛は手押し車をババル側に運ぶ。やがて貯水槽に水が足され、葛と死体はババルの地上に上がることができる。
これが、死体をババル大使館へ「密輸」した謎の答だったのだ。

死体移動のトリックを暴かれてなお白を切るカーネイジを決定的に追い詰めるため
論戦の主題は「殺人の瞬間のアリバイ」に移っていく。
劇場ではトノサマンショーを見ていて、席を外す時間はなかったというのがカーネイジの主張だが
そこに割って入った矢張のお喋りから、カーネイジが「劇中で使われなかった必殺技」の名前を口にしたことが判明する。
スタッフ以外がそれを知る方法は、劇場控え室のホワイトボードを見ることだけ。
やはりカーネイジはショー上演中に席を抜け出し、控え室に入り込んでいたのだ。
死体移動に小道具の手押し車が使われていたことといい、もしや控え室こそ殺人現場だったのでは?
だが、ここまで来てなおカーネイジは罪を認めない。控え室で殺人が行われた証拠も
そこに自分が居合わせた証拠もない、と言い張るのだ。
確かに、控え室もすでに狼の部下たちが捜査を済ませているが、特に変わったものは発見されていない。
極限までカーネイジを追い詰めながら、最後の詰めに至る証拠が存在しないことになってしまう……。


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