12/03/01 06:20:18.48 T0YLRGrY0
「ふざけんな!」
俺はチェーンレストランの前で叫んだ。クビになったからだ。
年下の社員が偉そうに死ねよ。そう思った。
イライラした俺は帰りに酒を買った。安いチューハイだ。飲みながら帰った。ほろ酔いになった。
「何で俺ばっかりこうなんだよ……」
ふざけんな! 俺が前世で悪いことでもしたっていうのかよ? クソが。
家の近所の公園をふらふらと歩いていると、目の前に女が歩いていた。可愛かった。しかし、ずいぶんと気分が悪そうだった。そう思っていたら彼女は倒れた。
俺はチューハイの缶を投げ捨て、慌てて彼女に駆け寄った。
「大丈夫?」
「うーん、きゃああああ!」
女が悲鳴をあげて俺から逃げた。あーそうかい。俺に助けられるのは嫌なのかよ。じゃあ、死んでろよ!
俺はビニールから新たなチューハイを取り出した。飲んだ。美味かった。けど、何だか塩の味もした。泣いているからだった。
家に帰ってから布団を被って寝た。布団の中でまた泣いた。
翌日、俺は昼までボーッとして午後からハロワに行った。受付にいる無愛想な姉ちゃんが俺を出迎える。検索を使いたい旨を話して番号をもらう。指定の検索機械の前に腰をおろした。
「クソが」
イライラする。自然と貧乏揺すりを始める。ろくな仕事がなかった。
使用可能時間の30分が迫っていた。何も見つからない。焦った。
「あの」
横から声を掛けられた。受付の姉ちゃんかと思った。だが、まだ時間は来ていないはずだった。
顔を横に向けた。すると、俺の隣に女が座っていた。昨日のクソ女とは比べ物にならないほどに可愛かった。
「は、はい」
声が震える。女とまともに喋るのは久しぶりだった。
「お仕事探してるんですか?」
続く