12/12/28 19:43:29.72 SNGfzGqu
たはら
>>469
一人前とは心理学で言うところの成人の3要件を満たし責任ある仕事をし家族を養う能力のある者を指す。
伝統社会ではそれぞれの社会の様式に基づき概ね15歳前後で通過儀礼を行い一人前として扱う場合が多かった。
作業能力。共同体の一員として与えられた役割を臨機応変にこなせる能力。
社会的能力。その場に相応しい言動が出来る能力。
が基準とされていた。
ただしハードルは最低限のものであり大抵の者がクリアーできた。
クリアーできない者がいるとすれば知的障害者のようなものであり顔を見ればわかりみんなから可愛がられ短い一生を終えていくと思われた。
近代社会では既に子供ではなくまだ大人でもない若者とか青年とか呼ばれる年齢層が発生した。
肉体的には成熟しているにも拘らず在学中である。
正規の就職をしていない。
未婚である。
といった者である。
彼らはまだ一人前とは見做されない。
高度経済成長以前には一部のエリート層の子弟の特権であったが高度経済成長以後は大衆にも拡大した。
高度経済成長の時代には15歳から25歳までの間が子供から一人前への過渡期とされた。
実際、当時の資料では20代後半になっても一人前ではない者がいるとの統計はない。
1980年代後半以降統計上に出現したフリーアルバイター・1990年代後半以降のニート・および引きこもりは40代になっても一人前とは呼ばれる状況にはない。
労働社会においては、自分の知識技術で判断行動し作業を完了することができる者を言う。
参考資料
「都市病理学講座4・都市文化の病理」(誠信書房 1976年)