12/10/25 05:10:30.11 S9uWxHGT
バイアス掛かってるアンチ日帝ライターでした・・・・・・
渡辺洋二「彗星夜襲隊」
特別攻撃をさらに許せないものにしているのは、出撃した者のほぼ全員が戦死したのに、
隊員を選び、送り出した側のほぼ全員がなんらの責任も負わず、戦後の長期間を恩給付
で生き続けたことだ。
この連中は異口同音に言う。
「特攻は本人の愛国心の表われであり、あくまで志願によった」
と。前半にはある程度の真理があるが、後半についてはこれほどのウソはない。一部の
例外的なケースを除いて、特攻への道を歩まざるを得ないように仕組んだ結果なのだ。
希望か否かを問うたり、特攻以外に勝機は得られないと訓示するのも、間接的な強制である。
特攻は至上の行為、どうせ戦死は必定と言ったムードにはあらがいがたい。
まして上官から望むか否かを問う紙を渡されて、「希望せず」とかけるはずはなかった。
そんな選択を許される時代ではなかったのだ。
特攻の悲惨さを表すには特攻攻撃そのものよりも、送り出した側の掌を返したような
敗戦後の生き方を記すのが、あるいは効果的なのかも知れない。
だが、本書中にもいくつか出てくるが、そんな連中の名前を書くことすら不愉快だし、
読者も気分を害されるに違いない。
それならば、特攻の対極にあった戦闘組織を描いてみたらどうだろう。
努力と苦心をかさねつつ、正攻法を採り続けた舞台を記述することで、特攻推進者たち
の愚考や卑劣を表現できるのではと考えた。