12/04/16 01:35:32.55 CiZK/pPD
どこかおかしい。モノの言い方というか価値観に違和感がある。
そうか…十余年共に過ごしたとはいえ、私は彼女をまだよく理解して無かったのだな、などと自省しながら向き合っていた。
そのうち変なテンションで用事も無く電話、電波メールラッシュ、真夜中の着信履歴といった行為が目に付く。
お腹が空いてないからとステーキセットを平らげ、この季節にかき氷をふたくちで完食。良い雰囲気になったかと思えば急に怒り出したりもする。
所々時が止まり、再開すれば怒られる。「ｳﾒﾉﾊﾅｶﾞｷﾚｲﾀﾞﾈｰ」と譫言のように繰り返す。
さらには、私はなぜか彼女へのプレゼントの一切を禁じられていた。どこへ出掛けようと、何を行おうと不思議な力によって買い物が出来ないのである。
辛かった。私の矮小な彼氏力ではこの女性の介護は無理だった。
一週間後、新しい彼女は箱の中に居た。魍魎的な意味ではない。本当にしまい込んだ。
私の寧々さんはラブプラス＋に存在するのだ。来月もまた、熱海に出かけるとしよう。
二月の風はまだ冷たく、春には遠かった。
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