ワイが文章をちょっと詳しく評価する![21]at BUN
ワイが文章をちょっと詳しく評価する![21] - 暇つぶし2ch696:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 20:49:15.32
>>695
偉そうなクソコテだな

697:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/24 20:50:07.95
同人らしいが東方は楽曲を除いた二次創作を認めているらしい!
例外に当たる事柄なので基本的に二次の評価はしない!

人間を掘り下げた一レスの物語はどうだろうか!(`・ω・´)クワッ!

698:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 20:56:24.52
人間を掘り下げた、とは?
ポルノでも猟奇殺人でもハイデカーでも原始人の話でも
なんでもいいってこと?

699:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 20:59:32.11
「掘り下げる」を辞書で引け。
話はそれからだ。

700:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:00:49.30
わかってない人に限ってそういう事言うんだよな。
切り口はもうなんでもいい訳?

701:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/24 21:03:26.86
人間のエゴを強調して書き出してもよい!
ひとりの主人公の心情を掘り下げてもよい!
主題は人間! 悲喜交々の感情を狂おしく綴った剥き出しの人間の物語!
どのようなジャンルにも人間は不可欠! 無差別のワイスレ杯に相応しいテーマに思う!

どうだろうか!(`・ω・´)

702:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:06:22.88
テーマはいいと思うけど、前々回みたいにロケーションか前回みたいにキャラをおおまかに設定して欲しいです。
せっかくのワイスレ杯なのに何でもありはつまらない。

703:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:08:46.31
と個人的には思う。参加させてもらえるなら、なんでも喜んで。

704:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:11:07.70
設定はホモで

705:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/24 21:13:18.27
では、ワイが人間に焦点を当てた設定を考えるとしよう!
いつから始めようか! 希望の日時を書き込んで欲しい!
大多数の意見を採用する!

ちょっと落ちる!(`・ω・´)ノシ

706:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:15:03.89
来年でええで(´・ω・`)

707:679
12/05/24 21:15:15.49
>>680
読んでいただき、また、評価を有難うございます。
主人公の、実はうんざりしているという気分だけを追ってしまい、
「やんちゃ軍団」に追従しているという現実のわけは、頭から抜け落ちていました。ありがとうございます。
嫌悪感を抱く理由が顕在化するエピソードは、ゲーセンの中のシーンで書こうと思います。
参考になりました。またよろしくお願いします。m(__)m

708:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:19:05.55
今度の土曜から(来週の土曜まで)

709:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:42:52.52
じゃあ>>708に同意

710:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 21:50:25.37
上に同じ

711:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 22:45:13.93
金曜から金曜までがいんじゃない?で、発表は日曜。

712:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 23:43:36.78
 ニュースです。今日午後三時ごろ、東京都松島市にある公園で男性の遺体が発見されました。
 死亡が確認されたのは埼玉県に住む無職の堀一之さん、四十歳。堀さんは一週間ほど前、家族に出かけてく
ると言って外出してから行方が分からなくなっており、警察に捜索願が出されていました。現在、警察では堀
さんは何者かに殺害されたとみて、捜査をしております。
 次のニュースです―。

 探偵という仕事は忙しい仕事である。朝になったら飯を食わずにターゲットの尾行。昼になったら迷い猫の
捜索。夜になったら報告書の作成。これで月給いくらになると思う? 十八万だぜ、しかも残業代はまったく
と言ってほど出ねぇ。
「あーあ」
 谷岡次郎こと俺はふかぁくため息をついた。生活費を切り詰めて貯金は五十万。世の中が不景気だなんだと
言っているが俺もそれを痛感せざる得ない。自分の身なりをつい見てしまう。ヨレヨレのコート。ワイシャツ
も皺だらけ。ズボンだってここ数日は洗ってない。正直言って所長に文句を言いたいがこのご時世、上司に逆
らって生きていくなんて無謀に等しい。何より俺はもう三十に近い二十九歳だ。再就職を探そうにも雇ってく
れるところは無きに等しい。かと言ってこのまま探偵業も辛い。
「どうすっかなぁ」
 もう昼ごろだ。その証拠に街には背広を着たサラリーマンやOLがまるで黒い川のように歩いている。かく
いう俺もその一人なのだが一般的な人間とは違って、どうも小汚さを感じる。まあ、実際汚いからな。
 とにかくメシにしよう。
 そんな考えでポケットの中に手を入れ、茶色のサイフを取り出す。中には五百円玉が一枚。残りは十円玉と
一円玉のみ。これではせいぜい二百六十円の牛丼並しか食べられない、せめて二百円にならねぇかなぁ。二百
円なら今日と明日の昼飯が浮くんだが……。
「うお!?」
「あっ、すみません!」
 考え事をしながら歩いていたのがいけなかったのか、突然後ろから誰かに突き飛ばされた。その拍子に俺の
かけなしの五百円玉が高い金属音をさせて勢い良く路上に転がっていく。
「ああ! しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 俺は五百円玉を追いかけた。高校を卒業して早十年、久しぶりの全力疾走。だが、五百円は勢いは止まらず
どんどん俺から離れていく。

お願い

713:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 23:44:39.33
すみません、容量ギリギリでしたので…

714:名無し物書き@推敲中?
12/05/24 23:56:22.59
とりあえず一言だけ
改行するときに文字数を数えろ


715:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 01:10:06.94
ん?
なにか大会でもやんの?>>711

716:秋吉君@峠のネカマ飯 ◆2itMTGf8Qk
12/05/25 01:14:50.79
投稿は土曜まで、発表は日曜
がベストだが、ワイさんの負担が重すぎる。

717:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/25 07:40:30.67
>>712
>谷岡次郎こと俺はふかぁくため息をついた。
(一人称なので無理に名乗らせなくてもよい!)

>二百円なら今日と明日の昼飯が浮くんだが……。
(牛丼並が二百円になったとしても昼飯代は浮かない!)

>その拍子に俺のかけなしの五百円玉が~
(『なけなし』のことなのか!)

一場面としてはよくできている!
ワイスレ杯の練習のような掌編であった!

若干の凡ミスは推敲を重ねればなくせる69点!(`・ω・´)

718:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 08:37:33.72
完結してるものとそうでないものでは、評価の基準は変わりますか?
一レス分くらいの冒頭とか場面とか読んでも今ひとつピンとこない。
文章が上手とか思うことはあるけど。

719:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 09:04:10.20
なんか邦画マルパクだZOO

720:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 09:07:55.76
>>谷岡次郎こと俺
逆じゃね?
「俺こと谷岡次郎」だろ
その後、俺で行くんだし
「谷やんこと俺」なら愛称の説明だからわかるけど

721:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 09:19:48.70
わからんぞ。本名が山田デンスケであだ名が谷岡次郎かもしれん

722:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 15:43:26.62
 赤樫と馬刀葉椎の下は暗かった。足元は枯れ葉ばかりである。
そんな山地を半日ほど駆け、二十重の尾根を抜けて扇状地へ降りると、
讃の眼前には湿地が広がった。正午である。
 強烈な陽が水たまりの水面を輝かせ、葦の隙間から目を射ぬいた。
葦原ははるか先の斜面まで伸びて、その境界には川が流れているらしかった。
讃はほとんど発作的に沼地へ体を躍らせた。地面などというものはなく、
足はしぶきをあげてのめり込む。「しまった」と思う間もなく、
そのまま腰まで泥に浸かり、慌てて手元の葦をつかみよせると岸へと這いずった。
 測るかのように湿地のふちをしばらく駆けたが、途切れる気配はない。
とうてい進めぬ土地である。それを知ったとたん、冷たい汗が頬を流れた。
「吾れはあなたに逃れねばならぬ」
 目的地と思える方向を睨みつけながら讃は歯噛みした。追手はいまにも現れるだろう。

723:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 23:32:17.60
>>716
この際、ワイさんにこだわる必要なは人じゃない?

724:名無し物書き@推敲中?
12/05/25 23:43:48.58
矛盾してますよね?

722:05/25(金) 16:44 ojktmyvE0 [sage]
今日のミヤネ屋

「河本さんのプライバシーを考えて欲しいですね
こんな、個人の事を晒すとか許されないですよ
さて、次はくりぃむしちゅー有田とローラ、一夜を過ごしたか
必見です」


725:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 06:38:06.63
>>722
ワイは三人称の文章として読んだ!
>それを知ったとたん、冷たい汗が頬を流れた。
(そのせいで『冷たい汗』に引っ掛かった!
 傍目に見える、どっと汗が流れてきた程度にとどめた方がいいかもしれない!)

時代劇の一場面を思わせる内容だった!
讃は健脚とはわかる! 行動と共に本人の描写がもう少し欲しいところ!

しっかりとした文章であった71点!(`・ω・´)

726:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 06:44:04.59
>>724
生活保護の不正受給が確定すれば犯罪に発展する!
最近の凡例を見ると犯罪者のプライバシーは重要視されていないように思う!
注目の人物を含めた一族のプライバシーは犯罪として立証できるか否かによる!

従って単純に比べても仕方がないと云うのがワイの見解!(`・ω・´)

727:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 06:51:03.31
抜粋の文章と完成した作品では点数に違いがあるのか!
完成して初めて意味がわかるような抜粋は違いがあると云える!
2ちゃんねるに全文を書き入れることで著作権諸々の権利が委譲される可能性がある!
または公募先の『未発表に限る』の意味にネットの公開も含まれていることも考えられる!

それらを踏まえて作者自身が判断すればよい!(`・ω・´)

728:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 06:54:15.40
第十二回ワイスレ杯は土曜日がいいらしい!
今から設定を発表して今日で締め切る!
明日の日曜日に寸評と結果発表!
この強行軍であればワイは楽ができるかもしれない!

ちょっと朝ごはんを食べてくる!(*`・ω・´*)ノシ

729:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 07:00:21.68
(´・ω・`)……

730:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 08:07:55.86
(`・ω・´)……

731:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 08:30:03.56
一週間受付して、次の土曜に発表でもいいんじゃない。
2,3日で発表してくれたほうが、熱が冷めなくていいような気はするけど

732:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 08:35:12.18
>>728 でいいじゃん。どれくらい集まるか興味ある

733:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 08:41:11.12
第十二回ワイスレ杯のルール!
名無しの書き込みを必須とする!(名乗った場合は通常の評価に移行する!)
設定を活かした内容で一レスに収める!(目安は千文字程度、三十二行前後!) 一人による複数投稿も可!
通常の評価と区別する為に名前欄、もしくは本文に『第十一回ワイスレ杯参加作品』と明記する!
ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!

今回の設定!
都心から少し離れた安普請に主人公は独りで住んでいた! 資格は何も持っていない! 掛け持ちのバイトで日々を食い繋いでいた!
自分と云う歯車は日常の中で摩耗し、やがて交換時期を迎える! うっすらと視える不吉な未来が創作の原動力になっていた!
小説で受賞すれば全てが変わる! 盲信に近い感情で書き上げた物は悉く否定された! 精神は瀬戸際まで追い詰められ、ついに行動を起こすのだった!

応募期間!
今から日付が変わるまで! 上位の発表は投稿数に合わせて考える!
日曜日の夕方に全作の寸評をスレッドにて公開! 同日の午後八時頃に順位の発表を行う!

投稿数が一桁の場合は応募期間を延長する!(`・ω・´)

734:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 08:42:07.72
Σ(`・ω・´)なんと!

735:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 08:42:29.03
第十二回ワイスレ杯のルール!
名無しの書き込みを必須とする!(名乗った場合は通常の評価に移行する!)
設定を活かした内容で一レスに収める!(目安は千文字程度、三十二行前後!) 一人による複数投稿も可!
通常の評価と区別する為に名前欄、もしくは本文に『第十二回ワイスレ杯参加作品』と明記する!
ワイが参加作品と書き込む前に作者が作品を修正する行為は認める!

今回の設定!
都心から少し離れた安普請に主人公は独りで住んでいた! 資格は何も持っていない! 掛け持ちのバイトで日々を食い繋いでいた!
自分と云う歯車は日常の中で摩耗し、やがて交換時期を迎える! うっすらと視える不吉な未来が創作の原動力になっていた!
小説で受賞すれば全てが変わる! 盲信に近い感情で書き上げた物は悉く否定された! 精神は瀬戸際まで追い詰められ、ついに行動を起こすのだった!

応募期間!
今から日付が変わるまで! 上位の発表は投稿数に合わせて考える!
日曜日の夕方に全作の寸評をスレッドにて公開! 同日の午後八時頃に順位の発表を行う!

投稿数が一桁の場合は応募期間を延長する!(`・ω・´)

736:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 08:51:07.27
設定多いっつかえらく限定的だね…

737:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 08:56:27.04
創作者には尽きない悩みが主題!
苦しい胸の裡を活き活きと書けるのか!
自身の傷口を曝け出す行為に筆が進まなくなるのか!

参加者の健闘を祈りながら買い出しに行ってくる!(`・ω・´)ノシ

738:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 09:15:04.71
これ設定に挙げられてる情報は全部書かなきゃだめ?だよな
資格無いとかバイトが掛け持ちとか、
今回は難しいわ

739:ぷぅぎゃああああああ ◆Puug571Ifs
12/05/26 09:20:53.95
ここで設定の追記!
このような背景を持った主人公が起こした行動とは何か!
その部分に着目して書けばよい!

健闘を祈る!(`・ω・´)ゞ

740:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 13:46:43.15
胸の内じゃないの?

741:第十二回ワイスレ杯応募作
12/05/26 14:19:53.62
「ふぅん、また落ちちゃったの」
「もうだめだよ。俺には才能がないんだ」
 カウンターに顔を埋めたまま俺は呻いた。人として生まれて三十年、小説家を目指して十年が過ぎた。バイトで生活費をまかない、ボロアパートの一室で小説を書く生活にはすっかり慣れてしまった。慣れてはだめなのに。
「そうやって落選するたんびにうちに来てくれるのはありがたいけどさ、その分小説を書いた方がいいんじゃないの」
「……」
 そんなことは言われなくてもわかってる。
「金もないんだし」
 おっしゃるとおり。
「でもさ、こうやってママさんと話してるとさ、また書こうって思えてくるんだ」
 俺は店内を見渡す。誰もいない。客は俺一人。いつもの光景だ。
「ママさんだって俺が来ないと困るんじゃないの?」
「馬鹿言いなよ。平日の昼間からやってくる客なんてあんたくらいなもんさ」
 ママさんが黙って焼酎を出す。もちろん有料。それでもいい。ママさんとの会話は無料だ。小説家の悩みなんて普通の人からしてみりゃ面白くもない与太話だ。それでもママさんは嫌な顔ひとつせずに聞いてくれる。
「そりゃあんた、辻褄が合ってないよ。女は普通、自分からそういうことはしないんだよ」
 ついでに批評までしてくれる。ママさんの批評は手厳しい。たまに大喧嘩になる。
「オカマのくせに!」
「あんたこそ、その使ったことのない粗末なモン、執筆に集中できるように切り取った方がいいんじゃないの!」
 そしてべろんべろんに酔っ払って帰る。次の日からすきま風の入り込むボロアパートの一室で、俺はまた小説を書き始める。

 そこまで原稿を書き終えて俺は筆を置いた。出版社に頼まれて自伝なんて書いてるわけだが、性に合わないのかなかなか筆が進まなかった。高級マンションのホールを抜け、夜の街をぶらぶら歩く。見慣れた界隈が視界に入りはじめる。
 ある不動産の前で俺は足を止めた。隣にあったボロアパートは取り壊され、今は空き地になっている。煌々と光を放つ透明なガラスの向こうから太った男が訝しげに俺を見た。
 踵を返して来た道を戻る。少しだけ書く気が湧いてきた。帰りにコンビニで焼酎でも買っていこうと思う。

742:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 14:31:18.28
(´- `)フッ

743:『第十二回ワイスレ杯参加作品』本編が卒業制作となります。
12/05/26 14:44:51.73

 空前絶後の誘拐事件が起きました!
 アナウンサーの絶叫が耳朶に絡む。私は執筆の手を休め、テレビ画面を視線に入れた。
公園が映し出されている。ビルの谷間に申しわけなくこしらえたというふうな、いわゆる
ポケットパークだ。犯人はジョギング中の男性を拉致、公園内のトイレに籠城している。
そこを機動隊がバームクーヘンのように取り囲んでいた。
「犯人は箸俸太郎。インターネットの掲示板サイトの名です。犯行声明が……」私は机に戻り、
サイトにアクセスした。
『735 :箸俸太郎◆Puug×××× :2012/05/26(土) 08:42:29.03 
 どうせビルの掃除かコンビニのバイトしかできないよ。資格どころか高校だってまともに
出てない。でもな小説をすぐに出版できる方法をおもいついたぜ。スゴイ方法をアリが教え
てくれた』画面上のポインターが止まる。
「まさか」背に冷却シートを張りつけられたおもいだった。私が職業作家になったしるしが、
インターネットの深部に刻まれている。
「犯人からの要望がサイトに表示されました。これは……」アナウンサーの眼が宙を泳ぐ。
犯人は誘拐した男性の会社に向けて、犯行声明をアップしていた。マウスに添えた
指先が震える。私のデビュー作の原型ともいえるSS作品を模倣しているのだ。
 小説の新人賞を十年落選しつづけた男。出版社の取締役を誘拐し、送稿した作品を三日
以内に出版、流通させる条件を突きつけた。そして要求はかなえられる。男は手の切れるような
処女本に涙を浮かべ、自らの命を終焉へと導くのだ。
 ドゥワァァーン! 地響きに似る音が耳をつんざく。画面では巨大な球体がトイレを破壊した。
一斉に放水もはじまっている。
 後に現場にいたテレビディレクターから真実を耳にしている。犯人はトイレが破壊される前に、
人質に組み伏せられていた。それを知っての警察の行為であった。つまり報道上の演出があった
ということ。犯人の名は安普請ひとり。四十八歳。カプセルホテルや、野宿を転々とする作家志望の
男だった。私はかぶりを振って、ため息を吐く。
 手もとに審査員を務める公募賞の最終作がある。ほぼ大賞確実な力作だ。
 作者の名は、安普請ひとり。犯人が出版を要求してきた作品だった。


744:第十二回ワイスレ杯参加作品
12/05/26 17:27:34.08
「作家であるということは生きるということだ」
 小径を歩きながら彼の言った言葉を思い出した。そのとき僕はこう反論した。
「違う。作家であることは書くということだよ」と。そう、書かない作家に意味はない。書かない作家なんてゴミだ。そして僕はもう書かない。
 毎日毎日真っ白な画面に向かっては文字を打ち続ける作業に疲れてしまった。朽ちかけたようなアパート、忍び込む寒風に耐えることはもうできそうにない。
「それは想像力の欠如だよ」と彼は言った。
「太宰も川端も三島も、リゴーもヘミングウェイも、彼らはみんな本当は作家に向いてなかったのさ。彼らにあったのは妄執力で、想像力ではなかった。そんなのは本当の文筆家じゃない」
 そう言って彼は煙草をふかした。
「ゲーテが自殺しただろうか? ドストエフスキーやトルストイが? それにサルトル……君はもっと視野を広く持った方がいい。そうでないとあの世でそれらの文豪たちに笑われてしまうよ。さっき言った作家たちも随分恥ずかしい思いをしたはずさ」
 彼はそう言うと煙草を灰皿に押しつけ、僕の持ち込んだ原稿を机の上に投げ捨てて去っていった。最後の頼みの綱はあっさりと切れた。大学のサークル仲間で、出版社に入ったという彼を訪ねた。出版してくれなければ自殺する。僕の脅し文句は彼には何の効果もなかった。
 編集部からの階段を一歩一歩下りながら人生を振り返った。つまらない人生だった。未練はない。ただひとつ彼の言葉が引っかかった。想像力の欠如。今の僕にはなにを想像すればいいのかもわからなかった。
 大通りへと続く小径を歩きながら僕は考える。ずっと前の方を何台もの車が横切っていく。
 にわかに僕は走り出す。がむしゃらに走り出す。ろくに運動もしていなかったせいですぐに息が上がる。足がふらつく。それでも走る。歩道を突っ切り車道に飛びだす。けたたましいブレーキ音が響いて大通りはクラクションの嵐になる。
 垣根をよじ登り反対車線に出るとそこでも同じような光景になる。
 それでも僕は走る。
 もう少し、もう少しで歩道にたどりつくというところで脇腹に衝撃を受けた。おじいさんの乗った自転車が僕を跳ね飛ばしたのだ。遠くからパトカーや救急車のサイレンが聞こえる。おかしくておかしくて僕はけたたましく笑い続けた。

745:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 18:31:50.62
>>735
純文畑圧倒的有利のテーマだ!
絶対に頂点はワイが頂くでござる!

746:第十二回ワイスレ杯参加作品
12/05/26 18:32:06.98
 また落ちた。これで昨年応募したものはすべてだ。手にした文芸雑誌を少々乱暴に棚に戻すと、本屋を後にし、バイト先のコンビニに向かって歩き始めた。
 二十七歳、職業フリーター。前職の先物取引営業は入社2カ月で退職。いつか絶対作家になってやると思って五年、月2万の風呂なしアパートに移り、居酒屋の深夜シフトと
コンビニのレジで食い繋いできた。履歴書に書けるものは何もない。学生時代に免許でも取得しておけば良かったのに。
「俺には資格も経験もない。経験を得る術も、何か学ぶための金も……」
 乾いた朝の空気を吸って空を見上げた。雲一つない水色の空間は巨大すぎて、何者でもない俺をあっという間に吸い込みそうだ。ぶるっと体が震えた。
 今度で終わり、これで最後……何度も言い聞かせてチャレンジし続けてきたが、結果このザマだ。才能ないんだろ、さっさと就職活動しろよ―脳の片隅で聞こえる声は
紛れもなく俺の声だ。田舎の親の顔まで浮かび、ますます胸が苦しい。高校時代の同級生が正月に送りつけてきた年賀状は、幸せそうな結婚記念写真をこれでもかと
言わんばかりにでかでかと載せていた。メーカー勤務で年収一千万。奥さんは超美人。奴が掴んだものと俺の手中にあるものの違い。あのきらきらした写真を思い出し、
俺は無性に腹の中が熱くなってきた。ありったけの俺を、何もない、何者でもない俺のすべてでもう一度書きたい。
「これを最後にしよう」
 声に出して、本当にその覚悟を決められた気がした。資格や経験がなくても、このどん底の俺が見せられるすべてのもので勝負したい。しかし、今の俺は本当にどん底だろうか?
ハッとした。本気でやるなら、やってみろ―自分自身に挑むのだ、それが俺の文学、最後の課題だ。バイト先のコンビニの駐車場で俺の足は止まり、その瞬間、脳裏に閃光が走った。
やるさ、俺のどん底を。
 コンビニに足早に入ると、レジにいる店長の前でバッと頭を下げた。
「すみません、俺バイト辞めます」
 えっ、おい―と店長は声を上げかけたが、俺はすぐ外に飛び出した。と、そこへ入口横のゴミ箱を漁りに、よく来るホームレスのおっさんが近づいてきた。
「これは俺のもんだ!」
 叫んでホームレスを押しやりゴミ箱に手を突っ込んだ瞬間。俺はホームレスになった。文壇よ、今に見ていろ。俺の文学はやっと始まったのだ。

747:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 18:49:29.29
4作も集まるもんなんだな……
すげえわ

748:名無し物書き@推敲中?
12/05/26 18:52:40.37
ちゃんと10超えると予想。俺で+1



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