12/05/06 01:17:13.50
私は菜々美。身長142cm。体重72Kg。童顔のFカップが自慢。
田舎の共学高校の2年生。趣味は何か気になることを調べる事。
最近、私が興味を持っているのは生物の教師、関根。うさぎを使って実験をしているらしい。私は関根を許せない。懲らしめたい。
その為には揺ぎ無い証拠が要る。そこで私は思いついた。脳裏に浮かぶ言葉。うさぎ小屋。実験。やって来る関根。そうだ。私がうさぎになればいいのだ。
去年の文化祭。うさぎの着ぐるみを着て、腹話術で自分の半生を語る。皆を驚愕の渦に飲み込んだ懐かしい一日だ。
そんなことを思い出しながら、うさぎの着ぐるみに身を包み、ウサギ小屋に侵入した。
時間は早朝4時。突然の謎の侵入者に怯え、鳴かないはずのうさぎが奇声を発したような気がした。
関根は朝五時にはうさぎ小屋に来ると噂で聞いた。が、刻々と時間が過ぎる。肝心の関根が来ない。通学してくる生徒が人だかりをつくり、着ぐるみのうさぎを指差して、奇異の目で見ている。
そのうち、人だかりを掻き分けて、体育の教師がやってきた。うさぎ小屋の扉が開かれる。まずい!
「おい、何のまねだ!! 警察を呼ぶぞ!」 さすがの体育教師も、着ぐるみ不審人物に怯え、距離をとっている。
そこへ、走りこんでうさぎ小屋に入ってくる者がいた。関根だ。
「何やってる。うさぎが怖がってるだろう!」 いつにない剣幕。いや、お前がうさぎに何かしてるらしいから……! そのまま、関根にタックルされる私。
その拍子に脱げる頭部。笑顔のうさぎ頭が地面へ転がる。そして現れる脂肪に揺れる私の顔。多くの生徒が驚いた顔をし、呆然とする。
数時間、着ぐるみに包まれた苦しみにもだえていたこと、あまりの展開、そして関根のタックルの為に私の意識が徐々に飛んでいく。
何故だ、関根……。お前はうさぎを実験に使っているはず……。
「どう……なって、ん……の……」 薄れゆく意識の中、搾り出したその声は私の中では学校中に響いた。