ワイが文章をちょっと詳しく評価する![21]at BUNワイが文章をちょっと詳しく評価する![21] - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト250:名無し物書き@推敲中? 12/05/07 23:41:32.31 アランは大剣の鞘を払って地面に捨てた。 「クッ……」 相対する騎士の姿が異様に大きく見える。バルス帝国の騎士に弱者はいない。それはアランが一番よく知っていた。過去に幾度も戦い敗れてきたからだ。 「参る」 短い言葉とともに、騎士がアランに向かってきた。すばやく、斜めに剣を撃ちおろす。アランは大剣で受け止めた。たいした速度の一撃ではあったが、アランとて、この日の為に並々ならぬ努力をしてきたのだ。 「うおおっ!」 力任せに押し返し、上段に剣を構える。そして、騎士の頭上に斬りかかった。どう考えても技倆の面でアランに勝ち目はない。ならば武器の差で勝つ。それがアランの作戦であった。狙うは武器破壊。この大剣なら上手く力を乗せさせすれば。 相手の騎士は狙い通りに剣で受け止めにくる。真横にした長剣の腹と、アランの大剣が激突するかに見えた。 「ぐはっ!」 だが、次の瞬間アランの視界には空が広がっていた。雑草の上に倒れていた。腹部に激痛が走り、凄まじい嘔吐感がする。アランは吐いた。地面に両手をつき、吐しゃ物をまき散らした。 それから、自分の腹部をみて何が起こったのか理解した。彼の衣服には黒々と足形が残っていた。騎士が鉄靴で蹴りつけたものである。 騎士は受け止めるのを途中で中止し、大剣の一撃を紙一重で避けた。そして、それとほとんど同時に蹴りを放ったのだ。 騎士にあるまじき戦いだ、とは言えない。戦いに於いては勝つか負けるか、生きるか死ぬかがすべてなのである。少なくとも、バルス帝国の騎士は、形に囚われるような戦い方を教えられてはいない。 地面に落ちた大剣を杖代わりにし、何とかアランは立ち上がった。とはいえ、ダメージは決して小さくはなかった。さっきの大男と違い、鎧を身に着けていない彼にとって、鉄靴での一撃はハンマーで殴られたに等しい。 騎士は剣をさげて待ってくれていた。騎士道精神の故なのか。それともアランを侮っているからか。何にせよ、これはチャンスだった。 (こちらが回復していないと油断している今なら) アランの動きは唐突だった。一息に騎士の間合いに入り込み、腰を回転させるようにして強烈な横薙ぎの斬撃を振るった。が、あっさりと躱された。やはり強い。油断など微塵もしてくれない。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch