【脱伝統】江戸川乱歩賞その28【実力で君臨】at BUN
【脱伝統】江戸川乱歩賞その28【実力で君臨】 - 暇つぶし2ch613:名無し物書き@推敲中?
12/02/17 12:25:52.80
神の視点というのは日本語の小説ではほとんど認められていません。翻訳小説や一部の時代小説などでは見られますが、私が選考委員を務める新人賞では、髪視点の作品はすべて落選にします。
どうして神の視点がダメかというと、神視点である限り、読者は小説につきあう必要がないじゃないですか。オチもラストも謎も、神視点ならみんな知っているわけですから、読者は登場人物と感情を共有できなくなります。
神視点が許されるとすれば、例えば大きな物語のプロローグ。正体のわからない人物が出てきて何かを会話して去っていくとか(中略)。
神の視点のように見える作品のほとんどは、三人称多視点、複数の人物の視点が使われているだけで、神視点ではない。
それに三人称多視点であっても、視点人物がいる限り、その人物の知りようのない情報を書いてはだめだということは、一視点の場合とまったく同じです。
例えば、逃げる犯人ミムラをミヤケ刑事が追いかける物語で、犯人と刑事の視点が交互に使われるとしましょう。
犯人が誰なのかわからないミヤケ刑事には、「ミムラを捕まえてやる」と思うことはできないし、逃げるミムラ視点でも、刑事が追って来ると思うだけで、「ミヤケ刑事が追って来る」とは書けません。
でも神視点ならそれができてしまうんですね。
でもやった途端、読者に「うっそー、どうして会ったこともない刑事の名前を知っているの?」と反発されてしまいますし、神視点ですべて書こうとするのは、ほぼ不可能に近いです。ですから、神視点はなるべくやめたほうがいいですね。
(角川書店「野生時代」2011.10引用)。


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