12/01/09 20:39:40.60
おれの敬愛するミヒャエル・エンデの連作短編集に「鏡の中の鏡」という本があるのだが、
この物語に登場するキャラが「百人目の王子」の話をするのだ。
以下引用。
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「あんたの知っている物語は、じつはたった一種類じゃ、なあ坊や、
謎を解くことができる百番目の王子の物語だけなんだ。だがその王子のまえの
九十九人の物語は知らんのじゃ。連中は謎が解けないので破滅する。
で、その連中の物語のほとんどが、ここの通りで終わるんじゃ。」
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目の前にある物語や本のほとんどが百人目の王子について語ったものだけど、
お前等は謎が解けないで破滅する九十九人に所属するんだよ。
今までは「きっと何者かになれる俺たち」という楽観が広く共有されていたけど、
生存のためには正しく絶望することが必要不可欠で、「正攻法でやったら、俺は
破滅する側に所属しているんだよ!」って危機感が全体的に欠けているよね。
地味なことなんだけどさ、「おれは弱者だ! 平均以下だ! 少数派だ!
不能者だ! 持たざる者だ! 九十九人に属する側だ!」
と認識するところから始めようよ。