12/06/14 10:57:49.83
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勘次《かんじ》は自分《じぶん》も急《いそ》ぐし使《つかひ》を疲《つか》れた足《あし》で歩《ある》かせることも出來《でき》ないので霞《かすみ》ヶ|浦《うら》を汽船《きせん》で土浦《つちうら》の町《まち》へ出《で》た。 (底本は霞ケ浦)
総ルビ。。1メガ。。(口) 無ルビなら1/3かな。
「俺《お》らどうせ癒《なほ》つか何《なん》だか分《わか》りやすめえし、要《え》らねえな」
平かな「え」はさまざまな音を持っている。 ○
「要」にルビ《え》がなければその音は失われる。ひいてはこの作品も ○
「土」は総ルビ前提で書かれた。 ○
作としての「土」は、寧ろ苦しい讀みものである。決して面白いから讀めとは云ひ惡い。第一に作中の人物の使ふ言葉が余等には餘り縁の遠い方言から成り立つてゐる。by漱石の序文