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【作品名】● 辺境の老騎士
【URL】 URLﾘﾝｸ(ncode.syosetu.com)
【ジャンル】冒険
【長さ】40話、352,872字
【種別】長編・連載中
【あらすじ･概要】
魔物から人々を護る、<大障壁>と呼ばれる巨大な壁。
その壁の切れ目にあった領土、テルシア家が収めるバクラ領に、その生涯をかけて仕えた一人の騎士がいた。
<人民の騎士>バルド・ローエン。四代の領主に仕えたこの老騎士は、しかし既に役目を終えていた。
最後の奉公に自分の全財産を傾きかけたテルシア家に残し放浪の旅に出る。
その旅に目的地などない。ただ旅の空で死ぬだけの道行に。
【紹介理由･感想】
タイトルにもあるとおり、主人公はおじいちゃん。既に自分のやるべき事をやった人間が、その余生を過ごす旅の話。
独自の語り口と間の取り方による演出が、主人公のいぶし銀のシブさを最前面に押し出す。
最初は本当に、「もうどこで死んでもいい、気楽な余生の旅」という雰囲気なのだが、
物語が進むにつれて明らかになる陰謀と、バルドの若い頃の恋の物語を書き出した作者の腕はお見事としか言いようがない。
主人公は生涯騎士だったので、老いてなおそのあたりのチンピラよりはずっと強いが、最強チートではない。
シブくて熱くて、少しほろ苦い物語。埋め火のような熱と、冬の夕暮れに感じるような、理由のない寂しさを含んだ物語。
最強チートや若気の至り的な作品が少し食傷気味だった筆者にとって、このシブさは実に目を引いた。
余談だが、この作者は他の作品もシブくて熱い話ばかり。そういうのが好きな人には特にオススメ。
【地雷条件又は注意事項】
書いてある通り語り口がやや特殊。また、流血表現があるので注意。