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いやあ、参った、と先輩は胸を撫で下ろしていたが、妹は考え込んでいた。女性が最後に言っ
た言葉。取材の前、ただの付き添いの私を除いて、他の三人は女性にサークルの名刺を渡して
いたことを思い出していた。先輩は気にすんな、と言っていたが、妹はアパートをしばらく留守
にして、私のアパートで生活させることにした。
先輩の恋人がアパートの台所で夕飯を作っていると、共用廊下に面した窓が勢いよく開き、
あの女性が立っていた。そして「こんな顔でいつまでもへらへらしていられると思うなよ」と
怒鳴り、出来損ないの火炎瓶を投げ入れて走っていってしまった。”火炎瓶”は瓶の中にただの水
を半分くらいまでいれ瓶の口から火のついた布を差し込んだ物で、部屋の中でごろごろと転が
っただけだったが、その時の女性の顔を思い出すと、これからのことを想像するだに恐ろしく
なり、警察に通報した。