12/02/05 21:20:40.38
前スレで指摘していた。『命令違反が組織を伸ばす』読み直し始めた。
やはり栗田のくだりはおかしいな。
「32隻の艦艇を投資されていた」で終わらせているが、その投資が計画達成に
充分な内容であるかについての言及は無し。P244
1回目の反転をタイミングを乱すものとして批判している。この点は事実だが、
反転すらせずに進撃を継続した場合、米軍が史実通りの反応を示す保証はどこにもない。
245ページでは偶然米軍が小沢艦隊を発見し、そのため栗田は進撃を再開したと書かれているが、栗田は小沢艦隊の動きを知らず、小沢艦隊の行動は最初から囮を企図したものなのだから、偶然という言葉の使い方がおかしいだろう。
「敵に発見されるように動いている」のだから。
それに続く246ページの結論付けは更に異常さを感じさせる。
まず、レイテ湾に進撃しても(菊澤の言う全ての戦力を以ってしても)
目的を達成できる可能性は殆どゼロである事を無視。
続いて大和は結局無駄遣いに終わったことまで栗田の責任にしているが、
これが実際には神の横車による不必要な出撃だったとも評されている点は無視。
長門が核実験で哀れな最後になった点をデメリットとしているのは更に意味不明。
マニアの趣味心理と何か違うのか、これ。
勿論艦隊乗員の価値についても何ら言及せず。
細かい事だが、2回目の有名な反転については、
「自分で決めた」という証言と小柳らの「幕僚と相談して決めた」という
証言の2通りがある。しかしこれに触れた218ページでは栗田が決めた説だけを
採用。そしてカビの生えたような「突っ込めば勝てた」説の開陳に続く。
そもそも、栗田の判断は命令違反なのか。