軍事板書籍・書評スレ44at ARMY
軍事板書籍・書評スレ44 - 暇つぶし2ch329:眠い人 ◆gQikaJHtf2
12/02/13 21:00:01.93
何その『帝国戦争標語集』

先日購った本。
『戦時経済体制の構想と展開』(荒川憲一著/岩波書店刊)
第1次大戦の結果、総力戦という概念が生まれたが、これを日本の軍部がどの様に
受容し、実際に大戦間期から太平洋戦争に至るまで、どの様に消化しようとしたのか、
と言う命題を経済史的に捕えようとした本。
著者は防衛大学教授で戦争経済が専門の元一等陸佐。
なので、岩波にも関わらず、妙な思想的拘りは無い。

『「大東亜共栄圏」経済史研究』(山本有造著/名大出版会刊)
上記が戦争経済に焦点を当てたのに対して、こちらは日本の植民地、そして大東亜共栄圏
を展開した後の「数量経済史」に焦点を当てたもの。
朝鮮や台湾などの公式的な植民地と満州国について軽く触れた後、その後の日本の政策を
大きく、大東亜共栄圏、大東亜金融圏、南方圏の3つに分けてそれぞれの勃興から終焉まで
を論じている。

『中国海軍と近代日中関係』(馮青著/錦正社刊)
清末の北洋海軍から、日清戦争後の海軍再建、その再建期に於ける日本海軍の役割、
米国の関与、中華民国初期に於ける米国からの海軍再建借款履行に対する苦境と挫折、
東北海軍の発展と日本との関係について述べた論考集。
今まで余り光の当たっていない部分だけに、面白そうな命題。

『フランコと大日本帝国』(フロレンティーノ・ロダオ著/晶文社)
主に、フランコ政権成立後の日本とスペインの外交関係について述べた本で、今までその
実態が余り知られていなかった日本の対米諜報網の全貌や、中国やフィリピンを巡る日西
両国のせめぎ合いなどが赤裸々に描かれている。
意外に枢軸国と雖も、一枚岩では無い事がよく判る本だったりする。


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