南雲忠一中将を再評価するスレ(与)at ARMY
南雲忠一中将を再評価するスレ(与) - 暇つぶし2ch750:GF長官
12/02/20 22:15:16.65
>>741の続き

上図は、『カメラと戦争』にも掲載されているので、参照されたし。

「測距儀の両端に、採光窓(>>741のAとB)があり、光線はここから入って
端反射鏡(C)によって直角に反射される。そして対物レンズ(D)を通り、
中央プリズム(E)で右眼に向かう」           (『海軍砲戦史談』)

こちらのサイトで概要はつかめると思います。

丸い地球で戦争する話
URLリンク(majo44.sakura.ne.jp)

この時、右窓(B)から入った光線は、偏角プリズムを通って屈折されるので、
左窓からの光線は目標の下半分、右窓からの光線は上半分の映像を作り、
上下に分かれて表示される。


751:GF長官
12/02/20 22:20:14.43
[合致式測距儀の映像]


            ┏┓
            ┃┗┓
            ┃  ┗┓
            ┣━━┛
            ┃                   (右窓からの映像)
            ┃
            ┃
─────────── ←分割線
                  ┃
                  ┃
                  ┃             (左窓からの映像)
                  ┃
                  ┃


752:GF長官
12/02/20 22:22:26.78
>>751の続き

続いて、測距輪と呼ばれるダイヤルを回して、上下のズレをなくし、完全に一致した時の
距離を目盛りから読み取る仕組みなので、「上下分像合致式」と言われます。


753:名無し三等兵
12/02/20 23:00:50.13 nIpKY51I
(´・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー上下分像合致式

754:GF長官
12/02/21 21:33:35.94
>>753 今回測距儀について詳しく触れているのは、昨年のNHK『坂の上の雲』で
出て来たからです。本職も測距儀の原理については知っていましたが、映像を見た
のは初めてだったので、感動した次第。

視聴者の中で同感だった人はわずかで、ほとんどは軽く流してしまうところでしょうが、
そこを手を抜かず、忠実に再現しているところに製作陣の意気を感じました。


755:GF長官
12/02/21 21:45:28.95
>>752の続き

とまぁ、ここまでの説明で理解できた方は稀ではないかと。
百聞は一見に如かずーちょうどドラマ『坂の上の雲』に登場したので、録画している方は
一度確認してみて下さい。

第11回「敵艦見ユ」の最後、三笠から露艦隊を視認した場面。

長谷川少尉「距離8千5ヒャーク」
加藤参謀長「砲術長、君がひとつスワロフを計ってくれんか」
安保砲術長「はぁ?今報告したばかりですが・・・ハッ!」


756:GF長官
12/02/21 21:46:20.00
>>755の続き

それから安保少佐は後ろに回って、長谷川少尉と交代して測距儀をのぞきこむ。
この時、右手でつかんでいるのが測距輪(>>752
いやぁNHKさん、実に細かいところまで再現してくれたものです。

続いて接眼鏡からのぞいた映像へと移る。
ここで注目して頂きたいのは、敵先頭艦(スワロフ)の前檣。
ちょうど>>751と同じように、マストの上半分が左にずれている。

その後、上下の画像を一致させて、「もはや8千!」の台詞へとつながります。


757:GF長官
12/02/21 21:50:19.12
[距離目盛]

       K I L O M E T R E S

                    10     20
    5                ┃     ┃
    ┃  ┃  ┃  ┃  ┃ ┃  ┃  ┃
    ┃  ┃  ┃  ┃  ┃ ┃  ┃  ┃
    ┃  ┃  ┃  ┃  ┃ ┃  ┃  ┃
               ▲


758:GF長官
12/02/21 21:56:15.40
>>757の続き

▲印が8の目盛にあるので、目標までの距離は8千メートルとなる。

ドラマでは一つの画面の中に表示されていましたが、実際は、
上下分像画面(>>751)を右目で、距離目盛(>>757)を左目で見る。

加藤参謀長が砲術長自ら測距するよう命じたのも、測距儀の扱いには
熟練の技が必要であり、正確な距離を知ろうとしたからでしょう。


759:名無し三等兵
12/02/21 22:13:49.49 okvq2vyZ
GF長官さん、NHK『坂の上の雲』はお金が掛かってて凄かったね!

760:名無し三等兵
12/02/21 22:58:24.12
GF長官!
対戦艦の戦闘をあそこまで映像で再現したのはありませんでしたよね☆
欧米でも刺激を受けてジュットランド海戦を題材にした映画作らないかな?

761:GF長官
12/02/22 21:12:14.03
>>759 そうなんです。測距から最終話の砲戦指揮まで見ごたえがありましたね。
こんなものを見ても、本職のような一部のマニアしか喜ばないはずなのに、NHKは
何を狙っているんだ?とか、また支那半島や市民団体から「右傾化(笑)」と抗議が
入るんじゃないかと、余計な心配までしたくらいですから。

>>760 まぁ、今のユーロ危機が落ち着かないことには難しいかな。
昨日ようやく追加支援が決定されましたが、ギリシャの選択肢としてはユーロから脱退し、
デフォルトしてやり直すしかないでしょう。ドイツとフランスが許さないだろうが。

ていうか、ジュットランド海戦参加全艦艇を復元したら、欧州は空前の好景気にわくだろうに。
財政再建なんか即達成だ。ここはぜひ映画化を!


762:GF長官
12/02/22 21:37:46.61
>>758の続き

このように合致式測距儀には、一致させる”対象”が必要になる。
多くの場合、それは「マスト」ですね。
これが一番分かりやすい。

そこでもう一度、>>751の場面を確認すると、マストが全体にわたって観測できるのは
先頭スワロフの前檣だけで、同艦の後檣や後続艦のマストはすべて煤煙に隠れて
見えません。

「天気晴朗」しかも、砲戦開始前の好条件ですら、観測対象はマスト1本だけという状態。
これに砲煙や爆焔が加わったら、もはやお手上げでしょう。


763:GF長官
12/02/22 21:39:11.13
>>762の続き

このあたりが光学兵器の限界で、夜間・雨天・曇天・煤煙等で、どんな高性能の測距儀も
ものの役には立たなくなってしまうのです。

同時に敵の照準を妨げる際に、「煙幕展張」が有効な手段であることが分かります。
サマール沖で、米タフィ3が栗田艦隊の猛砲撃から逃れられた原因の一つに、駆逐艦の
煙幕展張が挙げられる。

例えば空母戦においても、「敵機直上急降下」の場面で使えるかもしれません。


764:GF長官
12/02/22 21:41:01.53
>>763の続き

「どんなに撃墜の経験を重ねた古強者でも、敵一機をしとめるときは、持てる全神経を
その一点に集中しなければ、高速で避退しようとする敵機に、有効弾を命中させることは
難しい。

それこそ、吐く息を一瞬止めるのである。
その時だけは、狙う視線を妨げるものが一片でもあってはならない。
気が散るというか、心が乱れるのである」      (『零戦ーアメリカ人はどう見たか』)

坂井三郎氏の話ですが、急降下爆撃乗りでも同じだと思います。
まぁ、煙幕を展張する時間があるなら回避運動をとった方が早いし、味方対空砲火の
照準も乱すことになるので、却下でしょうけど。


765:名無し三等兵
12/02/23 21:13:22.89
>>763
URLリンク(www.ericdatz.com)
URLリンク(www.iwm.org.uk)
敵機直上急降下の場面で使うのはちょっと厳しいんじゃないですかね
煙が大して上空には上がりませんし、軍艦は高速で動き回る為上空からだと大して隠れません
あくまで遠方の敵艦から見づらくする事しか効果を狙ったものと思われます
つまり戦艦戦、巡洋艦戦、駆逐艦戦の場面で使うものなのではないでしょうか?

766:GF長官
12/02/23 21:30:24.27
>>765 はい、仰る通りであります。まぁ与太話とでも思っていただければ・・・


767:GF長官
12/02/23 21:47:05.47
>>764の続き

世艦増刊『近代戦艦史』の中で、戦艦アイアン・デューク級3番艦ベンボウの解説に
こうあります。

「第一次大戦後期の艦影であろう。第一煙突の背面その他に三角形の帆布が縦に
並んでおり、前檣にも同様なものが取り付けられるようになっているが、これらは
敵が合致式測距儀で正しい測距を得られないようにするためのものである。

しかしながら、あいにくドイツではステレオ式測距儀を使用しており、まったく役に
立たなかった」

マストのような1本棒だと合致させやすくなるので、変則的な形状を付加することに
より、正確な測距を妨げようとしたもの。
ところが独艦隊はステレオ式だったので、意味ねーじゃんwというわけですね。


768:GF長官
12/02/23 21:47:40.82
>>767の続き

ではステレオ・インベルト式(倒分像立体視式)とは、どのような測距儀なのか。
残念ながら詳しい資料は見つからなかったので、本職にもよく分かりませんが、
こちらが参考になるかも。

旧海軍の測距儀について
URLリンク(www22.ocn.ne.jp)

「双眼が合成された視界内の上下にそれぞれ表示された左右対物鏡からの
画像(上の画像は上下逆の鏡像)を合致させ測距する、前述の正分像合致
式の弱点を補なったものです。
単体画像の上下分像が不用なので大遠距離などでの小目標測距が可能
になりました」


769:GF長官
12/02/23 21:55:45.58
[ステレオ式測距儀]

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       ┏┛                   ┃
     ┏┛                     ┃
     ┗━━━┳━┳━━━┛
                ┗━┛
                   ■

────────────────────

                                             ■
                                          ┏━┓
                              ┏━━━━┻━┻━━┓
                              ┗┓                     ┃
                                ┗┓                   ┃
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


770:GF長官
12/02/23 22:01:41.00
>>769の続き

・・・これで勘弁して下さい  orz

上図のように、中央の分割線で上下に区切られ、線対称の艦影が表示されます。
ダイヤルを調整すると、上下の映像が徐々に中央に移動してくる。
そして、ズレがなくなったところで目盛りを読むという仕組みです。

合致式に比べると、気象条件や煤煙等に左右されにくいし、目標が小さくても構わない。
>>767のように、マストに”細工”しても意味がないことが分かりますね。



最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch