15/12/22 21:23:53.50 F/2VNNRWM.net
自分の裸の写真を見つめながら、これもナルシストなのかなと佐伯真夜は思った。
鳥の鳴き声に顔を向ける。二階の窓から見える空は暮れかけており、部屋の中も薄暗い。張り出した山の木の枝の間から、遠くに鳥が飛んでいるのが見えた。
急がないと暗くなっちゃう。真夜は鞄からピンの入ったケースを取り出して、写真と一緒に壁際に向かった。
住人が居なくなって久しい、廃屋と呼んで差し支えない古い洋館。元は白かったらしい壁も煤けたように変色し、所々漆喰が剥がれ落ち黄色い土壁が覗いていた。
真夜は壁の前に立つと、十四歳には不似合いの淫らな笑みを浮かべた。壁の中ほどに止められた何十枚もの写真。中学のブレザー姿、下着姿、中には全裸で卑猥なポーズをとった物も、すべて真夜本人の写真だった。
ホコリまみれのソファーの背もたれに靴で乗って、上に空いたスペースに写真をピンで留めていく。
「あは……やらしい」