11/11/05 14:08:37.93
URLリンク(www.j-cast.com)
【連載】ブロードバンド“闘争”東京めたりっく通信物語
55.ジャフコ社長の感動的な言葉「社会変革に貢献できたことを誇る」
2008/10/24 17:12
翌日、6月3日、株式契約書調印は、小林君と一緒に無事済ませた。彼は株価については渋ったが、借金漬けの苦しい状況は私と同様で、ここを突いて何とか説得することに成功した。
私が個人財産をはたいてまで最後の踏ん張りをしたことに理解を示してくれたのであろうと思う。
これでソフトバンクは正式にTMC株の過半数を抑え、実質的な会社支配権を手に入れた。
主要株主のジャフコと三和キャピタルは株価にはさすがに憤然としたが、これを逃せば次の出口があるのかないのかも分らないという私の観測に渋々納得してくれた。
そんな状況なのに、ジャフコの村瀬社長からは次のような感動的な言葉をいただいた。
「たとえ損を出しても国運を変える社会変革の一角にベンチャーキャピタルが貢献できたことを誇りとしたい」
腹底から搾り出すような言葉だった。
これにはぐっと来た。私の社会的責任の方は、これだけ損を出させたら、誉められたものではないとは重々承知していた。
なお、TMC株はすでに公開会社の株と同様の認定を関東法務局により受けていたから、ソフトバンクは公開買付(TOB)により全株を取得することになった。
こうして一連の儀式が終了したが、我々は戦いが済んで日が暮れて、という境地にはなかなかたどり着けなかった。
TMC買収の正式な外部発表はソフトバンク・ヤフー合同のADSL事業進出のセレモニーの後に回してくれという断りようもない要請が来ていたのである。
孫氏、井上氏が大舞台を設けたあの電撃的な記者会見は、6月19日に予定されていた。TMCの記者会見は、6月21日とされた。それはそうだろう、晴れ舞台を下手な前座で汚すわけには行くまい。
その配慮もあり、ソフトバンクによる買収は、それほどのインパクトを与えることもなく終わった。