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オリンパスが損失先送りに利用したM&A(合併・買収)案件で中心的役割を果たしたとされる日本人バンカー、
中川昭夫氏の所在が27日、ロイターの取材によって香港で確認された。ロイターは同氏が関与する
会社登記簿など当局への提出資料をもとに住所を調査、香港のマンションで同氏に接触した。
中川氏が率いる証券会社は2008年、オリンパスが実施したM&A(合併・買収)を仲介し、手数料として
6億8700万ドルもの高額な報酬を得た。オリンパスはその仲介料を損失隠しに利用したことを認めて
いる。オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏が解任され、オリンパスの損失先送り問題が
表面化して以降、元ペイン・ウェバーの投資銀行マンだった中川氏の存在がその経緯に関与する
中心人物として浮上していた。
ロイターの記者は27日、香港の金融センター街近くの高級エリアに位置する建物の外で、中川氏が
香港の高級マンションに出入りしていることを突き止めた。中川氏は60才代とみられ、女性の同伴者と
ともに、買い物袋を下げて大理石構えのロビーに入ってくるところだった。
記者は建物の前で取材を試みたが、中川氏は記者に対し「ここから出て行け」と何度も叫び、会話を
拒否した。また、マンションの管理人に「この者をここから追い出してくれ」と依頼。記者がM&Aで得た
高額な手数料の行方について質問したところ、中川氏は管理人に「警察を呼べ」とだけ告げ、足早に
エレベーターに向かった。エレベーターが来るまでの間、記者は中川氏に近付こうとしたが管理人に
妨げられ、中川氏に対してもさらに質問を重ねたが、同氏はまったく応じなかった。
オリンパスは2007年、英医療機器メーカー、ジャイラスを2117億円で買収したが、その際に「アクシーズ・
アメリカ」を投資助言会社に選び、関連会社と合わせて6億8700万ドル(当時のレートで687億円)の報酬を
支払った。トムソンロイターによると、これはM&Aでアドバイザーに支払われた報酬としては過去最高の
水準だった。
アクシーズ・アメリカの代表者は元野村証券の佐川肇氏だが、複数の関係者によると実質的に指示を
出していたのは、アクシーズ・ジャパン証券(東京・中央区)(現アクシーズ・ジャパン)の社長を一時務めた
中川氏とされる。中川氏は1974年に野村証券に入社後、数年で退社。その後、メリルリンチや、ドレクセル・
バーナム・ランバート、ペイン・ウェバーなど、当時日本で業務を拡張していた外資系証券を渡り歩き、
90年代後半に佐川氏らとともに、アクシーズ・ジャパン証券を立ち上げた。
中川氏は、日本のバブル崩壊以降、財テクで損失を抱えた日本企業に対し、損失の表面化を避ける
「飛ばし」のスキームなどを提案し、実行をアドバイスしていたとされる。同氏は菊川剛元社長らと知己の
間柄で、オリンパスによる損失先送りと不正経理の真相を知る人物の一人と見られているが、これまで
メディアとの接触はなく、その言動が公になることもなかった。
一方、アクシーズ・アメリカを率いた佐川氏の所在はまだ明らかになっていない。フロリダ州在住の佐川氏の
妻はロイターの取材に対し、佐川氏の所在は知らないと答えている。一部報道によると、佐川夫妻は今回の
オリンパス問題が発生してから、離婚手続きに入ったとみられている。
ソース:INTERNATIONAL BUSINESS TIMES(2011年11月27日 19時50分)
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