11/11/06 17:50:27.97
現在、会社員らが加入する厚生年金は60歳から、自営業者などの基礎(国民)年金は65歳から受け取ることが原則。
会社員などは厚生年金に入ることで自動的に基礎年金にも加入しているので、65歳からは厚生年金と基礎年金の両方を受け取る。
ただし厚生年金の受給開始年齢は段階的に引き上げている途中で、2025年度には厚生年金の受給も65歳からが原則になる。
少し詳しく見てみよう。60代前半で受給する厚生年金は「特別支給の厚生年金」という位置付け。
本来は基礎年金と同じく65歳からの支給なのだが、「特別に」支給しているという意味合いで、
今はこの特別部分を徐々になくしていく最中なのだ。
特別支給の厚生年金は「報酬比例部分」と「定額部分」の2つに分かれる。
かつては共に60歳から支給していたが、まず定額部分が65歳に引き上げられ、
次いで報酬比例部分が65歳となる。男性の場合、現在は定額部分の引き上げが完了し、定額部分はなくなったところだ。
このように60代前半の年金がなくなっていくときに注目されるのが、年金を繰り上げて受け取る方法だ。
基礎年金は請求すれば最大で5年早く、60歳から受け取れる。
60代前半のどこからでも1カ月単位で受け取る時期を選ぶことができる。基礎年金だけしかない人はもちろん、
特別支給の厚生年金をもらっている人も、基礎年金を繰り上げて60代前半の年金を厚くすることができる。
しかし1カ月前倒しするごとに、65歳から受け取るときより金額が0.5%減り、その額が一生続く。
基礎年金は現在、40年加入したときの満額で65歳から年78万8900円(月約6万6000円)。
これを60歳ちょうどから受け取ると申請すれば、30%減額の55万2200円(月約4万6000円)の年金となる。
「友達が早くもらって旅行などを楽しんでいる」―。社会保険労務士の城戸正幸氏のもとには、
基礎年金の繰り上げについて相談に来る女性が意外に多いという。
夫婦世帯ならば夫の年金収入などもあるので、自分の年金は「お小遣い」という認識で気軽に繰り上げる面もあるようだ。
しかし城戸氏は「よく考えるべきだ」と忠告する。
その理由の一つは長生きすれば、本来の額で受け取っていた方が有利だからだ。
5年繰り上げる場合と本来額を受け取る場合を比べると、76歳すぎを境として、
累積受取額は本来額でもらったほうが大きくなる。
日本女性の平均寿命が86歳であることは頭の片隅に入れておきたい。
社労士の安中繁氏によると、繰り上げ受給を決めた後で夫が亡くなったときも不利になりかねない。
このほかにも、繰り上げると、障害状態となっても障害年金を受け取ることができないなどの制約がある。
繰り上げを考えている人は、年金事務所などで金額を試算してもらいながらよく相談したい。
年金事務所の窓口では繰り上げた場合のデメリットも伝えることになっているが、混雑していると説明も急ぎがち。
社労士の豊嶋和佳子氏は「即決せずにいったん家に持ち帰って、家族とも相談したうえで決めた方がよい」とアドバイスする。
繰り上げの逆で、本来の65歳よりも後で受け取り始める繰り下げという仕組みもある。
こちらは66歳から70歳までの間で、1カ月単位で受給開始時期を選ぶことができ、1カ月遅らせるごとに受給額が0.7%増える。
65歳で満額の基礎年金をもらえる人が70歳ちょうどまで受給開始を遅らせた場合、金額は年112万200円となる。
65歳から受け取る分の厚生年金の繰り下げも可能。生活資金に余裕のある人は検討してもよさそうだ。
ただし、こちらについてもデメリットはあるので、よく考えてから決めたい。
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