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復旧・復興のための緊急措置だといわれると反論は難しい。政府・民主党の復興増税案によると、
所得税は13年1月から10年間、一律4%上乗せされるそうだ。法人税やたばこ税、個人住民税も引き上げられる。
経済はガタガタだし、報道をチェックしていると、政府の埋蔵資産もまだまだありそう。
ドタバタの増税案が最善とは思えないが、大震災からの立て直しを第一にしたものだ。立て付けが悪いのは仕方のない面もある。
ただ、急ごしらえの増税案と同時並行で、根本的な税制のあり方についても、議論しなければダメだ。
日本の政府債務は1000兆円に上る。GDPの2倍の規模だ。先進国で最も悪い数字である。
資産の方も先進国で一番多いから安心だろうという意見もあるが、だからといって借金を野放図に積み重ねられるわけではない。
世界中でソブリン危機が叫ばれているのだ。日本だけがノホホンとしていられる状況でないのは、だれが考えても明らかである。
増え続ける高齢者福祉の財源を考えれば、いずれは消費税率の引き上げが議題に上ることになるだろう。
消費税は、欧州の付加価値税と違って、食料品にも貴金属にも同率にかかる。一律に引き上げれば、
貧困層にとって猛烈な負担だ。増税を考えるのなら、複数税率の導入を含め、根本から制度を設計し直す必要がある。
ただ、その前に、所得税率の見直しが急務だ。高額所得者の税率を引き上げ、再分配の機能を強化しなければならない。
日本の最高税率は、かつて所得税と住民税の合算で93%だった。そこから段階的に下げられて、
小渕政権の99年に合算で50%となっている。その後、政権に就いた小泉首相は、「格差がない社会の方がおかしい」
「成功者をねたみ、能力のある者の足を引っ張る風潮は慎むべきだ」と格差拡大の旗を振った。
構造改革の名のもと、弱者を切り捨てる愚策を強行。このときの失政が、大震災の直撃と相まって、
200万人を超える生活保護受給者を生んでしまった。
高額所得者の所得税率を引き上げ、滞留するだけの余剰資金を、どうしても使う必要がある人たちに回す。
再分配の強化なしに、消費税増税の先行は許されない。
税制の抜本的な見直しは、復興増税の議論と同じぐらい緊急性のある課題なのだ。
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