11/09/22 12:50:02.49
「紳助引退」で、一気に知れ渡った暴力団排除条例(暴排条例)が、10月1日、東京都で施行される。
それに合わせて、暴力団と親密な芸能人の「自主的排除」が行なわれている。
捜査当局のなかで、暴力団排除の前面に立つのは警視庁組織犯罪対策3課である。
ここの幹部が、現在、NHKとキー局を回り、暴排条例の徹底を訴えている。
中身は、契約書に「暴力団関係者と判明した場合には、局側が契約を解除できます」
という一文を入れて欲しいというもの。暴排条例は、勧告、公表、命令といった手順を踏んで、
暴力団と「密接交際者」を排除する。
その際、契約書にその一文がなければ、たとえ捜査当局が勧告のうえで公表しても、
暴力団関係者が開き直れば、彼らにペナルティを与えられない。
そこで、警察の認定によって、自動的に契約解除できる体制を確立しようとしている。
「紳助引退」で、排除される「密接交際者」の基準はぐっと下がった。これを「紳助ルール」という。
つまり、本人が記者会見で述べたように、たまに会って食事、店のオープンには祝儀のカネを落としてもらい、
トラブルの際は解決を依頼するような「この程度の関係」はアウトになった。
週刊誌などは、「紳助ルール」を採用、「次に暴排条例で引っかかる芸能人」といった特集を組んでいる。
しかしゴルフに行った、酒を呑んだ、といった親密さだけで、表社会から排除されるわけではない。
紳助は、芸能人というだけなく、何件もの飲食店ビルを持ち、そこで飲食店も経営するビジネスマンだった。
紳助は暴排条例によって排除されたわけではないが、その趣旨に沿って、芸能界を追い出された。
そして、「次に狙われる芸能人」は、不動産や飲食店といった「副業」だけでなく、コンサート、グッズ販売、
パチンコなど遊技機の肖像権など、暴力団のビジネスに絡み、彼らの資金源にもなっているような芸能人だろう。
警視庁は、組対3課を中心に暴排条例を見据えた「芸能班」を編成、情報収集に努めており、
やがてテレビ局などと情報交換、「ブラックリスト」を作成する。
誰が、暴力団関係者とどのような交際を続け、それが「排除」に値するかどうかをチェック、“有事"に備える。
捜査当局はそれでいいだろうが、困るのは「怪しい」とされ、「ブラックリスト」に載せられた芸能人である。
リスクを恐れるテレビ局によって、いつ「自主的排除」の対象になるとも限らない。「現代の魔女狩り」だ。
今回の動きを主導したのは、安藤隆春警察庁長官である。通常は二年未満で退任するが、
東日本大震災という惨事があったので民主党政権が官僚人事を凍結、2年半を超え、「3年長官」も視野に入ってきた。
暴力団に対するイケイケ路線はよく知られており、「弘道会壊滅作戦」を指揮、
昨年末には山口組ナンバー2の若頭で、弘道会会長の高山清司被告を恐喝容疑で逮捕起訴した。
相撲界の野球賭博も安藤長官の指示で幕が開かれた。相撲の桟敷席に山口組幹部が、当時、
服役中の篠田建市(稼業名は司忍)六代目に、“元気"な姿を見せようと陣取るという風習にメスを入れたところから、
角界と暴力団の癒着解明が始まった。
日本最大の暴力団・山口組も、野球賭博が横行する角界も、これまで放置されてきた。
そこに大胆なメスを入れた安藤長官の功績は大きく、その勢いをかって、任期が延び、
その後、紳助問題が発覚、「芸能界を何とかしろ!」という上意下達につながった。
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