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島田紳助氏の芸能界引退問題、そのきっかけは暴力団との親密な「メール」のやり取りだった。
メールの相手は、島田氏が会見で「A氏」と呼んでいた暴力団関係者。
A氏とはB氏=元ボクシング世界王者の渡辺二郎被告(実刑判決を受け上告中)の紹介で知り合ったという。
2007年、大阪府警が渡辺被告を恐喝未遂容疑で逮捕した際、押収した携帯電話を解析、
そこに島田氏のメールの内容が含まれていたことが判明し、それが所属事務所に伝えられ任意引退という形となった。
実はこの発覚の過程は、今年2月に起こった「大相撲八百長事件」と同じ構図である。
八百長問題で証拠となったメールは、もともと角界の野球賭博事件に関する捜査の過程で見つかったもの。
それを、相撲協会を所管する文部科学省に警視庁が提供、結果として20人以上の力士が追放処分となった。
警察庁は「行政機関相互の協力の枠組み」として、犯罪捜査の過程で得た情報を特定の外部に提供する行為を正当化している。
だが、元北海道警察釧路方面本部長で、「市民の目フォーラム北海道」代表の原田宏二氏は、
警察による情報漏えいの危険性をこう語る。
「仮に大阪府警が情報提供をしたとすれば、これは地方公務員法違反(守秘義務違反)に当たる可能性がある。
八百長メールの提供については、相撲協会が公益法人であるということで“公益性”があるとカムフラージュしました。
しかし、今回は一私人にすぎない個人のメール情報を外部に提供したことになるわけですから、捜査情報の目的外利用で、
八百長メール事件以上に問題は深刻だと思います」
確かに暴力団との関係は許される行為ではない。そして島田氏は人気タレントであり、社会的な影響力もある。
だが、だからといって警察が別事件の捜査で得た情報を使って「好ましくない人間」を社会的に抹殺するようなやり方が許されるものではない。
今回の「島田紳助引退事件」は、芸能界と暴力団の関係を浮き彫りにしただけでなく、
警察による捜査方法の正当性が改めて問われる側面も持っている。
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