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震災で大きな被害を受けた日本を牽引(けんいん)する立場にいた菅直人首相が26日、
退陣表明した。首相は「やるべきことはやった」と自負する。だが周囲の目は厳しい。
いま、最も政治の力を必要としているはずの被災地の住民からは「ようやくか」といった声まで
出た。後継選びも混沌(こんとん)としている。国民が望む政治はどこにいくのか。
この国の政治はどこにあるのか…。
「ようやくか。(6月の不信任案提出時点で)もう結構だと思っていたが…」。
首相退陣の一報に、岩手県陸前高田市のイカ釣り漁師、熊谷民治さん(66)が
口にしたのは安堵(あんど)の言葉だった。
津波で自宅は全壊。国の補助割合が決まらず、購入した中古船も使えない。
いらだつ気持ちを、さらにあおったのが首相の決断力のなさだったという。
「領土問題でも周辺国に意見も言えない。リーダーがこれでは国民として情けない」
同県大槌町の仮設住宅で暮らす安渡公民館長の関洋治さん(61)は複雑な思いで
テレビを見つめた。「勢力争いと足の引っ張り合い。政治屋がゲームしてるみたいなもんだ」。
小沢一郎元代表の地元、岩手県は“民主王国”として知られるが、
首相退陣への同情は聞かれなかった。
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