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「目を二重にしたり、鼻を高くすることなんて美容整形したうちには入らないですよ」（三十代女性会社員）
そんな韓国で、先月一日から美容整形に一〇％の消費税が課せられている。
課税対象は、目の二重手術、鼻の整形、豊胸・乳房縮小、脂肪吸引、皺取り（ボトックス注射など）の五項目。
韓国政府は美容整形手術への課税だけで約三〇〇億ウォンの税収を見込んでいるというが、
昨年目と鼻の美容整形をしたという女子大学生はこう憤る。
「就職難の時代に資格もたくさんとっているが、容貌は重要なスペック。
美容整形は単に美しくなるためのものではないのに、課税はそうした流れに逆行している」
韓国では七人に一人が美容整形をしているといわれ、整形したことを告白する芸能人も多く、
一般的に寛容だ。ある結婚相談所の調査では男性の五〇％が「恋人の美容整形に賛成」と答え、
その理由に「きれいになると見た目がいい」、「社会生活では容貌も競争力」などを挙げている。
ソウルの美容整形外科の約六割が集中する江南一帯で開業する美容整形外科医の話。
「昨夏に比べて手術数は二〇？三〇％減ったが、今年は五月、六月に連休があったので
課税される前に手術を受けようという人が多かった」
課税は外国人にも適用される。韓国では二年前から医療観光が推進され、
美容整形観光もさかん。昨年医療目的で韓国を訪れた八万一七八九人のうち
約一四％が美容整形手術を受けており、圧倒的に多いのが中国人と日本人だ。
「技術もしっかりしているし、価格も日本より安く、日本語を話せるスタッフも充実しているので
安心して施術を受けられる。そのうえ時差もなく観光も楽しめるので、しわ取りは韓国でと決めていたのに、
これからは高くなるのかしら」（四十代の日本人女性）
実際に病院に問い合わせてみると、消費税を上乗せするところもあれば、価格は据え置くというところも。
「美容整形業界の価格競争は熾烈です。結局今後は、消費税は病院側が負担し、
他より割安な価格を提供するようになっていくのだと思います」（前出・開業医）
病院には、しわ取りならぬ、しわ寄せか。
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